黒船 (サディスティック・ミカ・バンドのアルバム)
『黒船』 | ||||
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サディスティック・ミカ・バンド の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 | 1974年2月 - 5月 | |||
ジャンル | ロック | |||
時間 | ||||
レーベル | 東芝EMI/DOUGHNUT RECORDS | |||
プロデュース |
加藤和彦(#1 - #3, #5) Chris Thomas(#4, #6 - #11) | |||
チャート最高順位 | ||||
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サディスティック・ミカ・バンド アルバム 年表 | ||||
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『黒船』収録のシングル | ||||
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『黒船』(くろふね)は、1974年11月5日にサディスティック・ミカ・バンドが東芝EMI/DOUGHNUT RECORDSから発売した2枚目のオリジナル・アルバム。
解説
[編集]音楽プロデューサーにピンク・フロイドらを手がけていたクリス・トーマスを招いて制作されたアルバム。
1つのコンセプトに沿ったストーリー風の楽曲が収められているが、デモテープを作らずにスタジオ入りしており、「墨絵の国へ」やインストゥルメンタルなどはスタジオで作られた[1]。
スタジオは作品が完成するまで完全貸切状態で、部外者の立ち入りを一切禁止[2]。
今日では通例となっているパンチインによるマスターテープ加工も一般的ではなく、テープにハサミを入れる事が御法度とされていたため(当時の日本のレコード会社でこの行為は禁止されていた[2])、トーマスからテープ編集を指示された録音スタッフのハサミを持つ手は震えていたという[3]。
ジョージ・マーティンの「5人目のビートルズ」的プロデュース・スタイルに影響を受けていたクリスは、「7人目のミカ・バンド」として仕事に臨み、曲構成・アレンジの助言は勿論のこと、彼がこれまで培ってきたレコーディング・テクニックの数々…それはミカ・バンドはもちろん東芝EMIのスタッフもエンジニアも初めて目の当たりにするワザばかりだった…をメンバーたちに披露しながらアルバム作りを進めていった[2]。
こうして450時間という、これまた前代未聞のレコーディング時間を費やして、1974年5月30日、幕末の黒船来航をモチーフに「東洋と西洋の出会い」をテーマとしたコンセプト・アルバム『黒船』は完成。先ず同年10月5日に、クリスが高中正義に何十回とギターをダビングさせて構築したヴェルヴェット・アンダーグラウンドmeetsフィル・スペクターといった風情の“Wall of Sound”が印象的な「タイムマシンにお願い」を先行シングル・カット。ひと月後の11月5日には “本体”がリリースされた[2]。
評価
[編集]レコード・コレクターズ2010年8月号の特集「日本のロック/フォーク・アルバム・ベスト100(60〜70年代篇)」では5位にランクインしている。
リリース履歴
[編集]No. | 日付 | レーベル | 規格 | 規格品番 | 最高順位 | 備考 |
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1 | 1974年11月5日 | 東芝EMI/DOUGHNUT RECORDS | LP | DTP-72003 | 38位 | |
2 | 1982年 | 東芝EMI/EXPRESS | ETP-40153 | -位 | エキスプレスレコード15周年完全生産限定盤 | |
3 | 1988年4月5日 | 東芝EMI | CD | CA30-1410 | -位 | 再発 |
4 | 1989年6月7日 | CT25-5467 | -位 | 『サディスティック・ミカ・バンド CD-BOX』収録 | ||
5 | 1992年6月24日 | TOCT-6578 | -位 | 『音蔵』シリーズ | ||
6 | 1994年3月23日 | TOCT-8331 | -位 | CD-BOX『PERFECT!』収録 | ||
7 | 1998年3月18日 | TOCT-10139 | -位 | 『Q盤』シリーズ | ||
8 | 2000年12月6日 | TOCT-10748 | -位 | 『20世紀名盤』シリーズ | ||
9 | 2003年6月27日 | TOCT-25113 | -位 | 『必聴名盤』シリーズ 紙ジャケット仕様/24ビット・リマスタリング | ||
10 | 2005年3月30日 | TOCT-16012 | -位 | 再発 | ||
11 | 2006年8月23日 | TOCT-11162 | -位 | 再発 | ||
12 | 2013年9月25日 | ユニバーサル ミュージック | SHM-CD | TOCT-95214 | -位 | 『絶対名盤 J-Premium』シリーズ |
13 | 2018年9月19日 | MQA-CD / UHQCD | UPCY-40003 | -位 | 『ハイレゾCD 名盤』シリーズ・ハイレゾ音源 |
収録曲
[編集]# | タイトル | 作詞 | 作曲 | 時間 |
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1. | 「墨絵の国へ」 | 松山猛 | 加藤和彦 | |
2. | 「何かが海をやってくる」 | 松山猛 | サディスティックス | |
3. | 「タイムマシンにおねがい」 | 松山猛 | 加藤和彦 | |
4. | 「黒船(嘉永六年六月二日)」 | サディスティックス | ||
5. | 「黒船(嘉永六年六月三日)」 | サディスティックス | ||
6. | 「黒船(嘉永六年六月四日)」 | サディスティックス | ||
合計時間: |
# | タイトル | 作詞 | 作曲 | 時間 |
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7. | 「よろしく どうぞ」 | サディスティックス | ||
8. | 「どんたく」 | 松山猛 | 加藤和彦 | |
9. | 「四季頌歌」 | 松山猛 | 加藤和彦 | |
10. | 「塀までひとっとび」 | 林立夫 | 小原礼 | |
11. | 「颱風歌」 | 松山猛 | 加藤和彦・小原礼 | |
12. | 「さようなら」 | 松山猛 | 加藤和彦 | |
合計時間: |
楽曲解説
[編集]A面
[編集]- 墨絵の国へ
- 何かが海をやってくる
- タイムマシンにおねがい
- 黒船(嘉永六年六月二日)
- この曲の収録時、高橋がドラミングに苦労していたところ、トーマスからスタッフへ「ティーカップ(湯飲み茶碗)を50個、用意するように」との指示があった。早速スタッフが用意し、「お茶も50杯分用意しましょうか?」と訊くのをよそに、収録したイントロ部分のリズムに合わせて、湯飲み茶碗を一斉に叩き壊したという。
- 黒船(嘉永六年六月三日)
- 黒船(嘉永六年六月四日)
B面
[編集]- よろしく どうぞ
- 街の雰囲気を出すため、スタジオがあるビルの横の路地で録音された。
- どんたく
- 四季頌歌(しきしょうか)
- 塀までひとっとび
- 颱風歌(たいふうか)
- さようなら
参加ミュージシャン
[編集]- サディスティック・ミカ・バンド
- 加藤和彦 - Vocals, Guitars
- ミカ - Vocals
- 小原礼 - Bass, Vocals, Percussions
- 高橋幸宏 - Drums, Percussions, Additional Vocals
- 今井裕 - Keyboards, Saxophone
- 高中正義 - Guitars
脚注
[編集]- ^ a b c d つれづれなるままにコンサート・フォー・ジョージ2023年7月8日公開、2023年7月31日閲覧。
- ^ a b c d “今から42年前の今日1974年5月30日は、サディスティック・ミカ・バンドの歴史的名盤『黒船』が約450時間という前代未聞のレコーディング時間を費やして完成した日。 【大人のMusic Calendar】”. ニッポン放送 NEWS ONLINE. 2024年8月25日閲覧。
- ^ 福井ミカ著『ミカのチャンス・ミーティング』(ISBN 4880634069)より