JPGIS
JPGIS(地理情報標準プロファイル、英: Japan Profile for Geographic Information Standards)とはGISの基盤となる空間データに関する規格の一つで、日本国内における標準規格である[1]。異なるシステム間での互換性の確保を主目的として、データの設計、品質、記述方法、仕様の書き方等のルールを定めたもの[1]。国際規格(ISO 19100シリーズ)、日本工業規格(JIS X 7100シリーズ)に準拠しつつ、内容を実利用に即して絞り体系化した、より実用的な規格である[1]。JPGISの利用が進むことで、データの相互利用しやすい環境が整備され、異なる整備主体で整備されたデータの共用、システム依存性の低下、重複投資の排除等の効果が期待されている[2]。
経緯
[編集]先行する日本国内の地理情報標準規格として、JSGI(地理情報標準、英: Japanese Standards for Geographic Information)があった。これは国土地理院と民間企業との官民共同研究によるもので、空間データの整備等に必要な基本項目について、ISO/TC 211の国際標準(案)を元に国内標準として作成されたものである[1][3]。1999年(平成11年)3月に第1版、2002年(平成14年)3月に第2版が作成され、順次JIS化された。
地理情報標準プロファイル(JPGIS)は、その後国際標準(案)が国際標準化され、さらに順次国内標準化されたことを受けて、それら国際標準と国内標準に準拠しつつも、内容を実利用に即して絞り体系化した実用版の規格である[1][4]。初版は2005年(平成17年)5月に公開された。現在の最新バージョンは、2015年(平成27年)4月に更新されたJPGIS 2014である。
バージョン
[編集]- Ver 1.0
- 2005年。初版。
- Ver 1.0改訂版
- 2007年。初版における不具合を修正。
- Ver 2.0
- 2008年。「附属書12(規定)地理マーク付け言語(GML)」の追加、基盤地図情報への対応。
- Ver 2.1
- 2009年。基となる規格の変更(ISO 19109→JIS X 7109、ISO 19110→JIS X 7110)
- 2014
- 2014年。基本的な考え方・技術の変更はない。引用する規格が制定・更新されたものを追加[5]。
符号化仕様
[編集]JPGISの符号化仕様は2種類あり、どちらを利用しても良いことになっている[6]。
- XML
- 「附属書8(参考)XMLに基づく符号化規則」により規定。ISO19118の附属書Aを参考に日本が独自にスキーマを規定したもの。
- GML
- 「附属書12(規程)地理マーク付け言語(GML)」により規定。ISO19136のGML(Geography Markup Language)を使うもので、Ver2.0で追加された。
脚注
[編集]- ^ a b c d e “地理情報標準とは”. 国土地理院. 国土地理院. 2018年7月10日閲覧。
- ^ “地理空間情報の実用化(JPGIS化)でできること”. 国土地理院. 国土地理院. 2018年7月10日閲覧。
- ^ “標準策定の経緯”. 国土地理院. 国土地理院. 2018年7月10日閲覧。
- ^ “JPGIS FAQ #JPGISとJSGIとの関係は?”. 国土地理院. 国土地理院. 2018年7月10日閲覧。
- ^ “JPGIS 関連資料ダウンロード #JPGIS改定履歴及び関連資料(過去の資料)”. 国土地理院. 国土地理院. 2018年7月10日閲覧。
- ^ “JPGIS FAQ #Ver.2.0で附属書12が追加されましたが、これはどのような規則ですか?”. 国土地理院. 国土地理院. 2018年7月10日閲覧。
外部リンク
[編集]- JPGIS(地理情報標準プロファイル) - 国土地理院