1995-96シーズンのシカゴ・ブルズ

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1995-96シーズンシカゴ・ブルズ
NBAチャンピオン
カンファレンス優勝
ディビジョン優勝
ヘッドコーチ フィル・ジャクソン
GM ジェリー・クラウス英語版
オーナー ジェリー・ラインズドルフ
アリーナ ユナイテッド・センター
成績
シーズン成績 72勝10敗(勝率.878)
順位 ディビジョン : 1位 (セントラル)
カンファレンス : 1位 (イースタン)
プレーオフ成績 NBAチャンピオン
(スーパーソニックスに4–2で勝利)

地元メディア
テレビ局 en:WGN-TV
SportsChannel/Fox Sports Chicago
ラジオ局 en:WMVP
< 1994–95

1995-96シーズンのシカゴ・ブルズは、ブルズのフランチャイズ30年目のシーズン。[1]

この年のチームは、1996年にNBA50周年記念で選ばれた偉大な10チームの1つである(NBA50周年記念オールタイムチーム)。

ブルズは72勝10敗でレギュラーシーズンを終えた。この勝ち数はゴールデンステート・ウォリアーズが2015-16シーズンに記録するまでのレギュラーシーズン最多勝利記録(ウォリアーズが73勝9敗で新記録)であり、70勝を超えたチームも歴史上初だった。

ホームでは開幕から37連勝、また当時のNBA記録となる前のシーズンからの44連勝を記録した。ロードでも当時のNBA記録である33勝をあげた(2015-16シーズンにウォリアーズが34勝をあげて更新。)。

マイケル・ジョーダンスコッティ・ピッペンNBAオールスターゲームに選ばれ、ジョーダンは平均30.4得点で得点王にヘッドコーチのフィル・ジャクソンがコーチ・オブ・ザ・イヤーに輝いた。かつての宿敵デトロイト・ピストンズでプレーしていたデニス・ロッドマンがサンアントニオ・スパーズから移籍してきてリーグ最強の3人組として注目を集めた。また、欧州出身の長身シューターであるトニー・クーコッチ、優秀なディフェンダーであるロン・ハーパーも陰からチームを支えた。

背景[編集]

シカゴ・ブルズは1991年1992年1993年とNBAファイナル3連覇を果たし、チームの主力メンバーのジョーダンとピッペンはドリームチームに選ばれ、1992年バルセロナオリンピックでも金メダルを獲得したが、1993年のシーズンオフにジョーダンの父親が殺害され、ジョーダンはバスケットボールを引退、シカゴ・ホワイトソックス参加のマイナーチームに所属した。メジャーリーグベースボールに挑戦を行った。ジョーダンはマイナーリーグでプレーし、メジャーリーグに昇格することはなかったが、1994年のメジャーリーグベースボールが8月にMLB選手会によるストライキのため中断となり、ジョーダンは1995年3月にブルズに復帰した。この年のプレーオフ2回戦でブルズはオーランド・マジックに敗れてシーズンを終えた。ファイナル3連覇のメンバーのうち、ジョン・パクソンは引退、ビル・カートライトホーレス・グラントB・J・アームストロングステイシー・キングスコット・ウィリアムズ英語版はチームを去っていた。

チームを去った選手の代わりの戦力としては、ルーク・ロングリートニー・クーコッチスティーブ・カージュド・ブシュラービル・ウェニントンランディ・ブラウン、過去4年連続リバウンド王となったデニス・ロッドマンがこの年プレーした。

オフシーズン[編集]

ウィル・パデュー、金銭との引き替えでサンアントニオ・スパーズからリバウンドのスペシャリスト、デニス・ロッドマン[2]ジャック・ヘイリーを獲得した。ブルズはファイナル3連覇に貢献したパワーフォワードホーレス・グラント1994-95シーズン前に退団しており、リバウンドを強化するためにこのトレードが行われた。ロッドマンはピストンズ時代には背番号10番であったが、ブルズの10番はボブ・ラブの永久欠番となっていたことから、9+1=10であることから、ロッドマンは91番を着けることを選んだ。ヘイリーはひざの負傷でシーズン大半を故障者リストで過ごし、レギュラーシーズン最終戦の1試合のみに出場、プレーオフには出場しなかった。ドラフト1巡でジェイソン・キャフィーを獲得した。

レギュラーシーズン[編集]

11月に12勝2敗、12月に13勝1敗、1月に14勝0敗、2月に11勝3敗、3月に12勝2敗、4月に10勝2敗の成績をあげた。レギュラーシーズンを72勝10敗で終えた[3]。ホームのユナイテッド・センターでは開幕から37連勝し、39勝2敗で終えた。

