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Lift Off

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『Lift Off』
BAD HOPEP
リリース
録音 Chalice Recording Studios(アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国ロサンゼルス[1]
ジャンル ヒップホップ / ラップ
時間
レーベル BAD HOP[2]
BAD HOP アルバム 年表
BADHOP ALLDAY vol.2
2018年
Lift Off
2019年
BAD HOP WORLD
2020年
ミュージックビデオ
「Foreign feat. YZERR & Tiji Jojo / Prod. Wheezy & Turbo」 - YouTube
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Lift Off』(リフト・オフ)は、2019年11月15日Apple MusiciTunes Store限定の配信でリリースされたBAD HOPEPである[3]

概要

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本作は配信も行っているApple Music企画のプロジェクトとして始動した[4]。BAD HOPとして初の海外での制作となり、ドレイクミーゴスケンドリック・ラマーヤング・サグといったアーティストのヒット曲を手がける海外プロデューサー達と制作されたアルバムである。レコーディングはアメリカ合衆国ロサンゼルスのスタジオで行われた[5]。制作が行われたスタジオ「Chalice Recording Studios」はこれまでにジェイ・Zエイサップ・ロッキーニプシー・ハッスルなどといったラッパーの作品が作られたスタジオでもある[1]。配信前からBAD HOPのSNSアカウントでも少しずつ内容が公開されていた[6]

BAD HOPのメンバーであるYZERRは、これまでのように日本で音楽制作を行っていると日本風な方向に合わせてしまうところに不満を抱いていたというが、海外制作を通じメンバーの中での意識改革や、これからの活動のモチベーションに繋がったと語っており、「海外で成功する壁はデカいと思う。でも、自分としては、今までずっと探していた“入り口”へのドアの場所がやっと見えたという感じ。」と振り返っている[7]。同時にYZERRは「メンバーみんなが共通で感じたことは、悔しいという気持ち。スキルやレベルが足りないなと思うこともありました。」と語っており、これからもクオリティを高め、日本のヒップホップをもっと世界に知ってもらえるように動きたいと述べている[2]

Apple Musicではスタジオでの「Lift off」の制作風景を収めたショートフィルム「BAD HOP: LIFT OFF」の配信も同時に行われた[5][8]

『Lift Off』のリリースとともに、これまでYouTubeの公式チャンネルで公開していたミュージック・ビデオを全て非公開または削除している[3]

収録曲解説

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1曲目の「JET」は、第61回グラミー賞で合計6部門にノミネートされた実績を持つマーダー・ビーツがプロデュースを手掛けた[1]。この楽曲はロサンゼルスでの制作で最初に手をつけた曲であり、飛行機の中での高揚感や、ロサンゼルスに着いて初めて空港の外に出た時の空気感を曲にしたと当楽曲に参加したメンバーのYellow Patoは語っている。また、同じく当楽曲に参加したメンバーのG-k.i.dは、Uberメルローズのような言葉を入れ、実際にロサンゼルスで体験したことなどをリリックに入れたという[2]

2曲目の「Double Up」は、アトランタを中心とするトラップ・ブームの立役者としても知られるメトロ・ブーミンがプロデュースを担当。ブーミンは過去にカニエ・ウェストザ・ウィークエンドらのプロデュースも担当している[1]。2倍に増やすという意味のタイトルであるDouble Upはメンバー全員の話し合いで決定し、アメリカに行って次のステージを目指しながら、知名度やお金も含めてもっと倍にしていこうという意味が込められている。当楽曲に参加したメンバーのT-Pablowは、この曲のビートが疾走感のあるものだったので、トレンド感を押し出すよりはスタンダードなラップが合うと感じ、レコーディングに挑んだという[2]

3曲目の「Ichimanyen」は、マイク・ウィル・メイド・イットがプロデュースを担当。BAD HOPのメンバーが待つスタジオに登場するとすぐに未発表の自分のビートを聴かせ、その場でメンバーたちにマイクを渡し、フリースタイルを要求したという[9]。タイトルのIchimanyenは一万円のことであり、このビートでお金のことを歌ったら面白いなとYZERRは感じたという。マイク・ウィル・メイド・イットのビートに日本っぽさがあると感じたため、すごく分かりやすい日本語のワードをタイトルに付けたいとの意向からこのタイトルとなった[2]

4曲目の「Poppin」は、近年R&Bシンガーのエラ・メイを発掘し、トータル・プロデュースを手掛けたことでも知られるDJマスタードがプロデュースを担当。これまでにYGタイガタイ・ダラー・サインなどのプロデュースも手掛けている[9]。当楽曲に参加したBarkは、激しいビートの為、その分難しかったとコメントしている。2曲目の「Double Up」とは違うガツガツした感じを出したかった為、そのようなフロウが得意なメンバーのBenjazzyフックの部分をお願いしたという[2]

5曲目の「Dead Coaster」は、ウィージーがプロデュースを担当[9]。タイトルには"死と隣り合わせ"という意味が込められている[2]

