B-2 (航空機・初代)
カーチス B-2 コンドル
カーチス B-2 コンドル(Curtiss-Wright B-2 Condor )は、アメリカ合衆国のカーチス・ライト社が開発し1920年代にアメリカ陸軍に運用された双発複葉爆撃機。
社内名称はCW-52(タイプ52)。
概要
[編集]カーチス・ライト社がライセンス生産したマーティン社開発のMB-2(NBS-1)と、その発展型であるNBS-4の改良型であり、それらの胴体の木製構造を鋼管羽布張りに変え、エンジンを換装する等の改良が加えられている。
開発
[編集]B-2の2基のエンジンは上下翼の間に、胴体の左右に添うように置かれたエンジンナセルに収められ、それぞれのナセルの尾部は機銃座に充てられていた。MB-2では後方の銃座は胴体に設けられていたが、射界を妨げるとして変更されたが、これは競作相手のXB-1も同様だった。尾翼は双尾翼である。
試作機はXB-2(シリアル26-211)として開発され、陸軍航空隊からの要求によりハフ・ダランド社のXB-1、シコルスキー・エアクラフト社のS-37およびフォッカー社のXLB-2と競作が行われたが、他の3つはすぐに脱落しXB-2が選定された。XB-2はその後もより小型でコストも低いキーストンXLB-6と比較されたり、大型過ぎて格納庫への収納が難しいなどの問題があったりしたが、軍はその優れた性能を認め、1928年に12機の製造契約が締結された(シリアル28-398~399、29-28~37)。
B-2のうち1機は複操縦装置つきに改修され、B-2Aと呼ばれた。機長席と副操縦士席の複操縦装置は、1930年代以降爆撃機の基本装備となった。また、B-2を基本にした輸送機型コンドル18も2機制作された(シリアル33-320~321)。
運用
[編集]B-2は1930年代の技術的進歩によって急速に時代遅れとなり、早くも1934年には部隊から姿を消した。B-2の後、カーチス・ライト社は陸軍の爆撃機製作から撤退し、1930年代以降は「ホーク」戦闘機(追撃機)、海軍の急降下爆撃機「ヘルダイバー」などにメインを移している。
諸元
[編集]- 乗員: 5名
- 全長: 14.5 m
- 全幅: 27.4 m
- 全高: 4.9 m
- 翼面積: 140 m2
- 空虚重量: 4,100 kg
- 全備重量: 7,480 kg
- エンジン: カーチス・ライト V-1570-7 "コンカラー" 水冷V型12気筒(離昇出力、600馬力)×2
- 最高速度: 212 km/h
- 巡航速度: 183 km/h
- 航続距離: 1,300 km
- 上昇限度: 4,030 m
- 上昇力: 3.7 m/s
- 翼面荷重: 53 kg/m2
- 出力重量比: 120 W/kg
- 武装: 7.62 mmルイス機銃 ×6
- 爆弾: 1,100 kg(近距離作戦時1,800 kg)
関連項目
[編集]- T-32 コンドルII - カ-チス社の複葉双発輸送機だが、本機との技術的関係はない。
脚注
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