マリオカート7
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ジャンル | アクションレースゲーム |
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対応機種 |
ニンテンドー3DS Newニンテンドー3DS |
開発元 |
任天堂 レトロスタジオ |
発売元 | 任天堂 |
プロデューサー |
紺野秀樹 大八木泰幸 |
ディレクター | 矢吹光佑 |
プログラマー | 白岩祐介 |
音楽 |
永田権太 照井理美 |
美術 | 森本嘉久 |
人数 | 1人(通信プレイ時2 - 8人) |
メディア |
3DSカード ダウンロード販売 |
発売日 |
パッケージ版 2011年12月1日[1] 2011年12月2日[2] 2011年12月3日[3] 2011年12月4日[4] 2012年5月31日[5] 2012年9月28日[6] 2012年12月1日 ダウンロード版 2012年10月4日 2012年10月18日 2012年11月1日[1] |
対象年齢 |
CERO:A(全年齢対象)[1] ESRB:E(6歳以上)[4] PEGI:3 [2] |
売上本数 |
1,898万本(2023年9月末時点)[7] 308万本(2022年12月末時点)[8] |
その他 |
ローカルプレイ対応 ダウンロードプレイ対応 インターネットプレイ対応 いつの間に通信対応 すれちがい通信対応 Mii対応 |
『マリオカート7』(マリオカートセブン、Mario Kart 7)は、2011年12月1日に任天堂より発売されたニンテンドー3DS専用レースゲーム。家庭用ゲーム機用のマリオカートシリーズとしては7作目にあたり[9]、シリーズで初めてタイトルにナンバリングが記されている[注釈 1]。開発は任天堂とレトロスタジオとの合作である。
日本国内においては、本作は発売からわずか4日間で45万1932本という、当時の3DS向けソフトの中で過去最高の初週販売本数を記録[10]。発売から1ヶ月には、売上が100万本を突破し、ニンテンドー3DS用ソフトで初のミリオンセラーとなった(『スーパーマリオ 3Dランド』と同じ週に達成)[11]。
2015年12月3日に『マリオ&ルイージRPG ペーパーマリオMIX・マリオカート7 ダブルパック』が発売。2018年7月19日には、特別仕様の2DS LL本体にダウンロード版「マリオカート7」をプリインストールした、『Newニンテンドー2DS LL マリオカート7パック』[12]が発売。
ゲームシステム
[編集]コースに「陸海空」が取り入れられており、空中でハンググライダーのように滑空できるパーツを展開する、水中で後方にスクリュープロペラのパーツを取り付けて走行するといった要素が登場[注釈 2]。さらに、一つの長大なコースを3つのセクションに区切って、それぞれをラップとしてラップタイムを測るコースも登場する。
他にも、カートの「フレーム」「タイヤ」「グライダー」の3種類を組み合わせてカートのカスタマイズができたり[14]、「ドライバー視点」に切り替えて本体を傾けて操作できる[15]など、新システムが多数搭載されている。また、『マリオカートアドバンス』以来に「コイン」の概念が復活している。
インターネット通信による国内や海外のプレイヤーとの最大8人対戦が行えるほか、様々な通信要素の拡充がされている。
ゲームモード
[編集]本作では『DS』で削除された2人用の「グランプリ」や、『Wii』で削除された「バトル」の「個人戦」が復活し、前者は3人以上でも遊べるようになっている。一方で『DS』、『Wii』にはあった1人用の「VS」が削除されている。
ひとりで
[編集]1人用のモード。「グランプリ」「タイムアタック」「ふうせんバトル」「コインバトル」の4種類のゲームをプレイできる。
- グランプリ
- 各4コースで構成された8つのカップ(大会)でレースを行い、獲得した「ドライバーズポイント」の合計で総合順位を競う[15]。本作ではランクからアルファベットが廃止され、★★★、★★、★、無星の4段階になっている。また、「すれちがい通信」で出会った人がいた場合、たまにそのプレイヤーのMiiがレースにCOMとして参加することがある。
- タイムアタック
- 1台のみで走行し、「トリプルダッシュキノコ」を使いつつ最速レコードを目指す。自己記録を更新すると、その走行が「ゴースト」として保存される[15]。なお、このモードでは公正を期すため、コースからランダム要素が廃され、障害物もプレイヤーに反応しなくなる。
- ふうせんバトル
- アイテムでライバルを攻撃して互いの風船を割りあい、その数を競う。風船をすべて失うと、得点が最大3ポイント減ってしまう[15]。2分経過時の得点が「ドライバーズポイント」に加算され、4試合の合計で総合順位を決める。
- コインバトル
- ステージ上に散らばったコインを集め、その枚数を競う[15]。『Wii』の「あつめてコイン」に近いルールだが、本作ではレースと同様にコインを10枚までしか持てない。2分経過時に持っているコインの枚数が「ドライバーズポイント」に加算され、4試合の合計で総合順位を決める。
みんなで
[編集]ダウンロードプレイ、またはローカルプレイを利用し、最大8人で「グランプリ」「VS」「ふうせんバトル」「コインバトル」の4種類のゲームをプレイできる[15]、カートのパーツはデフォルトのもので固定される。
