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BM-30

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
BM-30 スメルチ
種類 多連装ロケット砲
原開発国 ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦
運用史
配備期間 1987~現在
諸元
重量 43.7t
全長 12.37m
全幅 3.1m
全高 3.1m
要員数 4名

口径 300mm
銃砲身 12
発射速度 12発/38秒
最大射程 120km

主兵装 300mm 12連装ロケット砲
エンジン D12A-525Aディーゼルエンジン
行動距離 850~900km
速度 60~65km/h
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BM-30「スメルチ」ロシア語:БМ-30 «Смерч»ベーエーム・トリーッツァチ・スミェールチ)は、ソ連ロシア製の多連装ロケット砲である。ロシア軍制式コードでは9K589К58)と呼ばれる。愛称の「スメルチ」はロシア語で「竜巻」のことである[注 1]

概要

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BM-30は、MAZ-543M/MAZ-7910大型8輪トラックに300mmロケット弾12連発発射器9A52-2を装備し、さらに間接照準の際に弾道を計算するための射撃統制装置を装備する。ロケット弾を発射する際には、車体の4箇所にあるアウトリガーを下ろして横転しないように車体を固定しなければならない。BM-30は70 - 90kmもの長射程を活かして、敵軍の砲兵陣地や野戦司令部、燃料や弾薬などの物資集積所、部隊集結地域の装甲目標及び非装甲目標を攻撃対象とする。射撃には12発を38秒で撃ち切るが、再装填に20分かかる。[1]

BM-30の射撃の様子

BM-30は1987年に導入され、旧ソ連諸国以外ではアルジェリアインドクウェートに輸出されている。中華人民共和国は少数を参考用に購入した後、03式300mm12連装自走ロケット砲(PHL-03)を開発し、中国人民解放軍陸軍が制式採用した。03式は車体にMAZ-543リバースエンジニアリングして開発したWS2400英語版 8輪重トラックを使用している。[2]

ロケット弾

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名称 種類 重量 全長 弾頭重量 搭載弾 自己破壊時間 最小射程距離 最大射程距離
9M55F 破片効果榴弾

(HE-FRAG)

810kg 7.6 m 258kg 95kgの破片効果榴弾を搭載 110秒 25km 70km
9M55K 対人クラスター弾 800kg 7.6 m 243kg 72個の対人クラスター子弾を搭載 110秒 20km 70km
9M55K1 対装甲クラスター弾 800kg 7.6 m 243kg 5個の対装甲自立誘導子弾を搭載 110秒 20km 70km
9M55K3 対人地雷散布弾頭 800kg 7.6 m 243kg 64個のPOM-2対人地雷を搭載 4-100時間 20km 70km
9M55K4 対戦車地雷散布弾頭 800kg 7.6 m 243kg 25個のPTM対戦車地雷を搭載 16-24時間 20km 70km
9M55K5 対人/対装甲クラスター弾 800kg 7.6 m 243kg 646個の3B30対人/対装甲クラスター弾を搭載 130-260秒 25km 70km
9M55K6 対装甲自立誘導子弾弾頭 800kg 7.6 m 243kg 5個の9N268対装甲自立誘導子弾を搭載 25km 70km
9M55K7 対装甲自立誘導子弾弾頭 800kg 7.6 m 243kg 20個の対装甲自立誘導子弾を搭載 110秒 25km 70km
9M55S サーモバリック弾頭 800kg 7.6 m 243kg 100kgのサーモバリック爆薬 110-160秒 25km 70km
9M525 対人クラスター弾 815kg 7.6 m 243kg 72個の対人クラスター弾を搭載 110秒 25km 90km
9M526 対装甲自立誘導子弾弾頭 815kg 7.6 m 243kg 5個のMotiv-3対装甲自立誘導子弾を搭載 50秒 25km 90km
9M527 対戦車地雷散布弾頭 815kg 7.6 m 243kg 25個のPTM-3(PTM-3M)対戦車地雷を搭載 16-24時間 25km 90km
9M528 破片効果榴弾 815kg 7.6 m 243kg 95kgの破片効果榴弾弾頭を搭載 50秒 25km 90km
9M529 破片効果榴弾 815kg 7.6 m 243kg 100kgのサーモバリック爆薬を搭載 110-160秒 25km 90km
9M530 高貫通榴弾 815kg 7.6 m 243kg 75kgの高貫通榴弾弾頭を搭載 16-24時間 25km 90km
9M531 対人/対装甲クラスター弾 815kg 7.6 m 243kg 616個の3B30対人/対装甲クラスター弾を搭載 130-260秒 25km 90km
9M532 対装甲自立誘導子弾 815kg 7.6 m 243kg 20個の9N282対装甲自立誘導子弾を搭載 110秒 25km 90km
9M533 対装甲自立誘導子弾 815kg 7.6 m 243kg 5個の対装甲自立誘導子弾を搭載 25km 90km
9M534 UAV 815kg 7.6 m 243kg 40kgのT-90 UAVを搭載しUAVの展開後、T-90UAVは20分の徘徊可能時間を持つ。 25km 90km
9M536 対人/対装甲クラスター弾 815kg 7.6 m 243kg 72個の対人/対装甲クラスター弾を搭載 50秒 25km 90km
9M537 対人クラスター弾 815kg 7.6 m 243kg 32個の近接信管によって起爆するクラスター子弾を搭載 25km 90km
9M542 破片効果榴弾 820kg 7.6 m 150kg 70kgの破片効果榴弾弾頭を搭載 40km 120km

9T234-2弾薬運搬車両

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BM-30の弾薬の再装填には9T234-2弾薬運搬車両が用いられる。 9T234-2弾薬運搬車両はMAZ-543Aのシャーシに基づいており、油圧クレーンを備え12発の弾薬の運搬が可能である。 弾薬の再装填には36分を要し、BM-30のユニットは発射車両6両、弾薬運搬車両6両で構成される。[3]

採用国

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BM-30の採用国

登場作品

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ガーディアンズ
ロシア陸軍のBM-30がクラトフの送信設備と化したモスクワ・シティを攻撃する。

脚注

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注釈

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  1. ^ 日本語文献にはしばしば誤って「スメル」と表記しているものがある。また、意味は「死」であると書かれることもあるがこれも誤りで、ロシア語で「死」を意味する単語は「смерть」(片仮名表記では同じ「スメルチ」と書くこともできるが)である。よりロシア語に近い表記を用いれば日本語でも区別は容易で、「Смерч」は「スメールチュ」と表記できるが、「Смерть」は「スメール」であって「チュ」とは書けない。ラテン文字表記にはいくつか表記方法があるので一概には言えないが、一例としてはそれぞれ「Smerch」、「Smert'」と表記することができる。[独自研究?]

出典

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  1. ^ Smerch”. 2024年4月18日閲覧。
  2. ^ PHL-03 (Type 03) Chinese 300mm Multiple Rocket Launcher (MRL)”. 2024年4月18日閲覧。
  3. ^ Russian Army BM-30 Smerch Multiple Launch Rocket System (MLRS) [720p]”. 2024年4月18日閲覧。
  4. ^ The International Institute for Strategic Studies (IISS) (2023-02-15) (英語). The Military Balance 2023. Routledge. p. 179. ISBN 978-1-032-50895-5 

関連項目

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外部リンク

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