レベッド型エアクッション揚陸艇
レベッド型エアクッション揚陸艇 | |
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輸送艦甲板上のレベッド型(1985年) | |
基本情報 | |
艦種 | 揚陸艇 |
船種 | エア・クッション型揚陸艇 |
建造所 | アルマース造船所、モーリエ造船所 |
運用者 |
ソビエト連邦海軍 ロシア海軍 |
建造期間 | 1972年 – 1985年 |
就役期間 | 1972年 – 2012年 |
建造数 | 20隻 |
前級 | アイスト型エアクッション揚陸艇 |
次級 | ムレナ型エアクッション揚陸艇 |
要目 ([1]) | |
基準排水量 | 108ロングトン (110 t) |
満載排水量 | 114ロングトン (116 t) |
長さ | 24.6m |
幅 | 10.8m |
吃水 | 1.3m |
機関方式 | 10,000馬力 (7,457 kW) AL-20K 2基、MT-70ガスタービンエンジン |
最大速力 | 55ノット (102 km/h) |
巡航速力 | 50ノット (93 km/h) |
航続距離 | 100海里(50ノット (93 km/h)(巡航時) |
航海日数 | 1日間 |
搭載能力 |
T-54 主力戦車 1両 あるいは PT-76 軽戦車 1両 またはBMP-1/2 歩兵戦闘車 2両 または BTR-60/70 装甲兵員輸送車 2両 または 歩兵 120名 あるいは 貨物 37t |
乗員 | 6 名 (将校2名) |
兵装 | 12.7 mm 連装"Utes-M" NSV重機関銃 1基 |
レーダー | キヴァチ2航行レーダー |
プロイェクト1206 「カルマル型」エアクッション揚陸艇 (ロシア語: проекта 1206 «Кальмар» 英語: Project 1206 "Kalmar"、ツツイカの意)は、ソビエト連邦/ロシアのエア・クッション型揚陸艇。ソビエト連邦の崩壊後はロシア海軍の所属となっている。NATOコードネームは「レベッド(英語: Lebed、ロシア語でハクチョウの意)」。
開発
[編集]レベッド型揚陸艇は1970年代初頭、アイスト型エアクッション揚陸艇の運用実績を元に 主任設計者L.V.オジモフとオブザーバーであるソビエト連邦海軍(ソ連海軍)V.A.リトビネンコ二等艦長の元、アルマース中央海洋設計局で設計された。
設計
[編集]レベッド型揚陸艇は、アイスト型エアクッション揚陸艇を元に設計されたホバークラフトで、基本的な配置も踏襲していた。貨物室は艦体の中央にあり、艦橋と機関室は左右に分けられている。昇降用ランプも、艦正面の中央部に位置する。
機関室には、主機のMT-70ガスタービンエンジンが収められている。艦の推進はリングノズルを有する直径3.5mの4枚可変ピッチプロペラで行い、方向転換はプロペラ後方の垂直方向板で行う。
自衛および上陸時の援護用の兵装として、NSV重機関銃を連装砲にした12.7 mm "Utes-M"砲塔を1基艦首右舷に搭載した。
貨物室には、主力戦車なら1両、軽戦車や歩兵戦闘車、装甲兵員輸送車なら2両、歩兵なら120名、貨物なら37tを積むことができた。
運用
[編集]1972年に建造が始まり、レニングラードのアルマース造船所で2隻(D-456、D-235)、テオドシアのモーリエ造船所で18隻、合わせて20隻が1985年までに建造された[1]。 レベッド型揚陸艇はイワン・ロゴフ級揚陸艦に搭載可能だったほか、当時ソ連海軍が開発中だった11780型揚陸艦への搭載も予定されていた。
ソ連崩壊後に退役が始まり、2000年には北方艦隊のD-154と、カスピ小艦隊のD-145とD-457の3隻のみ配備されていた[1]。その後、D-154は2006年、残る2隻は2012年に退役した。
登場作品
[編集]レベッド型は1986年のトム・クランシーの小説『レッド・ストーム作戦発動』において登場し、偽装商船「ユリウス・フチーク号」からアイスランド奇襲侵攻を行うため発進している。
参考資料
[編集]- ^ a b c “Air-cushion landing craft - Project 1206”. russian-ships.info (2012年). 18 June 2012時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年5月6日閲覧。
参考文献
[編集]- サンダース、スティーブン(RN) ジェーンの戦闘船2003-2004 ISBN 0-7106-2546-4