IBM 3101
IBM 3101 表示装置(あいびえむさんいちまるいち、英文名:IBM 3101 ASCII Display Station)、IBM 3151/315X表示装置、IBM 3161/316X表示装置は、非同期シリアル通信で動く比較的安価な表示端末で、IBMおよびIBM以外のコンピューターに広く接続され、世界的には特にIBM社以外のミニコンピュータやIBM Series/1、IBM AIXコンピューターのデータ処理端末として多く利用されたが、日本ではあまり使われなかった。
IBM 3101
[編集]IBM 3101表示装置は1979年に発表されて、次のような機能がある:
- 12インチCRTディスプレイ(色はグリーン)
- 80文字 x 24行 + ステータス表示行
- キーボード
- 非同期通信アダプター: 近距離接続またはモデム用EIA RS-232C、遠距離接続用EIA RS-422
- 通信速度:200/300~19, 200 bps
- 米国英語または世界の主な言語の1つ(日本語は半角英数字・カタカナ)
それまでのIBM製品の慣例に反して、次のような特徴があった:
- 多くのIBM以外の技術の利用
- 1台の3つのエレメント(ディスプレイ、キーボード、ロジック)をユーザーが交換できた
- ユーザー自身による設置
- メンテナンスはIBMのIBMメンテナンス所のみで
- 問題発見は、キーボードの中にある「問題追跡ガイド」を見てユーザーが自身で
- 販売のみ(多数台数販売にディスカウントあり)、リースはなし
IBM 3101表記装置は非同期通信機能で、IBMおよびIBM以外のさまざまなコンピューターに接続し、ディジタル・イクイップメント・コーポレーション (VT100など)、ワイズ・テクノロジー(Wyse Technology)などが競合する。IBM 3101はIBM社以外のミニコンピュータや特にIBM Series/1のデータ処理端末として広く使われた。
IBM 3102
[編集]IBM 3102 プリンターはIBM 3101の補助ポートに接続し、熱感紙を使って、横80文字・縦6行/インチを、毎秒40文字でプリントする印刷機で、各文字は5x7ドット・マトリックスである。
IBM 3161/63
[編集]1985年に発表された。
- 単色ディスプレイ、12インチCRT(IBM 3161)または14インチCRT(IBM 3163)
- 別売のカートリッジ(ロジック・エレメントに挿入)で、他社のASCIIディスプレイ端末機をエミュレーション:
- ADDS社 Viewpoint、Hazeltine社 1500、Lear Siegler社 ADM 3A and ADM 5、and TeleVideo社 910
IBM 3164
[編集]1986年に発表された。
- 14インチ・カラーCRTディスプレイ
IBM 3151
[編集]1987年に発表された。
- 14インチCRTディスプレイ(単色グリーン、アンバー、ホワイトを指定}
- 80または132文字 x 24行
- 2エレメント:ディスプレイ/ロジック、キーボード
オプションで、次のASCIIディスプレイ端末機をエミュレーション:
- Lear Siegler社 ADM-3A、ADM-5, ADDS社 Viewpoint A2、Hazeltine社 1500、Televideo社 TVI-910/910+、TVI-912、TVI-920、TVI-925、TVI-925E、IBM社 3101
日本IBMは日本デザイン振興会からこの端末装置に1988年度「グッドデザイン賞」を貰っている。 [1]
IBM 3152
[編集]IBM 3152カラー表示装置は、1992年にヨーロッパ・中近東・アフリカ向けのみに発表された。
キーボードは次の言語の選択ができた。
- ASCII keyboard
- US English, Belgian, Danish, Finnish, French, German, Italian, Greek, Norwegian, Portuguese, Spanish, Swedish, Swiss French, Swiss German, or UK English.
- PS/2 keyboard
- US English, Belgian, Bosnian, Czech, Danish, Dutch, Finnish, French, German, Italian, Greek, Hungarian, Norwegian, Polish, Portuguese, Rumanian, Russian, Slovak, Slv/Croat/Sl, Spanish, Swedish, Swiss French, Swiss German, Turkish U, Turkish Q Hebrew, or UK English
IBM 3153
[編集]IBM 3153 InfoWindow II表示装置は、1993年に発表された。
開発・製造・ユーザー
[編集]IBM 3101端末機、IBM 3151/315X表示装置、IBM 3161/316X表示装置の開発は、IBM通信製品部門(Communication Products Division)の藤沢開発研究所(のちに大和開発研究所)で行なわれ、さらにのちに英国・スコットランドのグリーノック開発部門に移って行なわれた。製造はノースカロライナ州リサーチ・トライアングル・パーク工場(キーボードのみはケンタッキー州IBMレキシントン工場)で南北米・アジア・太平洋地区向け、グリーノック工場でヨーロッパ・中近東・アフリカ向けが行なわれた。
海外では、おもにIBM社以外のミニコンピュータやIBM Series/1に接続して、商用・政府用・軍用のユーザーに広く使われた。日本で使ったユーザーは、少なかった。
この影響
[編集]この表示装置をベースとして、後程IBM 8100ループ用のIBM 3104、IBM System/36用のIBM 5250ディスプレイ・サブシステムのIBM 5291、IBMシステム/360接続用のIBM 3270ディスプレイ・サブシステムのIBM 3178/3179が、低価格表示装置として開発された。
参照項目
[編集]脚注
[編集]外部リンク
[編集]- IBM 3151 models
- IBM history of Far Eastern Languages in Computing. Part 3. IBM Japan taking the lead, accomplishments through the 1990s (IEEE Annals of the History of Computing, Volume 27, Issue 1, Jan.-March 2005)
- IBM 3152 Display Terminals - FRU Substitution (AF/E and E/ME/A only)