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41平均律

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

41平均律(しじゅういちへいきんりつ、: 41 equal temperament)は、41-tET, 41-EDO, 41-ET, とも略称され、オクターヴを41段の等間隔なステップ(等しい周波数比)に分割することにより得られる音律である。各ステップは、 ( ) の周波数比率、あるいは 1200/41 ≈ 29.26829268 セントで、七限界のコンマに近い音程である。41平均律はSchismatic temperament[1][注 1]かつMiracle temperament[2][注 2]と見做すことができる。完全五度12平均律よりも純正音程に近い平均律として29平均律に次いで2番目に小さい平均律である。

歴史

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41平均律は19平均律31平均律ほどは、幅広く用いられていない[要出典]。ピアニストでエンジニアのパウル・フォン・ヤンコ英語版がピアノの調律に用いており、デン・ハーグGemeentemuseum英語版に展示されている[3]。また、Tonal Plexus鍵盤のレイアウトは41平均律を意識してデザインされている。41平均律はまた、トリターヴ(tritave、振動比 3:1)を13分割したボーレン・ピアース・スケール英語版の近似の一つとして見做すこともできる。

音程

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音程名 サイズ(段) サイズ(セント) 純正比 純正(セント) 誤差(セント)
自然七度 33 965.854 7:4 968.826 2.972
完全五度 24 702.439 3:2 701.955 -0.484
全音階的三全音 20 585.366 45:32 590.224 4.858
ピタゴラス音律の減五度 20 585.366 1024:729 588.27 2.904
狭い七限界の三全音 20 585.366 7:5 582.512 -2.854
狭い十一限界の三全音 19 556.098 11:8 551.318 -4.78
15:11幅の広い四度 18 526.829 15:11 536.951 10.122
27:20幅の広い四度 18 526.829 27:20 519.551 -7.278
完全四度 17 497.561 4:3 498.045 0.484
七限界の狭い四度 16 468.293 21:16 470.781 2.488
七限界の長三度 15 439.024 9:7 435.084 -3.94
十一限界の長三度 14 409.756 14:11 417.508 7.752
ピタゴラス音律の二全音 14 409.756 81:64 407.82 -1.936
長三度 13 380.488 5:4 386.314 5.826
十一限界の中立三度 12 351.22 11:9 347.408 -3.812
短三度 11 321.951 6:5 315.641 -6.31
ピタゴラス音律の短三度 10 292.683 32:27 294.135 1.452
十三限界の短三度 10 292.683 13:11 289.21 -3.473
七限界の短三度 9 263.415 7:6 266.871 3.456
七限界の全音 8 234.146 8:7 231.174 -2.972
全音,大全音 7 204.878 9:8 203.91 -0.968
全音,小全音 6 175.61 10:9 182.404 6.794
小さい十一限界の中立二度 5 146.341 12:11 150.637 4.296
七限界の全音階的半音 4 117.073 15:14 119.443 2.37
ピタゴラス音律の半音階的半音 4 117.073 2187:2048 113.685 -3.388
全音階的半音 4 117.073 16:15 111.731 -5.342
ピタゴラス音律の全音階的半音 3 87.805 256:243 90.225 2.42
20:19幅の半音 3 87.805 20:19 88.801 0.996
七限界の半音階的半音 3 87.805 21:20 84.467 -3.338
半音階的半音 2 58.537 25:24 70.672 12.136
七限界の三分音 2 58.537 28:27 62.961 4.424
十一限界の四分音 2 58.537 33:32 53.273 -5.264
55:54幅の六分音 1 29.268 55:54 31.767 2.498
56:55幅の六分音 1 29.268 56:55 31.194 1.926
七限界のコンマ 1 29.268 64:63 27.264 -2.004

上記の表の通り、41平均律は倍音列の第10倍音までの全ての音程をよく区別し近似する。これには大全音と小全音を区別する音程が含まれている。従って41平均律は19平均律31平均律などの他の調律と異なり中全音律でないし、このための近似としても適さない。41平均律は5、7、9限界の音楽と良い近似を見せる。41平均律はより高い倍音の音程とも近似を見せ、第12倍音までを十一限界の広い中立二度(11:10)を除いて区別し近似する。

緩和

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41平均律は、ディエシス(128:125)、七限界のディエシス(49:48)、七限界の六分音(50:49)、七限界のコンマ(64:63)、シントニックコンマ(81:80)を含む音程を緩和していない。

41平均律は、100:99、すなわち広い十一限界の中立二度と小全音の差、七限界のクライスマ(225:224)、1029:1024(8:7の音程の3倍と3:2の差)、小ディエシス(3125:3072)を緩和する。

脚注

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注釈

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  1. ^ 32805:32768を同音にする調律
  2. ^ 225:224、1029:1024および385:384を同時に調整できる調律

出典

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  1. ^ "Schismic Temperaments ", Intonation Information.
  2. ^ "Lattices with Decimal Notation", Intonation Information.
  3. ^ Dirk de Klerk "Equal Temperament", Acta Musicologica, Vol. 51, Fasc. 1 (Jan. - Jun., 1979), pp. 140-150

関連項目

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