コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

黒書院の六兵衛

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
黒書院の六兵衛
著者 浅田次郎
イラスト 宇野信哉
発行日 2013年10月21日
発行元 日本経済新聞出版社(単行本)
文藝春秋(文庫本)
ジャンル 時代小説
日本の旗 日本
言語 日本語
形態 四六判
ページ数 284(上巻)
260(下巻)
公式サイト bookplus.nikkei.com
コード ISBN 978-4-532-17123-0(上)
ISBN 978-4-532-17124-7(下)
ISBN 978-4-16-790766-2文庫本・上)
ISBN 978-4-16-790767-9(文庫本・下)
ウィキポータル 文学
[ ウィキデータ項目を編集 ]
テンプレートを表示

黒書院の六兵衛』(くろしょいんのろくべえ)は、浅田次郎による日本時代小説である。

江戸城不戦開城の史実を舞台にしたフィクション時代小説で、一切口を利かぬまま江戸城内に居座り続ける御書院番士・的矢六兵衛と、六兵衛排除を任じられた官軍側尾張藩下級藩士・加倉井隼人との交情を描いた。

2012年5月14日から[1]2013年4月17日まで日本経済新聞朝刊に連載小説として掲載され、2013年10月23日に日本経済新聞出版社より単行本が上下巻で発売された[2][3]2017年1月6日には文藝春秋より文春文庫版が発売された[4] [5]

2018年に、WOWOW連続ドラマW」でテレビドラマ化された[6][7]

あらすじ

[編集]

慶応4年(1868年)3月、勝海舟西郷隆盛に談判し、江戸城の明け渡しが決まった。期日が迫る中、尾張徳川家江戸定府徒組頭の加倉井隼人は、開城のため官軍の先鋒隊長として送り込まれた。

勝海舟に伴われ御書院番の宿直部屋で見たのは、無言で居座る御書院番士・的矢六兵衛の姿だった。

隼人は勝海舟から、御城明け渡しの勅使が到着するまでに六兵衛を城の外に出すように頼まれる。西郷との約束で、城内で些細な悶着も起こすことはできない。力ずくで六兵衛を引きずり出すと江戸城が戦になるため、隼人はあの手この手の策を講じて説得を試みる。

しかし六兵衛は、日を追うごとに城の中枢部へと居座る部屋を移していく。

登場人物

[編集]
的矢六兵衛(まとや ろくべえ)
40歳前後の長身の男。御書院番八番組に属するが、江戸城の役人達は彼の顔に見覚えがないという。御書院番は上野の大慈院にて謹慎中の徳川慶喜を警護しているはずだが、なぜか城に居座り、一言も言葉を発せず周囲を威圧する。
加倉井隼人(かくらい はやと)
29歳。尾張徳川家江戸定府の徒組頭。市ヶ谷屋敷の門長屋で育った田舎侍。官軍から江戸城明け渡しに先立って、官軍の俄か隊長として城に行くことを命じられる。
勝海舟(かつ かいしゅう)
安房守。西郷隆盛と会談を行い江戸城の不戦開城を決めた。西郷との約束を守ろうと力を尽くす。
福地源一郎(ふくち げんいちろう)
外国奉行支配通弁。通称「百人芸の八十吉」。西洋風の瓦版「新聞」を発行しようと企てている。勝からの依頼で、隼人に加勢する。
田島小源太(たじま こげんた)
隼人の添役。隼人とは同じ長屋で育った幼馴染の関係。

書籍情報

[編集]

テレビドラマ

[編集]
連続ドラマW
黒書院の六兵衛
ジャンル テレビドラマ
原作 浅田次郎
『黒書院の六兵衛』
脚本 牧野圭祐
監督 李闘士男
出演者 吉川晃司
芦名星
寺島進
竹内力
千葉哲也
波岡一喜
若村麻由美
伊武雅刀
田中泯
上地雄輔
音楽 coba
製作
プロデューサー 武田吉孝CP
制作 リーライダーす
セディックドゥ(制作協力)
東映京都撮影所(制作協力)
製作 WOWOW
放送
放送チャンネルWOWOWプライム
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間2018年7月22日 - 8月26日
放送時間日曜22:00 - 23:00
放送枠連続ドラマW
放送分60分
回数6
公式サイト

