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2MASS J11193254-1137466

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
2MASS J11193254–1137466
星座 コップ座
分類 太陽系外惑星
自由浮遊惑星
木星型惑星
発見
発見年 2015年[1]
発見者 SDSS[1]
2MASS[1]
WISE[1]
発見方法 直接撮像法
軌道要素と性質
軌道長半径 (a) 3.6 ± 0.9 au[2]
公転周期 (P) 90+80
−50
[2]
衛星の数 1?
位置
元期:J2000
赤経 (RA, α)  11h 19m 32.543s[3]
赤緯 (Dec, δ) −11° 37′ 46.70″[3]
物理的性質
質量 A:~5-10 MJ
B:~5-10 MJ
光度 0.00004 L[2]
他のカタログでの名称
WISE J111932.43-113747.7, 2MASS J11193254-1137466
Template (ノート 解説) ■Project

2MASS J11193254–1137466[4](多くの場合、2MASS J1119–1137と短縮される)は、惑星質量天体のA・Bからなる連星である[2][5]地球からコップ座の方向に約86 ± 23光年離れた場所に存在する[2]。2MASS J1119–1137を構成するそれぞれの天体の質量は、木星質量のおよそ4倍である。これらは、約1000万年の年齢の天体が属しているうみへび座TWアソシエーションの一部である[2][6]

概要

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この天体は、カナダアメリカチリの科学者らが、異常に赤い褐色矮星を探索しているときに発見された。探索にはスローン・デジタル・スカイサーベイ(SDSS)、2MASS広域赤外線探査衛星(WISE)の3つのサーベイのデータを使用した。2MASS J1119–1137は最も赤みの強い天体の一つであり、著者によれば、最も興味深い天体であったとのことである。この成果は2015年12月に発表された[1]

2016年4月、この天体の初めての詳細な研究結果が発表された。研究者は、ジェミニ天文台の望遠鏡で赤外線分光の観測を行った[6][7]

2016年11月と2017年3月に、W・M・ケック天文台望遠鏡によって2MASS J1119–1137が補償光学技術で撮像され、連星であることが明らかになった。構成する天体の角距離は0.13788 ± 0.00034秒角(これは3.6 ± 0.9天文単位に相当する)で、両者の大きさはほぼ等しい。この系の総質量は7.4+2.5
−1.9
木星質量である。また、総光度は約0.00004太陽光度である。推定公転周期は90+80
−50
年である[2]

若い褐色矮星の典型的な自転周期が10時間であるのに対し、連星の片方は3.02+0.04
−0.03
時間の周期で高速回転している[8]

太陽系外衛星候補

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2021年8月、研究者はハビタブルゾーンの中を公転している1.7地球半径太陽系外衛星の兆候を発見した。太陽系外衛星(太陽系外の惑星質量天体の周囲を公転する衛星)は2MASS J1119–1137の天体のうち1つを通過している。この衛星候補の単一のトランジットの可能性が、保存されたスピッツァー宇宙望遠鏡のデータから検出された。この研究では、検出された事象は主星の惑星の大気の変動(雲・天候)によって引き起こされた可能性があると判断されたが、太陽系外衛星とも一致した[9]

脚注

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  1. ^ a b c d e Kellogg, Kendra; Metchev, Stanimir; Geissler, Kerstin; Hicks, Shannon; Kirkpatrick, J. Davy; Kurtev, Radostin (2015). “A Targeted Search for Peculiarly Red L and T Dwarfs in SDSS, 2MASS, and WISE: Discovery of a Possible L7 Member of the TW Hydrae Association”. The Astronomical Journal 150 (6): 182. arXiv:1510.08464. Bibcode2015AJ....150..182K. doi:10.1088/0004-6256/150/6/182. 
  2. ^ a b c d e f g Best, William M. J.; Liu, Michael C.; Dupuy, Trent J.; Magnier, Eugene A. (2017). “The Young L Dwarf 2MASS J11193254-1137466 is a Planetary-Mass Binary”. The Astrophysical Journal Letters 843 (1): L4. arXiv:1706.01883. Bibcode2017ApJ...843L...4B. doi:10.3847/2041-8213/aa76df. 
  3. ^ a b "2MASS J11193254-1137466". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2017年6月3日閲覧
  4. ^ Free-Floating Giant Planet Analog Found 95 Light-Years Away”. 2016年4月22日閲覧。
  5. ^ Mistaken brown dwarf is actually two planets orbiting each other”. New Scientist. 23 June 2017閲覧。
  6. ^ a b YOUNG, UNATTACHED JUPITER ANALOG FOUND IN SOLAR NEIGHBORHOOD”. Western University. 2016年4月22日閲覧。
  7. ^ Kellogg, Kendra; Metchev, Stanimir; Gagné, Jonathan; Faherty, Jacqueline (2016). “The Nearest Isolated Member of the TW Hydrae Association is a Giant Planet Analog”. The Astrophysical Journal Letters 821 (1): L15. arXiv:1603.08529. Bibcode2016ApJ...821L..15K. doi:10.3847/2041-8205/821/1/L15. 
  8. ^ Schneider, Adam C.; Hardegree-Ullman, Kevin K.; Cushing, Michael C.; Davy Kirkpatrick, J.; Shkolnik, Evgenya L. (2018), Spitzer Light Curves of the Young, Planetary-Mass TW Hya Members 2MASS J11193254−1137466AB and WISEA J114724.10−204021.3, arXiv:1804.06917, doi:10.3847/1538-3881/aabfc2 
  9. ^ Limbach, Mary Anne; Vos, Johanna M.; Winn, Joshua N.; Heller, Rene; Mason, Jeffrey C.; Schneider, Adam C.; Dai, Fei (18 August 2021). "On the Detection of Exomoons Transiting Isolated Planetary-Mass Objects". arXiv:2108.08323v1 [astro-ph.EP]。

関連項目

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外部リンク

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映像外部リンク
Western-led astronomy team discovers Jupiter analogue among young stars, 2016, ウェスタンオンタリオ大学によって投稿されたYouTubeから YouTubeチャンネル.