6曲目の「Foreign」は、5曲目の「Dead Coaster」のプロデュースも務めたウィージーにターボが加わり、制作された[9]。YZERRはこの楽曲について、これまでBAD HOPがやってきた雰囲気をアップデートした1曲とコメントしており、「僕たちは日本人として産まれて来たけど、ずっと海外の流行り物を身に付けて、海外の音楽を聴いて親しみを感じていた。だからこそ、日本人としてのプライドや、日本人の自分にしかできないフロウで勝負したいと思って、リリックもそう言った気持ちを込めて書いています。」と述べている。ビートを聴いた時に日本を連想させるがかかってるような竹林のイメージが浮かび、フロウも自然に浮かんだという[9]。この竹林のイメージは木村太一が監督を務め、制作されたミュージック・ビデオで再現されている[10][11]

収録曲

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デジタル・アルバム
#タイトル作詞作曲編曲時間
1.「JET(feat. G-k.i.d, Yellow Pato & Tiji Jojo)」G-k.i.d, Yellow Pato & Tiji JojoMurda Beatz 
2.「Double Up(feat. Tiji Jojo, Benjazzy, Vingo & T-PABLOW)」Tiji Jojo, Benjazzy, Vingo & T-PABLOWMetro Boomin and Doughboy 
3.「ICHIMANYEN(feat. YZERR, Vingo & Benjazzy)」YZERR, Vingo & BenjazzyMike WiLL Made-It 
4.「Poppin(feat. Benjazzy, YZERR & Bark)」Benjazzy, YZERR & BarkMustard 
5.「Dead Coaster(feat. T-PABLOW, Benjazzy & G-k.i.d)」T-PABLOW, Benjazzy & G-k.i.dWheezy 
6.「Foreign(feat. YZERR & Tiji Jojo)」YZERR & Tiji JojoWheezy&Turbo 

チャート

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チャート(2019年) 最高
順位
オリコン週間 デジタルアルバムランキング (オリコン 3[12]
オリコン週間 合算アルバムランキング (オリコン) 33[13]
Billboard JAPANダウンロード・アルバム・チャート“Download Albums” (Billboard JAPAN 3[14]

脚注

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注釈

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出典

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  1. ^ a b c d “BAD HOP、米LAで制作したEPを発表「ずっと探していた入り口のドアがやっと見えた」”. Rolling Stone Japan(ローリングストーン ジャパン). (2019年11月16日). https://rollingstonejapan.com/articles/detail/32465 2019年11月20日閲覧。 
  2. ^ a b c d e f g h BAD HOPの「Lift Off - EP」をApple Musicで”. iTunes. 2019年11月20日閲覧。
  3. ^ a b “BAD HOP新作EP『Lift Off』配信 同時にYouTubeの過去MVを削除”. KAI-YOU.net. (2019年11月15日). https://kai-you.net/article/69281 2019年11月20日閲覧。 
  4. ^ @TPablow (2019年11月15日). "BAD HOP「Lift Off - EP Apple Music , iTunes,にて配信開始しました". X(旧Twitter)より2019年11月20日閲覧
  5. ^ a b “BAD HOP、海外プロデューサー迎えた新作配信「日本人の自分にしかできないフロウで」”. 音楽ナタリー. (2019年11月15日). https://natalie.mu/music/news/355509 2019年11月20日閲覧。 
  6. ^ “BAD HOP、豪華海外プロデューサー陣とコラボした新作EP『Lift Off』Apple Music限定リリース”. Spincoaster (スピンコースター). (2019年11月15日). https://spincoaster.com/news/bad-hop-release-new-ep-lft-off 2019年11月20日閲覧。 
  7. ^ “BAD HOP、米LAで制作したEPを発表「ずっと探していた入り口のドアがやっと見えた」”. Rolling Stone Japan(ローリングストーン ジャパン). (2019年11月16日). https://rollingstonejapan.com/articles/detail/32465/3/1/1 2019年11月20日閲覧。 
  8. ^ “バッドホップが豪華USプロデューサー陣を招いた新作 Lift Offを発表”. HYPEBEAST.JP. (2019年11月16日). https://hypebeast.com/jp/2019/11/bad-hop-release-lift-off-murda-beatz-metro-boomin 2019年11月20日閲覧。 
  9. ^ a b c d e “BAD HOP、米LAで制作したEPを発表「ずっと探していた入り口のドアがやっと見えた」”. Rolling Stone Japan(ローリングストーン ジャパン). (2019年11月16日). https://rollingstonejapan.com/articles/detail/32465/2/1/1 2019年11月20日閲覧。 
  10. ^ “BAD HOPがWheezy&Turbo迎えた新曲MV公開、監督は木村太一(動画あり)”. 音楽ナタリー. (2019年11月16日). https://natalie.mu/music/news/355768 2019年11月20日閲覧。 
  11. ^ “BAD HOP、豪華海外プロデューサー陣らとコラボした新作EPからMV「Foreign」を発表”. Billboard JAPAN. (2019年11月18日). https://www.billboard-japan.com/d_news/detail/82197/2 2019年11月20日閲覧。 
  12. ^ オリコン週間 デジタルアルバムランキング 2019年11月11日~2019年11月17日”. ORICON NEWS. 2019年11月20日閲覧。
  13. ^ オリコン週間 合算アルバムランキング 2019年11月11日~2019年11月17日 31~40位”. ORICON NEWS. 2019年11月20日閲覧。
  14. ^ “【ビルボード】椎名林檎 『ニュートンの林檎 ~初めてのベスト盤~』がダウンロードAL首位 小沢健二『So kakkoii 宇宙』は4位に”. ガジェット通信 GetNews. (2019年11月20日). https://getnews.jp/archives/2287960 2019年9月3日閲覧。 

外部リンク

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