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インテルファクス通信

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Interfax-Ukraineから転送)
インテルファクス
Интерфакс
Interfax
種類
民間企業グループ
業種 通信社
設立 1989年9月 (1989-09)
本社 ロシアの旗 ロシア モスクワ
1-я Тверская-Ямская ул., 2с1
事業地域
全世界
主要人物
ミハイル・コミサールロシア語版(会長CEO)
製品 ニュース企業情報、経済情報、産業情報、軍事情報
所有者 ミハイル・コミサール(50%)
Ренатом Абдуллиным、Андреем Мартыновым、Вячеславом Тереховым(各16%)
Еленой Колесниковой(2%)
[1]
従業員数
1000人以上
ウェブサイト https://interfax.com

インテルファクスロシア語: Интерфакс英語: Interfax)は、モスクワに拠点を置くロシアの非政府系通信社である[2]。1989年、ミハイル・ゴルバチョフによるペレストロイカグラスノスチの流れの中で合弁事業として設立された。ファクシミリを用いた速報で人気を博し、ロシアの最大手通信社に成長した[3][4]。30以上の関連会社からなる企業グループを形成している[1][4]

日本語メディアではもっぱら「インタファクス通信[5][6][7][8][9][10]、あるいは「インターファクス通信[11][12][13][14]と表記される。

歴史

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1987年、ソ連テレビラジオ放送委員会ロシア語版の国外情報部門で働いていたミハイル・コミサールロシア語版は、インド大使館で開かれたレセプションに招待され、外国の外交官から、ソ連国内で起きている出来事をもっと知らせてほしいという要望を受けた。事業の立ち上げを目指して各部署と折衝を行い、ゴルバチョフの最側近であったアレクサンドル・ヤコヴレフから口頭で許諾を得たのは1989年のことであった[15]

ミハイル・コミサールCEO

当時ソ連で主流の通信手段であったテレタイプは、タス通信および特別な機関によって独占されていた。コミサールは新しい技術として導入されつつあったファクシミリを用いた通信事業を考案し、ソ連・フランス・イタリアの合弁事業「インタークワドロ」の協力を得ることに成功した[15]。このことが社名の由来となっている[16][17]

1989年9月に事業を開始した[18][19]。タス通信、ノーボスチといった大手を向こうに回し、ファクシミリで一日数回情報を送信するというシンプルながら斬新な手法で、早くから日本大使館を含む外国人社会の間で信頼を得た[20]。購読者数は1989年末には50[21]、1990年4月には100に達した[22]

国外にも多くの購読者を持つようになったが、当時事態が急速に進展していたバルト三国情勢を連日報道していたこともあいまってソ連共産党保守派の反発を招き、事業閉鎖への圧力が強まった。1990年秋には合弁となっていたインタークワドロが撤退したため、当時の出版情報相ミハイル・ポルトラーニンの協力を得て民間企業として正式に登録した[15]

1991年1月11日に取り締まりを受け事業の一時停止を強いられた[23]。当時入居していた社屋からも追放されたが間もなく事業を再開した[15]。このことから1月11日は社の「独立記念日」となっている[15][24]

1991年2月、初の本格的な国外業務提携として日本の共同通信社との契約に合意した[24]。7月にはアメリカ合衆国デンバーに子会社を設立した[15]

1991年8月19日のクーデター未遂の際には、国家非常事態委員会が政権掌握を宣言し多くのメディアを閉鎖、国際電話通信も遮断されたが、同社は「SprintNet」と呼ばれるグローバルネットワークを利用していたため遮断を免れ国外への情報伝達に成功した[15][25]

業務の拡大

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旧ソ連諸国への展開として、1992年ウクライナ[26]、1994年ベラルーシ[27]、1996年カザフスタン[28]、2002年アゼルバイジャン[29]に子会社を開設した。2022年1月、ベラルーシの法律変更により同国の子会社が事業停止を余儀なくされたと報じられた[30]

ロシア国内にはモスクワと21都市に拠点を有する[31]。モスクワやサンクトペテルブルクに加え、2004年チェリャビンスク[32]クラスノヤルスク[33]およびイルクーツク[34]、2006年ハバロフスク[35]、2007年バルナウル[36]、2015年ウファ[37]など地方の主要都市に支局を開設している。

国外拠点としては、1991年にアメリカ合衆国デンバー[15]、1992年ロンドン[38]、1993年フランクフルト[39]、1998年香港に子会社を設立した[40]

1999年にロイター[41]、2000年にEFEとの提携を開始した[42]。2001年にはS&P[43]、2002年にはムーディーズ[44]と提携を開始している[45]

2004年、SPARKシステムが稼働した。ロシア国税局、国家統計庁、ロシア財務省、中央銀行、米D&B社英語版など65機関からの資料を基にした大規模な企業情報データベースであり、日々更新が続けられている[46][47]。ロシアだけでなく、ウクライナ、カザフスタン、ベラルーシ、キルギスタン、モルドバの法人および個人事業主に関して、デューディリジェンスKYCに不可欠な情報を提供している[48]

