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2010年バンクーバーオリンピックのサンマリノ選手団

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
オリンピックのサンマリノ選手団
サンマリノの国旗
IOCコード SMR
NOC サンマリノ国内オリンピック委員会
公式サイト
2010年バンクーバーオリンピック
人員: 選手 1人
旗手: マリノ・カルデッリ英語版
メダル
国別順位: - 位

0

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夏季オリンピックサンマリノ選手団
19601964196819721976198019841988199219962000200420082012201620202024
冬季オリンピックサンマリノ選手団
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サンマリノ国内オリンピック委員会ポーランド語版のロゴ。

2010年バンクーバーオリンピックのサンマリノ選手団(2010ねんバンクーバーオリンピックのサンマリノせんしゅだん、英:San Marino at the 2010 Winter Olympics)は2010年2月12日から28日までカナダブリティッシュコロンビア州バンクーバー市で開催された第21回オリンピック冬季競技大会サンマリノ選手団とそのメダル獲得者の詳細。

サンマリノが冬季オリンピックに出場するのはこれが8回目である。サンマリノ選手団は、アルペンスキーマリノ・カルデッリ英語版選手1名で構成され、唯一の出場種目のアルペンスキーでは80位の結果となった。

概要

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選手団

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団員:4人(選手1人、役員3人)[1][2][3]

大会開催までの流れ

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過去のオリンピックとサンマリノ

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サンマリノ国内オリンピック委員会ポーランド語版1959年に設立され、同年に国際オリンピック委員会に承認された[6]。サンマリノが初めてオリンピックに出場したのは、1960年ローマ夏季オリンピックであった[7]。当時の選手団は10名で構成されており、出場種目は自転車競技射撃レスリングの3種目であった[8]。冬季オリンピックには1976年インスブルック大会から出場している[7]。インスブルック大会には2人のアルペンスキー選手だけがサンマリノ代表として参加した[9]1980年レークプラシッドオリンピック1998年長野オリンピックを除けば、それ以来すべての冬季オリンピックに出場している[7]。2010年以前の冬季大会で、サンマリノ選手団が出場していた種目はクロスカントリースキーボブスレーアルペンスキーの3種目のみであった[10]

そして、バンクーバー大会はサンマリノにとって8度目の冬季オリンピック出場となった[7]

2006年トリノ冬季オリンピックに引き続きサンマリノ選手団は、マリノ・カルデッリ英語版選手1人で構成されていた[11][12]。カルデッリは開会式の旗手に、ジャン・ルカ・ボルガーニ(後述)は閉会式の旗手に選ばれた[13][14]

バンクーバー大会の前に開催されたトリノ大会と、その前に開催されたソルトレイクシティ大会でも、サンマリノ選手団は1名しか選手がいなかった。ソルトレイクシティ大会ではジャン・マッテオ・ジョルダーニ英語版[15]が出場し男子大回転で57位[16]、トリノ大会ではマリノ・カルデッリ[17]が出場するも予選不通過となった[18][19]

バンクーバー大会開催時点で、サンマリノは夏季・冬季オリンピック両方でメダルを獲得したことがなかった[7]。このような「サンマリノはオリンピックでメダルを獲得することができない・結果を残せない」という様子から、サンマリノのオリンピック選手は「オリンピック・ツーリスト」と揶揄されていた[11]

プレ・オリンピック

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マリノ・カルデッリとジャンルカ・ジョルダーニは、2009年2月にヴァル=ディゼールで開催されたアルペンスキー世界選手権英語版に出場した。大回転ではジョルダーニが80位でフィニッシュし、カルデッリは順位が決まらなかった(予選2本目不通過(DNQ))[20]スラロームではカルデッリが54位、ジョルダーニは順位が決まらなかった(予選1本目不通過(DNQ))[21]

オリンピック開催前の期間、サンマリノの選手たちはハルビンで開催されたユニバーシアードのアルペンスキー競技に出場した。この大会でジョルダーニはスーパー大回転で51位、大回転で56位、回転では予選1本目不通過(DNQ)となった[22]。一方、カルデッリは大回転で47位、スーパー大回転で49位、回転ではジョルダーニと同じく予選1本目不通過(DNQ)となった[23]

五輪出場資格

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スラローム大回転滑降などの種目のオリンピック出場資格は、指定された期間中に国際スキー連盟(FIS)が発表したランキングで500位以内に入ったアルペンスキーヤーが獲得できるというものだった。一方スーパー大回転やスーパー複合で出場する場合、出場権は500位以内ではなく120ポイント以上を獲得すればオリンピック出場資格を入手できた[24]

これらの条件が達成できなかった場合、サンマリノ代表は別の基準で出場資格を得た。それは、2009年にヴァル=ディゼールで開催されたアルペン世界選手権での成績と、予選期間中にFISからの得点の合計で140点以上獲得することであった[24]。オリンピック出場資格は、最終的に2人のアルペンスキー選手、マリノ・カルデッリとジャンルカ・ジョルダーニによって獲得されたが、サンマリノ代表のオリンピック出場枠は1枠のみであった。選手の旅費を賄うのはオリンピック委員会と決められており、小国のサンマリノは2人分の費用を賄うことが難しいからである。そのため、出場できたのは1人だけで、もう1人は控え選手として出場することになった[3][25]