シーズン中盤にトロント・ラプターズから放出されたジョン・サリーを獲得している。サリーは、ロッドマンと共にデトロイト・ピストンズで2回NBAファイナルを優勝した経験を持っていた。

プレーオフ[編集]

プレーオフでは1回戦でマイアミ・ヒートを3勝0敗でスイープ、2回戦でニューヨーク・ニックスに4勝1敗、カンファレンスファイナルでは前年のプレーオフで敗れたオーランド・マジックと対戦[4]、4勝0敗でスイープし、NBAファイナル進出を決めた。

NBAファイナル[編集]

ファイナルではレギュラーシーズンを64勝18敗で終えたシアトル・スーパーソニックスと対戦した。第1戦の第3Q終了時点では2点差でのリードであったが、クーコッチのシュートやハーパーの2スティールで17点差で勝利した。第2戦ではソニックスのショーン・ケンプが29得点13リバウンドの活躍を見せ、ハーフタイムではソニックスが1点リードしていたが、ロッドマンが20リバウンド、しかもNBAファイナル記録となる11オフェンスリバウンドの活躍を見せてブルズが92-88で勝利した。シアトルのキー・アリーナに場所を移した第3戦もジョーダンが36得点をあげてブルズが22点差で勝利し、優勝に王手をかけた。後が無くなったソニックス「は第4戦でゲイリー・ペイトン[5]や背中の負傷で欠場していたチームキャプテンのネイト・マクミランがジョーダンをマーク、21点差でソニックスが勝利した。第5戦もソニックスが勝利した。シカゴに戻った第6戦ではロッドマンが自身のファイナル記録に並ぶ19リバウンドをあげてブルズが勝利し、4勝2敗で6年間で4度目の優勝を果たした。ファイナルMVPにはジョーダンが選ばれた。第6戦は父の日であり、優勝を果たしたジョーダンは涙を流した。

レギュラーシーズン及びプレーオフを合わせた成績は87勝13敗(勝率87%)でNBA記録となっている。

レギュラーシーズンの対戦成績[編集]

