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黒船 (サディスティック・ミカ・バンドのアルバム)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『黒船』
サディスティック・ミカ・バンドスタジオ・アルバム
リリース
録音 1974年2月 - 5月
ジャンル ロック
時間
レーベル 東芝EMI/DOUGHNUT RECORDS
プロデュース 加藤和彦(#1 - #3, #5)
Chris Thomas(#4, #6 - #11)
チャート最高順位
サディスティック・ミカ・バンド アルバム 年表
SADISTIC MIKA BAND
1973年
黒船
1974年
HOT! MENU
1975年
『黒船』収録のシングル
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黒船』(くろふね)は、1974年11月5日サディスティック・ミカ・バンド東芝EMI/DOUGHNUT RECORDSから発売した2枚目のオリジナル・アルバム

解説

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音楽プロデューサーピンク・フロイドらを手がけていたクリス・トーマスを招いて制作されたアルバム。

1つのコンセプトに沿ったストーリー風の楽曲が収められているが、デモテープを作らずにスタジオ入りしており、「墨絵の国へ」やインストゥルメンタルなどはスタジオで作られた[1]

スタジオは作品が完成するまで完全貸切状態で、部外者の立ち入りを一切禁止[2]

今日では通例となっているパンチインによるマスターテープ加工も一般的ではなく、テープにハサミを入れる事が御法度とされていたため(当時の日本のレコード会社でこの行為は禁止されていた[2])、トーマスからテープ編集を指示された録音スタッフのハサミを持つ手は震えていたという[3]

ジョージ・マーティンの「5人目のビートルズ」的プロデュース・スタイルに影響を受けていたクリスは、「7人目のミカ・バンド」として仕事に臨み、曲構成・アレンジの助言は勿論のこと、彼がこれまで培ってきたレコーディング・テクニックの数々…それはミカ・バンドはもちろん東芝EMIのスタッフもエンジニアも初めて目の当たりにするワザばかりだった…をメンバーたちに披露しながらアルバム作りを進めていった[2]

こうして450時間という、これまた前代未聞のレコーディング時間を費やして、1974年5月30日、幕末の黒船来航をモチーフに「東洋と西洋の出会い」をテーマとしたコンセプト・アルバム『黒船』は完成。先ず同年10月5日に、クリスが高中正義に何十回とギターをダビングさせて構築したヴェルヴェット・アンダーグラウンドmeetsフィル・スペクターといった風情の“Wall of Sound”が印象的な「タイムマシンにお願い」を先行シングル・カット。ひと月後の11月5日には “本体”がリリースされた[2]

評価

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レコード・コレクターズ2010年8月号の特集「日本のロック/フォーク・アルバム・ベスト100(60〜70年代篇)」では5位にランクインしている。

リリース履歴

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No. 日付 レーベル 規格 規格品番 最高順位 備考
1 1974年11月5日 東芝EMI/DOUGHNUT RECORDS LP DTP-72003 38位
2 1982年 東芝EMI/EXPRESS ETP-40153 -位 エキスプレスレコード15周年完全生産限定盤
3 1988年4月5日 東芝EMI CD CA30-1410 -位 再発
4 1989年6月7日 CT25-5467 -位 『サディスティック・ミカ・バンド CD-BOX』収録
5 1992年6月24日 TOCT-6578 -位 『音蔵』シリーズ
6 1994年3月23日 TOCT-8331 -位 CD-BOX『PERFECT!』収録
7 1998年3月18日 TOCT-10139 -位 Q盤』シリーズ
8 2000年12月6日 TOCT-10748 -位 『20世紀名盤』シリーズ
9 2003年6月27日 TOCT-25113 -位 『必聴名盤』シリーズ
紙ジャケット仕様/24ビットリマスタリング
10 2005年3月30日 TOCT-16012 -位 再発
11 2006年8月23日 TOCT-11162 -位 再発
12 2013年9月25日 ユニバーサル ミュージック SHM-CD TOCT-95214 -位 絶対名盤 J-Premium』シリーズ
13 2018年9月19日 MQA-CD / UHQCD UPCY-40003 -位 ハイレゾCD 名盤』シリーズ・ハイレゾ音源

収録曲

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A面
#タイトル作詞作曲時間
1.墨絵の国へ松山猛加藤和彦
2.何かが海をやってくる松山猛サディスティックス
3.タイムマシンにおねがい松山猛加藤和彦
4.黒船(嘉永六年六月二日) サディスティックス
5.黒船(嘉永六年六月三日) サディスティックス
6.黒船(嘉永六年六月四日) サディスティックス
合計時間:
B面
#タイトル作詞作曲時間
7.よろしく どうぞ サディスティックス
8.どんたく松山猛加藤和彦
9.四季頌歌松山猛加藤和彦
10.塀までひとっとび林立夫小原礼
11.颱風歌松山猛加藤和彦・小原礼
12.さようなら松山猛加藤和彦
合計時間:

楽曲解説

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A面

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  1. 墨絵の国へ
    サイド・ヴォーカルは高橋幸宏小原礼フレットレスベースを弾いている[1]
  2. 何かが海をやってくる
  3. タイムマシンにおねがい
    先行シングルとして「颱風歌」とのカップリングで発売された。1992年にはアニメ『まぼろしまぼちゃん』の主題歌に起用されている。
  4. 黒船(嘉永六年六月二日)
    この曲の収録時、高橋がドラミングに苦労していたところ、トーマスからスタッフへ「ティーカップ(湯飲み茶碗)を50個、用意するように」との指示があった。早速スタッフが用意し、「お茶も50杯分用意しましょうか?」と訊くのをよそに、収録したイントロ部分のリズムに合わせて、湯飲み茶碗を一斉に叩き壊したという。
  5. 黒船(嘉永六年六月三日)
    演奏中に発された声は小原によるもので、当時流行っていた映画の「燃えよドラゴン」を意識したという。一方、アウトロで聴かれる擦過音は割り箸を束ねてこすり合わせた音である[1]
  6. 黒船(嘉永六年六月四日)

B面

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  1. よろしく どうぞ
  2. 街の雰囲気を出すため、スタジオがあるビルの横の路地で録音された。
  3. どんたく
    イントロにジッパーを引き上げる音が入っている。これは、トーマスから「明日、リーバイスの501ではないタイプのジーンズを穿いてくるように」との指示を受け、翌日ジーンズを穿いてスタジオ入りしたメンバーは、腰の位置にセットされたマイクの前でキューに合わせて一斉にジッパーを引き上げた。
  4. 四季頌歌(しきしょうか)
  5. 塀までひとっとび
    リカットシングルとして「SUKI SUKI SUKI」というタイトルで「墨絵の国へ」とのカップリングで発売された。元々この曲はライブ専用に作られたもので、録音の予定はなかったが、レコーディング中に日比谷野外音楽堂で行なったライブ演奏をトーマスが聴き、急遽アルバムに収録されることとなった[1]
  6. 颱風歌(たいふうか)
  7. さようなら

参加ミュージシャン

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サディスティック・ミカ・バンド

脚注

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外部リンク

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