鳩ぽっぽ
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『鳩ぽっぽ』(はとぽっぽ)は、童謡のひとつ。
童謡は作詞者、作曲者が不明なことが多いが、本曲ははっきりしており、それだけでも貴重とする意見が幼児教育の研究者の中にある[2]。
「♪ぽっぽっぽ、鳩ぽっぽ……」という歌い出しの童謡『鳩』とは異なる曲である。なお、そちらは作者不詳とされている(後述)。
概要
[編集]明治33年(1900年)に作られ、明治34年(1901年)7月に刊行された『幼稚園唱歌』に第十二曲として収められている[2]。戦後、昭和25年(1950年)5月に刊行された『小学校用おんがく1』(中経出版)に再録された(p.16-17)[3]。
鳩に豆をやろうとする子供の視点から描かれた歌である。歌詞[4]には以下のものが登場する。(歌詞の著作権は2039年まで存続している)
本曲の歌い出しは「♪鳩ぽっぽ……」である。これについて作詞者の東くめは「“♪ぽっぽっぽ”で歌い出すと、鳩だか汽車だか判らない」とコメントしていたと、東くめの義理の娘にあたる人物が証言している[5]。 鳩ぽっぽ - YouTube
『鳩』との関係
[編集]明治44年(1911年)に文部省によって編纂された『尋常小学唱歌』第一学年用には、「鳩」という楽曲が作詞作曲者不詳で採録されている。本曲が「鳩」の原曲なのではないか? 本曲の真似をして「鳩」が作られたのではないか? とする意見がある。
実例としては、上笙一郎と山崎朋子が以下のような指摘を行っている[5]。
- 本曲と童謡『鳩』で登場している家鳩(pigeon)であり、家鳩は「クウクウ」と鳴く。「ポッポ」と鳴くのは山鳩(dove)である。
- このことから、童謡『鳩』は本曲のまねをしたのではないかと推測されている。
同様に『幼稚園唱歌』には「雪やこんこん」があり、『尋常小学唱歌』に作詞作曲者不詳で「雪」が採録されている[5]。
歌碑
[編集]以下のように歌碑が作られている。年数は序幕された年。
- 1962年7月 和歌山県新宮市新宮駅前[6][7]。
- 1962年12月 東京都浅草寺境内[8][9]。
- 1963年 大阪府池田市五月山公園[10]
- 1964年 長野県善光寺境内[9]
- 1987年 和歌山県西牟婁郡すさみ町にある江住海岸公園[11]
その他
[編集]- 新宮市では、2015年4月から正午を知らせるミュージックチャイムとして採用している[7]。
- 池田市では、2005年4月から燃えるごみの収集車の音楽に使用されている。[市政トピックス:4月から変わります ごみ収集車の音楽 燃えるごみは「鳩ぽっぽ」に広報いけだ1011号(2005年2月1日号・池田市・p8)]
出典
[編集]- ^ “レファレンス事例詳細”. 国立国会図書館. 2021年5月25日閲覧。
- ^ a b 小泉一敏 (2015年5月14日). “「♪ぽっぽっぽ 鳩ぽっぽ」に原曲があった? “本家本元”の曲をミュージックチャイムに”. 産経WEST. p. 2. 2019年3月8日閲覧。
- ^ 作詞作曲者名は記されず、「幼稚園唱歌から」とのみ記載。
- ^ “童謡・唱歌 鳩ぽっぽ 歌詞”. 歌ネット. 2021年5月25日閲覧。
- ^ a b c 小泉一敏 (2015年5月14日). “「♪ぽっぽっぽ 鳩ぽっぽ」に原曲があった? “本家本元”の曲をミュージックチャイムに”. 産経WEST. p. 3. 2019年3月8日閲覧。
- ^ “駅前 ・ 鳩ぽっぽ記念碑とモニュメント”. 新宮市 (2010年9月1日). 2019年3月8日閲覧。
- ^ a b 小泉一敏 (2015年5月14日). “「♪ぽっぽっぽ 鳩ぽっぽ」に原曲があった? “本家本元”の曲をミュージックチャイムに”. 産経WEST. p. 1. 2019年3月8日閲覧。
- ^ 浅草寺|諸碑
- ^ a b 本山桂川『東京と近郊の名碑めぐり』新樹社、1969年、91頁。
- ^ “五月(さつき)山(やま)の名前(なまえ)のもとになったのは?”. 池田市こども向けサイト. 2019年3月8日閲覧。
- ^ “見晴らし良好、新展望台設置 すさみ /和歌山”. 毎日新聞. (2018年3月20日) 2019年3月8日閲覧。