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FM-11

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

FM-11(エフ・エム・イレブン、FUJITSU MICRO 11)は、1982年富士通が発表したパソコンである。

概要

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FM-11は、FM-8のビジネス向け上位機種として開発された。FDDを内蔵でき、また拡張スロットを本体内に持つため、筐体は大型である。

システムはFM-8から拡張され、2種類のメインCPU(6809/8088)、最大1MBのメインメモリをサポートし、またディスプレイサブシステムも大幅に機能拡張された(サイクルスチール転送による高速化、400ライン表示、テキストVRAM、漢字のサブシステム側でのサポートなど)。拡張された機能の一部は、後に発売されたFM-77シリーズにも装備される。なお名称の由来はこれら2種類の8ビット、16ビットメインCPUの間をとり、かつ6809が初期は標準装備のため8ビット寄りということで「11」としたと言われる。

初期にはF-BASICを利用するために6809が必要であったが (EX)、後にF-BASIC86が開発され、6809を装備しないモデル (BS) が発売された。またモデルチェンジの際、6809モデル (AD2/AD2+) にOS-9 Level2が標準添付となり、OS-9ファンの支持を受ける。

6809モデルはその拡張性と頑丈さと使用するOS-9のリアルタイム性から、FA用途での使用も多く、計測機器制御やラインのコントローラーとして長期にわたり使用された。また、RS232Cポートが純正品オプションでも最大5ポート使用できたことから、5台のモデムをつないだBBSのホスト機としていくつかの主要BBSで使用された。RS232Cは300~19.2Kbpsが利用可能[1]

8088モデルは後にFM-16βに発展、その後のFMRシリーズFM TOWNSにもそのI/O構成等に名残が見られる。6809モデルはFM-7/77シリーズと併売されたが、8ビット時代の終焉とともにその役割を終える。

特徴

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  • キーボード分離型(FMシリーズ初)
  • メインCPU 68B09E(2MHz)/8088(8MHz)
    • メインCPUはモデルによって標準装備のものが異なる。同時利用は不可。
      • 6809カード、Z80カード(純正オプション)はメモリマッピングレジスタを装備し、最大1MBのメインメモリをサポートする。
      • CPUがソケットを用いて実装されていたため、68B09Eから日立 HD63C09Eへ、8088からNEC V20への交換が流行した。
    • 純正オプションでZ80カード(Z80A 4MHz、CP/M-80付属)が、サードパーティーからは68008カードや68000カード、独立したRAMを搭載しメインCPUと同時動作が可能なZ80Bのカードも発売された。また、6809モデルには8088カード(CP/M-86付属)をオプションで追加可能(ただし、6809カードはオプションとして販売されなかった)。
    • RAM 標準128KB/256KB(モデルにより異なる)、最大1MB
  • サブCPU 68B09E(2MHz)
    • グラフィックVRAM 192KB
    • グラフィック 640x400ドット 8/16色 2画面、640x200ドット 8/16色 4画面
    • テキスト画面とグラフィック画面をグリーンモニターとカラーモニターに別々に分けて出力可能
    • CRTC HD6845S
  • カードスロット
    • CPU 2
    • 汎用 5
    • 漢字ROM用 1
    • 320KBフロッピーインタフェース用(STのF-BASIC ROMカードは排他使用) 1
  • FDD 5インチ型を最大2台内蔵可能
    • BASICをROMで搭載するのはSTのみ(BASICはシステム起動時RAMにロードされる)。他のモデルはディスクの利用を前提とする。
  • 外付オプション
  • 主要サポートOS

ラインナップ

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FM-11ST FM-11AD FM-11EX FM-11BS FM-11AD2 FM-11AD2+
型番 MB25030 MB25040 MB25050 MB25055 MB25045 MB25046
発表時期 1982年11月 1984年2月 1985年2月
メインCPU 68B09E 2MHz 68B09E 2MHz
8088 8MHz
8088 8MHz 68B09E 2MHz
サブCPU 68B09E 2MHz
メインメモリ(標準) 128KB 256KB 128KB 256KB
グラフィックVRAM 192KB
漢字ROM JIS第1水準オプション JIS第1水準標準装備/第2水準オプション
内蔵FDD オプション 5インチ2D×1 5インチ2HD×2 5インチ2HD×1 5インチ2HD×2
標準添付OS F-BASIC V4.0
(ROM)
F-BASIC V4.0 F-BASIC V4.0
CP/M-86
CP/M-86
(F-BASIC86)
F-BASIC V5.0
OS-9/6809 Level2

脚注

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  1. ^ a b 田辺 1983, p. 284.

参考文献

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  • 田辺皓正編著『マイクロコンピュータシリーズ15 8086マイクロコンピュータ』丸善株式会社、1983年4月30日。 

関連項目

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外部リンク

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