特記事項:
初回はノンスクランブル放送。
テンプレートを表示

2018年7月22日から8月26日まで毎週日曜 22時 - 23時にWOWOWプライムの「連続ドラマW」で放送された。全6話。主演は吉川晃司[8][9]

音楽はアコーディオニストのcobaが手がけ、ほぼ全曲フルオーケストラでのアレンジが行われた[10]

キャスト

[編集]
的矢家
尾張藩
  • 加倉井隼人 - 上地雄輔[7]:尾張徳川家徒組頭。居座った的矢六兵衛の排除の任を負わされる。
  • 加倉井しずゑ - 芦名星[7]:加倉井隼人の妻。
  • 加倉井長太郎 - 渡部翔夢:加倉井隼人の息子。
  • 田島小源太 - 粕谷吉洋:加倉井隼人の部下。
  • 徳川慶勝 - 千葉哲也[7]:尾張徳川家十四代。戊辰戦争で新政府軍に味方し幕府側から恨みを買う。
  • 尾張江戸家老 - 藤田功次郎
新政府軍
旧幕府
彰義隊
その他
  • 語り - 石橋蓮司
  • 淀屋辰平 - 伊武雅刀[7]:悪徳高利貸し。的矢家の旗本株を売買する。
  • 白須甲斐守 - 高谷恭平:御書院番御番頭。的矢六兵衛の上役。
  • 牢獄の茶坊主 - 窪田弘和:福地源一郎にガセネタを吹き込む。

スタッフ

[編集]

放送日

[編集]
放送回 放送日
第一話 7月22日
第二話 7月29日
第三話 8月05日
第四話 8月12日
第五話 8月19日
最終話 8月26日

関連商品

[編集]
WOWOW 連続ドラマW 日曜オリジナルドラマ
前番組 番組名 次番組
不発弾 〜ブラックマネーを操る男〜
(2018年6月10日 - 7月15日)
黒書院の六兵衛
(2018年7月22日 - 8月26日)
真犯人
(2018年9月23日 - 10月21日)

脚注

[編集]
  1. ^ 〈お知らせ〉本紙朝刊小説、14日から新連載 浅田次郎氏の「黒書院の六兵衛」”. 日本経済新聞社 (2012年5月8日). 2018年11月20日閲覧。
  2. ^ 黒書院の六兵衛 上|日経BOOKプラス”. 日経BP. 2022年8月12日閲覧。
  3. ^ 黒書院の六兵衛 下|日経BOOKプラス”. 日経BP. 2022年8月12日閲覧。
  4. ^ 文春文庫『黒書院の六兵衛 上』浅田次郎|文庫 - 文藝春秋BOOKS”. 文藝春秋. 2022年8月12日閲覧。
  5. ^ 文春文庫『黒書院の六兵衛 下』浅田次郎|文庫 - 文藝春秋BOOKS”. 文藝春秋. 2022年8月12日閲覧。
  6. ^ “吉川晃司、主演ドラマ『黒書院の六兵衛』プロモ映像でも“無言””. ORICON NEWS (oricon ME). (2018年6月2日). https://www.oricon.co.jp/news/2112777/full/ 2018年11月20日閲覧。 
  7. ^ a b c d e f g h i j k 黒書院の六兵衛:WOWOW連続ドラマの追加キャストに芦名星、寺島進、竹内力ら”. MANTANWEB. 2018年11月20日閲覧。
  8. ^ “六兵衛はボブ・ディランと重なる 「立ち止まって考えてみよう」”. 毎日新聞 (毎日新聞社). (2018年7月29日). https://mainichi.jp/articles/20180729/dyo/00m/200/016000c 2018年11月20日閲覧。 
  9. ^ 浅田次郎の傑作小説を吉川晃司主演、上地雄輔ら豪華競演により連続時代劇化。江戸城不戦開城を舞台に描かれる、謎の御書院番士と名もなき下級武士との熱き反戦友情物語”. WOWOW. 2018年11月20日閲覧。
  10. ^ 「連続ドラマW 黒書院の六兵衛」浅田次郎の幕末小説、待望のドラマ化。所作だけで武士の魂を表現する超難役に吉川晃司が挑む!”. Mikiki. タワーレコード. 2018年11月20日閲覧。
  11. ^ WOWOW 連続ドラマW 黒書院の六兵衛 オリジナル・サウンドトラック”. Billboard Japan. 2018年11月20日閲覧。

外部リンク

[編集]