受賞

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2015年にルネト賞(文化・報道部門)を受賞した[49]

関連項目

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出典

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  1. ^ a b Из списка подлежащих раскрытию бенефициаров сделали исключения” (ロシア語). Ведомости (19 January 2012). 2022年8月30日閲覧。
  2. ^ “Corrections” (英語). The New York Times. (2004年11月10日). ISSN 0362-4331. https://www.nytimes.com/2004/11/10/nyregion/pageoneplus/corrections-579289.html 2022年8月28日閲覧。 
  3. ^ History”. Interfax News Agency. 2022年8月28日閲覧。
  4. ^ a b Russia - Media Landscape | European Journalism Centre (EJC)”. web.archive.org. 2018年3月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月31日閲覧。
  5. ^ ロシア軍、招集兵を通常はありえない第一線に派兵 ロシア報道”. 朝日新聞デジタル. 朝日新聞 (2022年6月7日). 2022年8月28日閲覧。
  6. ^ ウクライナ大統領、出国失敗か インタファクス通信”. 日本経済新聞 (2014年2月23日). 2022年8月28日閲覧。
  7. ^ 緊迫 ウクライナ情勢 写真特集”. 時事ドットコム. 時事通信社 (2014年7月17日). 2015年4月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月28日閲覧。
  8. ^ 米露首脳:来月会談へ フィンランド候補”. 毎日新聞 (2018年6月28日). 2018年6月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月28日閲覧。
  9. ^ ロシア軍、定員200万人超に 約14万人増”. 産経ニュース. 産経新聞社 (2022年8月25日). 2022年8月28日閲覧。
  10. ^ 第2版, ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典,百科事典マイペディア,世界大百科事典. “インタファクスとは”. コトバンク. 2022年8月28日閲覧。
  11. ^ インターファクス通信(ロシア)による安倍総理大臣書面インタビュー”. 外務省 (2019年1月22日). 2022年8月29日閲覧。
  12. ^ ロシア財務省、期日の国債利払いは14日に送金と声明…インターファクス通信報道”. 読売新聞 (2022年3月17日). 2022年8月28日閲覧。
  13. ^ 攻防続くウクライナ “犠牲になった市民は5000人超” 国連”. NHKニュース. 日本放送協会 (2022年7月12日). 2022年8月28日閲覧。
  14. ^ “ロシア、次世代の極超音速ミサイルを開発中─副首相=通信社”. Reuters. (2022年5月9日). https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-russia-hypersonic-idJPKCN2MV0DG 2022年8月28日閲覧。 
  15. ^ a b c d e f g h Интерфакс (2009年). “Ваш Интерфакс”. 2022年8月22日閲覧。
  16. ^ Михаил Комиссар: задача "Интерфакса" - быть номером один” (ロシア語). vesti.ru. 2022年8月28日閲覧。
  17. ^ ПОЛИТКОМ.РУ: Информационный сайт политических комментариев”. politcom.ru (April 6, 2017). 2022年8月30日閲覧。
  18. ^ ИНТЕРФАКСУ - 25 ЛЕТ”. web.archive.org (2022年3月8日). 2022年3月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月29日閲覧。
  19. ^ ОБ ИНТЕРФАКСЕ”. web.archive.org. 2015年12月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月30日閲覧。
  20. ^ 松尾文夫. “1991_02_時代の変化との戦い─東西通信社事情─(新聞研究)”. アメリカ・ウォッチ. 2022年8月29日閲覧。
  21. ^ НАША ИСТОРИЯ 1989”. web.archive.org. 2015年9月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月30日閲覧。
  22. ^ НАША ИСТОРИЯ 1990”. web.archive.org. 2015年9月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月30日閲覧。
  23. ^ Independent news agency being shut down” (英語). UPI (JAN. 11, 1991). 2022年8月29日閲覧。
  24. ^ a b HISTORY 1991”. web.archive.org. 2015年9月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月30日閲覧。
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  29. ^ «Interfax» — последние новости Азербайджана, Грузии и Армении”. Интерфакс-Азербайджан. 2022年8月28日閲覧。
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  34. ^ Иркутск || Интерфакс Россия” (ロシア語). www.interfax-russia.ru. 2022年8月31日閲覧。
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  43. ^ НАША ИСТОРИЯ 2001”. web.archive.org. 2015年9月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月31日閲覧。
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  46. ^ Information Sources - SPARK-Interfax”. spark-interfax.com. Interfax News Agency. 2022年8月31日閲覧。
  47. ^ Take the intelligent approach with SPARK - SPARK-Interfax”. spark-interfax.com. Interfax News Agency. 2022年8月31日閲覧。
  48. ^ Due diligence & KYC”. Interfax News Agency. 2022年8月31日閲覧。
  49. ^ "Интерфакс" выиграл Премию Рунета”. web.archive.org. 2015年12月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月31日閲覧。

外部リンク

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