放送権

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バンクーバー冬季オリンピックの放送権は、欧州放送連合(EBC)に加盟するイタリア公共放送局イタリア放送協会(Radiotelevisione Italiana)が保有していた。また、ケーブルテレビ衛星放送インターネット中継は、EurosportSky Italiaが放送権を保有していた[26]

記念切手

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バンクーバー大会の開催に合わせ、サンマリノ共和国議会は、サンマリノ共和国郵便局に対し、3種類の記念切手を発行するように伝えた。デザインはマリエラ・アントメッリが担当し、総印刷枚数は70,000枚。切手はそれぞれ0.65、0.85、1ユーロ切手であった。切手には、冬季オリンピックの各種目のロゴ、バンクーバー大会の公式ロゴ(「Ilanaaq」と呼ばれるイヌイットイヌクシュクをモチーフにしたロゴ[27][28])、カナダのシンボルであるカエデの葉、そして「サンマリノは第21回オリンピック冬季競技大会に出場する」という宣誓文が刻まれている[27][29]

選手の構成

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サンマリノ選手団構成選手は、アルペンスキーのマリノ・カルデッリ(大会初日の年齢は22歳と142日)1人であった[1]。カルデッリにとっては、4年前のトリノ大会に続いて2度目のオリンピック出場である[30]。インタビューでカルデッリは「たぶんこれが最後のオリンピックになる」と語っていた[11]

カルデッリのほか、サンマリノ選手団には、ジャン・ルカ・ボルガーニ(オリンピック選手団団長)、リッカルド・スタッキーニ(選手コーチ)、ジャンルカ・ジョルダーニ(チームリーダー兼控え選手)が名を連ねた[2][3]

大会開幕の数日前、選手団は、サンマリノ国内オリンピック委員会のアンジェロ・ヴィチーニ会長とエロサ・ボローニ事務局長の立ち会いのもと、サンマリノ執政であったステファノ・パルミエリ英語版フランチェスコ・ムッソーニ英語版に迎えられた。執政と選手団は会談を行い、その中で、カルデッリはサンマリノ国旗を受け取った(後にカルデッリが開会式で掲げる旗である)[3]

サンマリノ冬季スポーツ連盟の会長であるエラルド・チェラロージも、

「私たちの選手は2人とも、国際スキー連盟(FIS)指定の予選通過の最低条件を達成していた。しかし、それぞれの国家のオリンピック委員会が選手の旅費をすべて負担することが義務付けられた今大会で、資金を集めることが難しい私たちのような小国は、1人しかオリンピックに出場させられない。私たちのような小国は、とても不利である。しかしながら、冬季オリンピックに参加することは、選手にとって誇りの源となるであろう。君たちには、他のすべての国の国旗と同等の威厳と重要性を持つ我が国の旗を高く掲げることが求められている。今までビアンカッズーリ(青と白、ここではサンマリノの国旗のことを指す)の選手たちの試練に常に寄り添ってきた尊敬と共感が、あなた方のこの経験にも再び絶え間ないものとなりますように」

とコメントした[3]

大会の開会式および閉会式への参加

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バンクーバー五輪開会式でのサンマリノ代表。カルデッリ、ボルガーニ、スタッキーニ、ジョルダーニの4人が参加した。

2010年2月12日BCプレイス・スタジアムでバンクーバー大会開会式が行われた。開会式で、サンマリノ代表チームの旗手を務めたのは、アルペンスキーヤーのマリノ・カルデッリだった。サンマリノ代表チームは、ロシア代表セネガル代表に挟まれ、67番目にスタジアムに入場した[4]。一方、2月28日に同スタジアムで行われた閉会式では、選手団団長であるジャン・ルカ・ボルガーニが旗手を務めた[5]

種目別選手・スタッフ名簿及び成績

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アルペンスキー

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今種目には、マリノ・カルデッリが出場した[11]。バンクーバーでのサンマリノ選手団唯一の参加種目は、2月23日に行なわれた大回転だった[31]。カルデッリの1本目のタイムは1分40秒で、トップ(カルロ・ヤンカ)から23秒以上の遅れをとっていた[11]。彼はその後「足首の状態はあまり良くないし、調子もベストとは言えない。でも、僕はこの舞台に立っているということ自体がとても特別なことと思っている。」と述べている[11]。その日の2本目のタイムは1分44秒で、2本目のトップ選手とは24秒差だった[32]。合計タイムは3分25秒で、2本とも完走した81人中80位だった[33]

