鶴乃湯 (山形県)
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鶴乃湯 | |
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所在地 | 山形県鶴岡市本町2丁目4-21 |
座標 | 北緯38度43分24.60秒 東経139度49分50秒 / 北緯38.7235000度 東経139.83056度座標: 北緯38度43分24.60秒 東経139度49分50秒 / 北緯38.7235000度 東経139.83056度 |
開業 | 1941年(昭和16年) |
廃業 | 2009年(平成21年) |
湯の特徴 | 地下約50mから汲み上げた地下水を使用 |
特記事項 | 映画『おくりびと』のロケ地であり、劇中にも「鶴乃湯」として登場 |
建物の特徴 | |
建築年 | 1941年(昭和16年) |
特記事項 | 廃業翌年の2010年には、庄内映画村のオープンセットに移築されている(一般見学可能) |
概要
[編集]山形県内に最後に残った銭湯(共同浴場やスーパー銭湯は除く)であり、映画『おくりびと』(監督:滝田洋二郎)のロケーション撮影が行われた場所として知られる。1941年(昭和16年)に開業し、2009年(平成21年)まで68年間営業していた。同映画では浴槽の色は水色であるが、これは映画の為に塗り替えられたものであり、本来の色は焦茶色である。映画撮影の終了後に本来の色に戻された。脱衣所には、同映画に出演した俳優(本木雅弘、笹野高史、峰岸徹)や監督のサイン色紙、ポスターなどの記念品が展示されていた。
使用している水は約50メートルの地下から汲み上げた地下水であり、一般的な銭湯と同様に雑菌対策として塩素系薬剤を添加している。お湯は、この地下水を薪を燃料とするボイラーで加温したものである。かつては重油燃料のボイラーを使っていたが、やがて重油が高騰したため使用を中止し、現在の薪ボイラーに変えた。給湯方法は温泉ではないため掛け流しではなく、一般的な銭湯と同様に循環式となっている。また、脱衣所の壁には銭湯特有の山水画が描かれているが、これは秋田県出身で天正寺町(現・酒田市)で看板製作業を営んでいた、看板職人(看板絵師)の藤田紫明が描いたものである。
2009年(平成21年)9月1日をもって廃業。2010年(平成22年)に鶴岡市羽黒町の庄内映画村のオープンセットに移築された(一般見学可能)[1]。
来歴
[編集]- 1941年(昭和16年) - 初代女将・三谷久子によって営業が開始され、久子の夫である三谷慶之輔の父母も経営に携わる。
- 1943年(昭和18年) - 慶之輔が東京の軍事工場の勤労奉仕から戻り経営に携わる。
- 1946年(昭和21年) - 鶴岡市内の銭湯では、最初のタイル張りの浴槽となる。
- 1985年(昭和60年) - この頃から、鶴岡市と周辺市町村に温泉施設が増え始め、来客数が減少する。
- 1989年(平成元年)[元号要検証] - 久子の体調が悪くなった為、二代目女将・三谷享子と夫の三谷政弘が経営を行うようになる。
- 1995年(平成7年) - 入浴料が改定され、現在の料金になる。
- 2005年(平成17年) - 鶴岡市内にもう一軒あった銭湯の鳩ノ湯が閉店したため、鶴岡市内で唯一の銭湯となる。
- 2006年(平成18年)10月 - 経営難で閉店を考えていたところ、滝田洋二郎監督から映画『おくりびと』の撮影オファーがあり、当初、経営者は何度も断っていたが、結局は監督の熱意に根負けして了承し、撮影が行われる事となった。
- 2007年(平成19年) - 4月から5月まで、同映画のロケーション撮影が行われた。
- 2009年(平成21年) - 同映画が、第81回アカデミー賞・外国語映画賞を受賞した事により有名になり、県内外からの来客数が急増する。
廃業時の各種データ
[編集]以下は営業当時(廃業時点)の各種情報である。
- 入浴料金 - 大人300円、中人120円、小人80円
- 営業時間 - 15時から21時
- 定休日 - 毎週日曜日(下注参照)、水曜日
- 加盟組織 - 山形県公衆浴場業生活衛生同業組合
(注)利用客の要望により日曜日も営業していた(経営者からの取材)
所在地
[編集]- 郵便番号 - 〒997-0034
- 所在住所 - 山形県鶴岡市本町2丁目4-21
- 緯度経度 - 北緯38度43分24.60秒・東経139度49分50.00秒
アクセス
[編集]脚注
[編集]- ^ 「おくりびと」の銭湯「鶴乃湯」、庄内映画村に移築へ 68年の歴史に幕閉じ、毎日jp、2008年9月2日、2008年9月6日閲覧。