1995–96 NBA記録
チーム ATL BOS CHA CHI CLE DAL DEN DET GSW HOU IND LAC LAL MIA MIL MIN NJN NYK ORL PHI PHO POR SAC SAS SEA TOR UTA VAN WAS
アトランタ 4–0 3–1 0–4 3–1 1–1 1–1 2–2 1–1 1–1 1–3 2–0 0–2 2–2 2–2 1–1 4–0 2–1 2–2 2–1 0–2 2–0 2–0 0–2 0–2 4–0 1–1 2–0 1–3
ボストン 0–4 2–2 0–3 1–3 0–2 1–1 2–1 0–2 1–1 0–4 2–0 0–2 3–1 3–1 2–0 2–2 0–4 1–3 4–0 1–1 0–2 2–0 0–2 0–2 3–1 0–2 1–1 2–2
シャーロット 1–3 2–2 1–3 3–1 2–0 2–0 1–3 0–2 0–2 1–3 1–1 2–0 2–2 3–1 1–1 0–3 3–0 0–4 3–1 2–0 1–1 1–1 0–2 0–2 3–1 1–1 2–0 3–1
シカゴ 4–0 3–0 3–1 4–0 2–0 1–1 4–0 2–0 2–0 2–2 2–0 2–0 3–1 4–0 2–0 3–0 3–1 3–1 4–0 1–1 2–0 2–0 2–0 1–1 3–1 2–0 2–0 4–0
クリーブランド 1–3 3–1 1–3 0–4 2–0 1–1 2–2 2–0 1–1 2–2 2–0 2–0 1–3 4–0 2–0 1–2 3–1 1–2 4–0 2–0 1–1 1–1 0–2 0–2 3–1 0–2 2–0 3–1
ダラス 1–1 2–0 0–2 0–2 0–2 2–2 0–2 2–2 1–3 0–2 2–2 0–4 0–2 1–1 0–4 1–1 0–2 1–1 0–2 1–3 0–4 2–2 2–2 2–2 1–1 1–3 4–0 0–2
デンバー 1–1 1–1 0–2 1–1 1–1 2–2 1–1 2–2 1–3 0–2 1–3 2–2 0–2 1–1 4–0 0–2 1–1 1–1 2–0 3–1 0–4 0–4 0–4 1–3 2–0 3–1 3–1 1–1
デトロイト 2–2 1–2 3–1 0–4 2–2 2–0 1–1 2–0 1–1 2–2 2–0 0–2 1–3 2–2 1–1 4–0 0–4 1–3 4–0 2–0 2–0 1–1 2–0 1–1 4–0 0–2 2–0 1–2
ゴールデンステート 1–1 2–0 2–0 0–2 0–2 2–2 2–2 0–2 2–2 1–1 3–1 1–3 1–1 1–1 3–1 2–0 0–2 0–2 2–0 1–3 1–3 1–3 1–3 0–4 1–1 1–3 4–0 1–1
ヒューストン 1–1 1–1 2–0 0–2 1–1 3–1 3–1 1–1 2–2 2–0 4–0 3–1 0–2 2–0 2–2 2–0 0–2 0–2 2–0 3–1 2–2 2–2 1–3 0–4 2–0 2–2 4–0 1–1
インディアナ 3–1 4–0 3–1 2–2 2–2 2–0 2–0 2–2 1–1 0–2 2–0 1–1 3–0 3–1 1–1 1–3 1–3 2–2 3–1 1–1 1–1 0–2 1–1 2–0 4–0 0–2 2–0 3–0
LAクリッパーズ 0–2 0–2 1–1 0–2 0–2 2–2 3–1 0–2 1–3 0–4 0–2 0–4 1–1 1–1 3–1 1–1 1–1 0–2 2–0 3–1 2–2 2–2 1–3 0–4 0–2 1–3 3–1 1–1
LAレイカーズ 2–0 2–0 0–2 0–2 0–2 4–0 2–2 2–0 3–1 1–3 1–1 4–0 2–0 2–0 3–1 2–0 1–1 1–1 1–1 3–1 2–2 3–1 1–3 2–2 2–0 2–2 4–0 1–1
マイアミ 2–2 1–3 2–2 1–3 3–1 2–0 2–0 3–1 1–1 2–0 0–3 1–1 0–2 3–0 1–1 5–0 1–3 1–3 3–1 1–1 0–2 1–1 1–1 0–2 2–1 0–2 1–1 2–2
ミルウォーキー 2–2 1–3 1–3 0–4 0–4 1–1 1–1 2–2 1–1 0–2 1–3 1–1 0–2 0–3 1–1 1–3 2–2 1–3 2–1 0–2 2–0 0–2 1–1 0–2 2–2 0–2 1–1 1–3
ミネソタ 1–1 0–2 1–1 0–2 0–2 4–0 0–4 1–1 1–3 2–2 1–1 1–3 1–3 1–1 1–1 1–1 0–2 0–2 1–1 1–3 0–4 3–1 1–3 0–4 1–1 1–3 2–2 0–2
ニュージャージー 0–4 2–2 3–0 0–3 2–1 1–1 2–0 0–4 0–2 0–2 3–1 1–1 0–2 0–5 3–1 1–1 2–2 0–4 2–2 0–2 1–1 1–1 0–2 0–2 2–2 0–2 2–0 2–2
ニューヨーク 1–2 4–0 0–3 1–3 1–3 2–0 1–1 4–0 2–0 2–0 3–1 1–1 1–1 3–1 2–2 2–0 2–2 1–3 3–1 0–2 0–2 0–2 1–1 1–1 4–0 1–1 1–1 3–1
オーランド 2–2 3–1 4–0 1–3 2–1 1–1 1–1 3–1 2–0 2–0 2–2 2–0 1–1 3–1 3–1 2–0 4–0 3–1 4–0 2–0 1–1 1–1 1–1 1–1 2–1 1–1 2–0 4–0
フィラデルフィア 1–2 0–4 1–3 0–4 0–4 2–0 0–2 0–4 0–2 0–2 1–3 0–2 1–1 1–3 1–2 1–1 2–2 1–3 0–4 0–2 0–2 0–2 0–2 0–2 3–1 1–1 1–1 1–3
フェニックス 2–0 1–1 0–2 1–1 0–2 3–1 1–3 0–2 3–1 1–3 1–1 1–3 1–3 1–1 2–0 3–1 2–0 2–0 0–2 2–0 2–2 2–2 1–3 0–4 2–0 1–3 4–0 2–0
ポートランド 0–2 2–0 1–1 0–2 1–1 4–0 4–0 0–2 3–1 2–2 1–1 2–2 2–2 2–0 0–2 4–0 1–1 2–0 1–1 2–0 2–2 1–3 1–3 1–3 2–0 1–3 2–2 0–2
サクラメント 0–2 0–2 1–1 0–2 1–1 2–2 4–0 1–1 3–1 2–2 2–0 2–2 1–3 1–1 2–0 1–3 1–1 2–0 1–1 2–0 2–2 3–1 1–3 0–4 2–0 0–4 2–2 0–2
サンアントニオ 2–0 2–0 2–0 0–2 2–0 2–2 4–0 0–2 3–1 3–1 1–1 3–1 3–1 1–1 1–1 3–1 2–0 1–1 1–1 2–0 3–1 3–1 3–1 2–2 2–0 3–1 4–0 1–1
シアトル 2–0 2–0 2–0 1–1 2–0 2–2 3–1 1–1 4–0 4–0 0–2 4–0 2–2 2–0 2–0 4–0 2–0 1–1 1–1 2–0 4–0 3–1 4–0 2–2 1–1 3–1 3–1 1–1
トロント 0–4 1–3 1–3 1–3 1–3 1–1 0–2 0–4 1–1 0–2 0–4 2–0 0–2 1–2 2–2 1–1 2–2 0–4 1–2 1–3 0–2 0–2 0–2 0–2 1–1 0–2 1–1 3–1
ユタ 1–1 2–0 1–1 0–2 2–0 3–1 1–3 2–0 3–1 2–2 2–0 3–1 2–2 2–0 2–0 3–1 2–0 1–1 1–1 1–1 3–1 3–1 4–0 1–3 1–3 2–0 4–0 1–1
バンクーバー 0–2 1–1 0–2 0–2 0–2 0–4 1–3 0–2 0–4 0–4 0–2 1–3 0–4 1–1 1–1 2–2 0–2 1–1 0–2 1–1 0–4 2–2 2–2 0–4 1–3 1–1 0–4 0–2
ワシントン 3–1 2–2 1–3 0–4 1–3 2–0 1–1 2–1 1–1 1–1 0–3 1–1 1–1 2–2 3–1 2–0 2–2 1–3 0–4 3–1 0–2 2–0 2–0 1–1 1–1 1–3 1–1 2–0