選手 種目 1走目 2走目 結果
時間 時間 時間 順位
マリノ・カルデッリ英語版 大回転 1分40秒88 1分44秒88 3分25秒76 80位

関連項目

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脚注

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  1. ^ a b San Marino at the 2010 Vancouver Winter Games”. Sports Reference. 2023年8月19日閲覧。
  2. ^ a b Vancouver 2010”. Narodowy Komitet Olimpijski San Marino. 2023年8月19日閲覧。
  3. ^ a b c d e La piccola San Marino si affida a Cardelli” (イタリア語). la Repubblica (2010年2月10日). 2023年8月18日閲覧。
  4. ^ a b Complete list of 2010 Vancouver Winter Olympic flag-bearers”. The Vancouver Sun. 2023年8月19日閲覧。
  5. ^ a b The Flagbearers for the Vancouver 2010 Closing Ceremony”. 国際オリンピック委員会. 2023年8月19日閲覧。
  6. ^ s.r.l, Mr APPs. “Storia” (イタリア語). CONS San Marino. サンマリノ国内オリンピック委員会. 2023年8月17日閲覧。
  7. ^ a b c d e San Marino”. Sports Reference. 8 March 2018時点のオリジナルよりアーカイブ。9 May 2018閲覧。
  8. ^ s.r.l, Mr APPs. “Roma 1960” (イタリア語). CONS San Marino. サンマリノ国内オリンピック委員会. 2023年8月17日閲覧。
  9. ^ San Marino at the 1976 Innsbruck Winter Games”. Sports Reference. 2010年2月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年8月17日閲覧。
  10. ^ San Marino Winter Sports”. Sports Reference. 2010年2月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年8月17日閲覧。
  11. ^ a b c d e f Branch, John (22 February 2010). “Lone Athlete Is the Face of San Marino”. The New York Times. 13 March 2010時点のオリジナルよりアーカイブ19 April 2012閲覧。
  12. ^ Olimpiadi invernali, tutte le partecipazioni sammarinesi”. GiornaleSM. 2018年10月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年8月17日閲覧。
  13. ^ “Complete list of 2010 Vancouver Winter Olympic flag-bearers”. The Vancouver Sun. (12 February 2010). オリジナルの16 February 2010時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20100216123527/http://www.vancouversun.com/sports/Complete%2Blist%2B2010%2BVancouver%2BWinter%2BOlympic%2Bflag%2Bbearers/2558064/story.html 29 April 2018閲覧。 
  14. ^ The Flagbearers for the Vancouver 2010 Closing Ceremony”. International Olympic Committee (28 February 2010). 1 April 2010時点のオリジナルよりアーカイブ。29 April 2018閲覧。
  15. ^ San Marino at the 2002 Salt Lake City Winter Games”. Sports Reference. 2010年2月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年8月17日閲覧。
  16. ^ San Marino Alpine Skiing at the 2002 Salt Lake City Winter Games”. Sports Reference. 2013年10月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年8月17日閲覧。
  17. ^ San Marino at the 2006 Torino Winter Games”. Sports Reference. 2017年10月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年8月17日閲覧。
  18. ^ San Marino Alpine Skiing at the 2006 Torino Winter Games”. Sports Reference. 2017年6月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年8月17日閲覧。
  19. ^ Alpine Skiing at the 2006 Torino Winter Games: Men's Giant Slalom”. Sports Reference. 2018年4月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年6月27日閲覧。
  20. ^ World Championships Val d'Isère (FRA)”. FIS-SKI.com. 2023年8月17日閲覧。
  21. ^ World Championships Val d'Isère (FRA)”. FIS-SKI.com. 2023年8月17日閲覧。
  22. ^ GIORDANI Gian Luca - Athlete Information”. FIS-SKI.com. 2023年8月17日閲覧。
  23. ^ CARDELLI Marino - Athlete Information”. FIS-SKI.com. 2023年8月17日閲覧。
  24. ^ a b FIS Qualification System _Vancouver 2010_MAI09_fre”. archive.wikiwix.com. 2023年8月18日閲覧。
  25. ^ Fis points details”. www.fis-ski.com. 2023年8月18日閲覧。
  26. ^ Vancouver 2010 Olympic Winter Games Rights Holding Broadcasters”. web.archive.org. Międzynarodowy Komitet Olimpijski. 2023年8月18日閲覧。
  27. ^ a b XXI Giochi Olimpici Invernali- Vancouver 2010”. web.archive.org (2022年8月14日). 2024年6月11日閲覧。
  28. ^ Appropriation (?) of the Month: “Ilanaaq” – Logo for the 2010 Vancouver Olympic Games” (英語). Intellectual Property Issues in Cultural Heritage. 2024年6月12日閲覧。
  29. ^ Repubblica di San Marino. Decreto delegato 27 gennaio 2010 n.13” (イタリア語). Wielka Rada Generalna. 2018年9月30日閲覧。
  30. ^ Marino Cardelli Bio, Stats, and Results”. Sports Reference. 2023年8月19日閲覧。
  31. ^ Marino Cardelli Bio, Stats, and Results”. Sports Reference. 3 July 2017時点のオリジナルよりアーカイブ。9 May 2018閲覧。
  32. ^ Alpine Skiing at the 2010 Vancouver Winter Games: Men's Giant Slalom Run 2”. Sports Reference. 9 March 2018時点のオリジナルよりアーカイブ。9 May 2018閲覧。
  33. ^ Alpine Skiing at the 2010 Vancouver Winter Games: Men's Giant Slalom”. Sports Reference. 19 February 2018時点のオリジナルよりアーカイブ。9 May 2018閲覧。