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魔神ガロン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
魔神ガロン
ジャンル SF
漫画
作者 手塚治虫
出版社 秋田書店
掲載誌 冒険王
発表号 1959年7月号 - 1962年7月号
漫画:魔神王ガロン
作者 永井豪
出版社 KKベストセラーズ
掲載誌 手塚治虫マガジン
発表号 2004年5月号 - 2005年4月号
巻数 2
話数 12
テンプレート - ノート
プロジェクト プロジェクト:漫画
ポータル Portal:漫画

魔神ガロン』(まじんガロン)は、手塚治虫の漫画作品。『冒険王』に1959年7月号から1962年7月号まで連載された。

概要

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手塚治虫によるSF作品。

連載中盤から画風に変化が見られることから代筆によるものではないかと言われており、単行本でも中 - 後半部分が収録されていないものがほとんどである。

また、同キャラクターは漫画の『鉄腕アトム』、『マグマ大使』にも登場し、主人公たちと対戦して窮地に追い込む。虫プロダクション製作の白黒テレビアニメ作品『鉄腕アトム』の中では第19話「アトム対魔神」と第91話「ガロン逆襲」に登場する。手塚プロダクション制作のカラー版テレビアニメ『鉄腕アトム』の第41話「魔神ガロン」にも登場する。

テレビ東京で放送されたアニメ三つ目がとおる』にも登場した。また『ジェッターマルス』第18話にはガロンを元にしたダイダロスという古代ロボットが登場している。

1961年と1971年にテレビ実写化が企画されてパイロットフィルムも制作されたが放送は実現しなかった。また、虫プロの「虫プロランド」構想(詳細は『新宝島 (テレビアニメ)』の項目を参照)でもアニメ化候補とされていた。

2004年には、永井豪による続編『魔神王ガロン』が手塚治虫マガジンにて連載された(手塚治虫マガジン休刊により連載は中断)。

あらすじ

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宇宙から飛来した巨人・ガロン。その正体は異星人が地球人をテストするために送りこんだ兵器であり、異星人は地球人がガロンを悪用すれば地球を攻撃するという。ガロンを動かす鍵となる少年ピック、ピックを双子の弟のケン二として一緒に育てられたケン一少年、ガロンの修復を行った俵教授の助手・敷島らは地球の滅亡を防ぐため、ガロンの力を狙う悪人らに立ち向かう。

単行本

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実写パイロット版

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怪獣マリンコング』を制作したニッサンプロダクションと太平広告[1]によって1961年に実写化が企画され、30分のパイロットフィルムが製作されたが放送には至らなかった[2]

その後1971年に、手塚プロ[1]によって実写化の企画が再度持ち上がり、特撮テストを兼ねたパイロットフィルムが製作されたが[1]、1972年に『サンダーマスク』に企画変更された[3][1][4][注釈 1]。1971年版で使用されたガロンの着ぐるみは『サンダーマスク』の敵役・魔王デカンダへの流用が検討され、デザイン画も存在する[3]

1971年版スタッフ

1971年版パイロットフィルムは現存しており、近年では2010年12月18日開催のイベント「手塚治虫ファン大会2010」で上映されている[6]

アニメ

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ガロン』(GARON THE GUARDIAN)は、2013年に『手塚治虫記念館開館20周年記念プレ企画』と題し、手塚プロダクション大阪芸術大学キャラクター造形学科との共同制作で人材育成を目的とした産学連携で制作されたアニメーション[7]。上映時間22分。宝塚市立手塚治虫記念館で2013年4月27日から5月14日まで一般上映、2013年4月23日から4月25日まで大阪芸術大学映画館で学生限定上映。制作はプロの手によるものであるが、完成後はキャラクター造形を授業に使うなど学生のオリジナル教材として提供される。

キャラクター

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ガロン
宇宙から飛来した巨大ロボット。
ピック
声 - 佐々木りお
ガロンの胸に眠っていた謎の子供。
サラ
声 - 井澤詩織
女性カ科学者。
ドクター
声 - 辻親八
司令官
声 - 佐藤正治
副官
声 - 後藤ヒロキ