ロスター[編集]

各選手個人成績[編集]

レギュラーシーズン
選手 GP GS MPG FG% 3P% FT% RPG APG SPG BPG PPG
ランディ・ブラウン 68 0 9.9 .406 .091 .609 1.0 1.1 .84 .18 2.7
ジュド・ブシュラー 74 0 10.0 .463 .444 .636 1.5 .8 .46 .09 3.8
ジェイソン・キャフィー 57 0 9.6 .438 .000 .588 1.9 .4 .21 .12 3.2
ジェームズ・エドワーズ 28 0 9.8 .373 .000 .615 1.4 .4 .04 .29 3.5
ジャック・ヘイリー 1 0 7.0 .333 .000 .500 2.0 .0 .00 .00 5.0
ロン・ハーパー 80 80 23.6 .467 .269 .705 2.7 2.6 1.31 .40 7.4
マイケル・ジョーダン 82 82 37.7 .495 .427 .834 6.6 4.3 2.20 .51 30.4
スティーブ・カー 82 0 23.4 .506 .515 .929 1.3 2.3 .77 .02 8.4
トニー・クーコッチ 81 20 26.0 .490 .403 .772 4.0 3.5 .79 .35 13.1
ルーク・ロングリー 62 62 26.5 .482 .000 .777 5.1 1.9 .35 1.35 9.1
スコッティ・ピッペン 77 77 36.7 .463 .374 .679 6.9 5.9 1.73 .74 19.4
デニス・ロッドマン 64 57 32.6 .480 .111 .528 15.6 2.5 .56 .42 5.5
ジョン・サリー 17 0 11.2 .343 .000 .600 2.5 .9 .47 .88 2.1
ディッキー・シンプキンス 60 12 11.4 .481 1.000 .629 2.6 .6 .15 .13 3.6
ビル・ウェニントン 71 20 15.0 .493 1.000 .860 2.5 .6 .30 .23 5.3
プレイオフ
選手 GP GS MPG FG% 3P% FT% RPG APG SPG BPG PPG
ランディ・ブラウン 16 7.0 .571 .500 .750 .6 .4 .31 .06 2.8
ジュド・ブシュラー 17 7.5 .474 .381 .500 .6 .4 .41 .00 2.7
ジェームズ・エドワーズ 6 4.7 .444 .000 .750 .7 .0 .00 .00 1.8
ロン・ハーパー 18 27.4 .425 .319 .690 3.7 2.5 1.39 .39 8.8
マイケル・ジョーダン 18 40.7 .459 .403 .818 4.9 4.1 1.83 .33 30.7
スティーブ・カー 18 19.8 .448 .321 .871 1.0 1.7 .78 .00 6.8
トニー・クーコッチ 15 29.3 .391 .191 .838 4.2 3.9 .93 .27 10.8
ルーク・ロングリー 18 24.4 .469 .000 .757 4.6 1.6 .39 1.39 8.3
スコッティ・ピッペン 18 41.2 .390 .286 .638 8.5 5.9 2.61 .89 16.9
デニス・ロッドマン 18 34.4 .485 .000 .593 13.7 2.1 .78 .44 7.5
ジョン・サリー 16 5.3 .545 .000 .286 .7 .4 .06 .12 .9
ビル・ウェニントン 18 9.4 .520 .000 .500 1.7 .5 .22 .06 3.0

[6]

脚注[編集]

外部リンク[編集]