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JIS安全色

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

JIS安全色(ジスあんぜんしょく)とは、日本産業規格 (JIS) が定める安全色の規格である。対応する国際規格はISO 3864である。

  • JIS Z9101:2018 - 図記号−安全色及び安全標識−安全標識及び安全マーキングのデザイン通則
  • JIS Z9103:2018 - 図記号−安全色及び安全標識−安全色の色度座標の範囲及び測定方法

「安全色」として「」「黄赤」「」「」「」「赤紫」の6色が規定されており、また安全標識などで安全色を引き立てる「対比色」として「」「」の2色が規定されている[1]危険標識安全標識(JIS Z 9101)などの色として使われるほか、案内用図記号(JIS Z8210)の色としても使われる。

国内規格の「JIS Z 9101:2018」は国際規格の「ISO 3864-1:2011」と一致しているが、国内規格の「JIS Z 9103:2018」は国際規格の「ISO 3864-4:2011」に修正を加えたものとなっており、反射材料、蛍光材料(蛍光レッド、蛍光イエローなど)、蓄光材料などが規定されている。

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2018年策定の改正JIS安全色(JIS Z 9103:2018)においては、世界に先駆けてユニバーサルデザインカラーが採用され、3色覚の人(一般の人)だけでなく明度で色を識別している1型・2型色覚の人やロービジョンの人など、色覚多様性に配慮して各色の値が定められた[2][3][4]。ただし、人種による見え方の違いがあるため、国際規格であるISO 3864に反映されるには至っていない。

なお、「色覚多様性」に関して、従来は「色覚異常」または「色覚障害」と呼ばれていたが、多様な色覚は人類が進化の道程で獲得した多様性の一つなので、本来は「異常」または「障害」と呼ぶべきではないとJIS Z 9103:2018 附属書JCで特に注意されている。

安全色

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色名 マンセル値 日塗工色表番号 印刷・プリンター出力用 デジタルサイネージ用 16進表示 主な用途
8.75R 5/12 K08-50V C:0 M:85 Y:95 K:0 R:255 G:75 B:0 #FF4B00 禁止、危険、防火、緊急、停止
黄赤 5YR 6.5/14 K15-65X C:0 M:50 Y:100 K:0 R:246 G:170 B:0 #F6AA00 危険、警告、航空・船舶の保安施設
7.5Y 8/12 K27-80V C:0 M:0 Y:100 K:5 R:242 G:231 B:0 #F2E700 注意警告
5G 5.5/10 K45-55T C:85 M:0 Y:80 K:0 R:0 G:176 B:107 #00B06B 安全状態、救護、進行
2.5PB 4.5/10 K72-45T C:95 M:40 Y:0 K:0 R:25 G:113 B:255 #1971FF 指示、誘導
赤紫 10P 4/10 K89-40T C:40 M:90 Y:0 K:0 R:153 G:0 B:153 #990099 放射能

対比色

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色名 マンセル値 日塗工色表番号 印刷・プリンター出力用 デジタルサイネージ用 16進表示 主な用途
N9.3 KN-93 C:0 M:0 Y:0 K:0 R:255 G:255 B:255 #FFFFFF 対比色
N1.5 KN-15 C:50 M:50 Y:50 K:100
印刷時に版ズレが起こりうる文字や細線の場合
C:0 M:0 Y:0 K:100
R:0 G:0 B:0 #000000 対比色

使用例

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図記号は安全標識の一般的事項(JIS Z 9104:2005)付表1(安全標識の種類とそのデザイン)で規定されている(放射能の図記号に関しては「放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律施行規則」および「ISO 7010 W 003」に規定されている)が、改正JIS安全色(JIS Z 9101:2018)はユニバーサルデザインカラーを採用してどんな人でも見やすい色になったということで、案内用図記号(JIS Z 8210:2017)、ハザードマップなどあらゆる場面で活用することが期待されている。

なお、以下の基本形状の色は2018年改正前の安全色となっていることに注意。

基本形状 意味 安全色 対比色 図記号要素の色
禁止 安全色の赤は、標識面積全体の少なくとも35%
指示 安全色の青は、標識面積全体の少なくとも50%
注意警告 安全色の黄は、標識面積全体の少なくとも50%
安全状態 安全色の緑は、標識面積全体の少なくとも50%
放射能 赤紫 図記号は、放射線障害に関する施行規則による

脚注

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  1. ^ JIS安全色マンセル参考値・CMYK・RGB・HTML 推奨値 (PDF) (日本標識工業会)
  2. ^ 日本工業規格(JIS)を制定・改正しました(平成30年4月分)~安全色及び安全標識などのJISを改正~/安全色及び安全標識に関する JIS 改正 -ユニバーサルデザインカラーを採用- (PDF)経済産業省 平成30年〈2018年〉4月20日)
  3. ^ JIS安全色 ( JIS Z 9103 ) 改正内容の紹介(新JIS安全色普及委員会)
  4. ^ 視認性に配慮した色の識別!JIS安全色彩(色カラー)