スタッフ

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  • 制作総指揮 - 塚本邦彦
  • 原作 - 手塚治虫『魔神ガロン』
  • プロデューサー - 高橋良輔
  • 監督・脚本 - 吉川惣司
  • 演出 - 吉村文宏
  • キャラクターデザイン・作画監督 - 中村路之将
  • 美術監督 - 西田稔
  • CGプロデューサー - 伊勢田誠治
  • 撮影監督 - 田沢二郎
  • 音楽 - 明石隼汰
  • 制作協力 - 廣瀬和好
  • 制作 - 大阪芸術大学・手塚プロダクション

魔神王ガロン

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永井豪著 コミックス全2巻(KKベストセラーズ)

ガロンが消えてから長い年月が経ち、人々がそのことを忘れた頃、宇宙人ゴアにより地球に送られた謎の玉により、明王真(みょうおうまこと)少年は、ガロンになる力を得る。

しかし、魔神はガロンだけではなく、その力を得たのも真だけではなかった。秘密裏に魔神球を集めていた宇宙人・宝夢六郎によると、魔神球をもたらしたのは「ゴア」と呼ばれる宇宙の絶対悪とされる存在であり、全13体の魔神は、「人知を超える力を与えられた者は、必ず悪しき欲望のままに暴れ出す」という人の心の闇を突き、地球人を共倒れさせるためのゴアの罠だったのだ。真=ガロンとその仲間たちの、悪に走った魔神たちとの戦いが始まる。

魔神になるキャラクターは、スターシステムにより有名な手塚キャラクターが当てられており、リボンの騎士ビッグXに登場したキャラクター、そしてその姿を模した魔神たちが登場する。

魔神球

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魔神の核となる物体。宇宙から落下した直後は幾何学的なパーツだったが他の存在を取り込むか、しばらくすると拳大の球の形に収まる。持ち主との融合後は持ち主にしか反応せず、死なない限りは引き離されても持ち主の元に戻ってくる。人が収まるサイズまで拡大した球と融合することで魔神となり、任意に分離することも可能。分離後は持ち主によっては拳大から手に収まるサイズまで縮む。

魔神球の持ち主と魔神名

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第1魔神・ガロン/明王 真(みょうおう まこと)
天体観測を趣味とする高校生。近所に流星が落下したことから見に行くが、魔神球を手に入れガロンとなる力を手に入れる。静かに星を見るのが好きな少年だったが、ガロンとなってからはスポーツや格闘技も嗜むようになる。ライオン魔神を倒したことで魔神としての力が一段階パワーアップする。
第2魔神・ズロン/刃武玉五郎(はむ たまごろう)
少年院に出入りを繰り返す不良学生。魔神となって得た力でATM強盗を行う。ガロンを仲間に引き入れようとするが対立。一度敗北するもシエエに助けられる。その後もATMを盗むことで資金稼ぎをしていた。ゲシュタポXに敗北したことで当局に収監されるが、復活した魔神球が帰ってきたことで脱獄。魔神球の真実が公表されても「自分は元から悪人」と意に介さず、休息中の小名楽才三を殺害したことでパワーアップした。
第3魔神・シエエ/汗血乱風(あせち らんぷう)/本名・畦地連蘭子(あぜちれん らんこ)
怪奇作家。いい年をした中年女性だがメンクイで、足を舐めさせる性癖がある。正体が発覚して逃亡する刃武を匿うが、魔神球を金庫にしまい込んでいたため、魔神球を狙う者たちに暗殺される。
第4魔神・メルゥー/芽留桃子(める ももこ)
幼稚園に通う女の子。ませていて子供の立場に不満を感じており、魔神となってケーキ屋やおもちゃ屋に押し込み、強盗・器物破損行為を仕出かしたが、ガロンに投げ飛ばされたら泣きだし、魔神球も回収された。
第5魔神・魔神総裁ゲシュタポX/ハンス円外流(-エンゲル)
日本に帰化したドイツ人二世の研究家。魔神球を送り込んだ宇宙人に従い、自身が地球の支配者になろうとしている。魔神球の真実が公表されても却って持論を確信したようで、乙女の騎士を襲撃する。
第6魔神・ライオン魔神/ブラックパンジャ
福岡県F市の動物園で飼われている黒いライオン。魔神となって言語すら操るようになり人間を喰うことを覚えたが、ガロンとの戦いで死亡。
第7魔神・乙女の騎士(メイデン・ナイト)/岸リボン/本名・岸沙布也(きし さふや)
売り出し中のアイドル。魔神化する際にはコスチュームを纏い、馬のぬいぐるみをユニット化して使用している。実は性転換を希望する男の娘で、世界最高の闇医者に手術を依頼するために資金を貯めている。真に対して正体を明かすが、拒絶されたため愛憎反転し暴走しかけたところをゲシュタポXに襲われる。
第8魔神・魔神大X(だいエックス)/外衆大介(げしゅう だいすけ)
小学生の男の子。ナチスマニアの父親・外衆保(げしゅう たもつ、雑誌編集者)がゲシュタポXではないかと疑い、魔神となって倒そうとしている。魔神球の真実が公表されるが、目的を遂げるためとゲシュタポXを捜索中に三つ目魔神に勝負を挑まれる。
第9魔神・スカンクサイ/小名楽才三(おならく さいぞう)
ケチなヤクザ。手柄を挙げようとして組の立場も考えずに大物ヤクザの暗殺を実行。身内に始末されかかるが魔神球を見つける。自分の組「極悪会・小名楽組」を作る。魔神球の真実が公表されても「自分は元から悪人」と意に介さず、他の魔神に喧嘩を売ろうと行動した際、休息中のホテルに潜り込んた刃武(ズロン)による不意打ちを喰らって魔神を破壊されて逃げようとしたところを踏み潰されて死亡。
第10魔神・三つ目/鉄輪奈亜夢人(てつわな あむと)/本名・飛尾呆介(とびお ほうすけ)
反則無しを売りにする人気レスラー。だが、元は親に捨てられてサーカスに売り飛ばされた末にドロップアウトし、三つ目の覆面を被って散々悪事を働いた不良。クリーンな試合に溜めこんだストレスを晴らそうと魔神化して暴れまわる。魔神球の真実が公表されても「自分は元から悪人」と意に介さず、ゲシュタポXを探している大Xに勝負を挑む。
第11魔神・白鬼丸/不明
正体不明。両手が刀になっているほか、足にも仕込み武器を持つ。登場した時点では秩序側なようで、放火を繰り返すシャミィセンと戦う。
第12魔神・シャミィセン/千美鳥(せん みどり)&猫のシャミー
享楽的な女性。魔神球の真実が公表されても然して意に介さず、飼い猫のシャミーと一緒に魔神化し、尻尾から発する炎で街に放火をする。
第13魔神・プルゥトー/不明
スカンクサイを殺してパワーアップしたズロンとガロンが激突しようとした場面で現れた魔神。13の魔神の中で同じ魔神を殺し、パワーアップしたガロン・ズロンの勝った方と戦おうと挑戦してきた。

脚注

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注釈

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  1. ^ 1971年のパイロット版を監督した金田啓治は、代理店となった東洋エージェンシー(現・創通)が、パイロットフィルムの内容に納得しなかったため『サンダーマスク』に変更されたと述べている[5]

出典

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  1. ^ a b c d 宇宙船』VOL.10、朝日ソノラマ、1982年、14頁。
  2. ^ 『宇宙船』VOL.10、20頁。
  3. ^ a b 特撮ヒーロー大全集 1988, p. 133.
  4. ^ a b c 宇宙船SPECIAL ’70年代特撮ヒーロー全集』監修 金田益実、朝日ソノラマ、1998年5月30日、123頁。ISBN 4-257-03533-1 
  5. ^ 特撮ヒーロー大全集 1988, p. 213.
  6. ^ 虫ん坊 2011年02月号 特集2:ファン大会 当日のもよう:TezukaOsamu_net(JP)
  7. ^ 「魔神ガロン」共同制作 大阪芸大と手塚プロ大阪日日新聞 2013年4月19日

参考文献

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外部リンク

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