- VS
- 走るコースや出現するアイテムなどいくつかのルールを設定し、グランプリと同様に4回のレースで「ドライバーズポイント」の合計を競う。
インターネットで
[編集]インターネットに接続して、同時に接続しているプレイヤーとレースやバトルができる。以下の3つのモードから、最大7人のプレイヤーを探して対戦が可能[16]。
本作は大韓民国や台湾、香港でも発売されており、これらの国の相手と対戦することも可能だが、日本版ではこれらの国の文字フォント(ハングルなど)が実装されていないため、ユーザーネームにこれらの文字が含まれている場合、その部分のみ「?」と表示される。
- せかいのだれとでも
- 世界中で同時にインターネットに接続している他のプレイヤーと対戦できる[16]。『Wii』にあった「こくないのだれかと」と統合されており、近い地域のプレイヤーとマッチングしやすい。1戦ごとの順位に応じて、プレイヤーの強さを表す「VR」が溜まっていく[注釈 3]。
- フレンドやライバルと
- 互いにフレンド登録をしたプレイヤーや、最近対戦したプレイヤー、すれちがい通信を使用してすれちがったプレイヤーと合流して対戦できる[16]。
- コミュニティ
- 対戦ルールや条件を決めた「コミュニティ」を自由に作成・参加して対戦できる[16]。いつの間に通信で配信される「おすすめコミュニティ」などを参照してコミュニティに参加することもできる。
マリオカートチャンネル
[編集]「いつの間に通信」や「すれちがい通信」を通じて、他のプレイヤーとの交流ができる[15]。ドライバー視点時の「ジャイロセンサー(本体の傾けによる操作)」の有無もここで切り替えられる。
- いつの間に通信
- 数十人分の「ゴースト」が配信され、タイムアタックで並走することができる。また、ゴースト選択時に7つのゴーストと同時にレースをする「ゴースト7」を選べるようになる[15]。
- すれちがい通信
- すれちがった相手とゴーストを交換したり、相手が作成したグランプリで対戦することができる[15]。相手のMiiはプレイヤーの癖によって決められた称号に応じて、行動パターンや入手するアイテムが変化する。また、自分が持っていないパーツを相手のMiiが使用していれば、そのグランプリで優勝する[注釈 4]ことで入手することも可能。
キャラクター
[編集]使用可能なキャラクターは以下の17体[17]で、そのうち9体が隠しキャラクターとなっている。
基本キャラクター
[編集]本作の基本キャラクターは、ドンキーコングが代替わりした点以外は『スーパーマリオカート』と同じ8体となっている。
隠しキャラクター
[編集]- デイジー - 中量級
- ワリオ[注釈 5] - 重量級
- ロゼッタ[注釈 6] - 重量級
- メタルマリオ - 新キャラクター、重量級[注釈 7]
- ヘイホー[注釈 8] - 軽量級
- ハニークイーン - 新キャラクター、重量級
- ハナチャン - 新キャラクター、重量級
- ジュゲム - 新キャラクター、軽量級
- Mii - 中量級[注釈 9]
カート
[編集]本作のカートは「フレーム」「タイヤ」「グライダー」という3つのパーツに分かれており、自由に組み合わせることが可能[14]。前述のキャラクターの性能に、パーツごとに設定された値を加えて、総合的な性能が決まる。
ほとんどのパーツはレース中にコインを集めて獲得したり、すれちがった相手のMiiが参加するグランプリで優勝することで入手する必要があり、その順番も一部を除いてランダムとなっている。また、特定の条件を満たすとドライバー視点時のハンドルが金色に変化する。
アイテム
[編集]コース上の「アイテムボックス」を通過するとランダムでアイテムを入手できる。本作では18種類のアイテムが登場し、そのうち3種類が新アイテムである[18]。
本作からボムへいの爆風などによるダメージを受けてもアイテムを落とさなくなっている。ただし、誰かにサンダーを使われるかコースアウトすると、持っているアイテムが消えてしまう。
コース
[編集]「グランプリ」などで使用されるコースは『DS』『Wii』と同様、新作コース16種類と、これまでのマリオカートシリーズにあった16種類の計32コース[19]。最初から選択可能なのはキノコカップとこうらカップのみだが、特定のカップで優勝すると次のカップが出現する。本作ではクラスに関係なくカップを出現さえさせれば、全てのクラスで遊べるようになる。
「みんなで」と「インターネットで」では、一部のコースで敵キャラクターや障害物が「ひとりで」よりも少なくなる[注釈 10]。
開発
[編集]2010年に企画が立ち上がり、当初は8名の少人数で制作が進行したが、本格的に作業を始める段階になった際、『ゼルダの伝説 スカイウォードソード』の制作期間延長に伴い、任天堂社内で開発の人員が不足したため、レトロスタジオの協力を得ての開発となった[20]。
コースの開発に関しては、任天堂とレトロスタジオで折半することになったが、任天堂の森本嘉久はレトロスタジオのトム・アイビーに、空中や海中を走る本作の新要素を盛り込みつつ「クラシックコース」の再現を依頼した[21]。レトロスタジオはニンテンドー3DSでのソフトウェア開発経験がなかったが、「クラシックコース」を再現する作業によって、3DSでの開発手法を学びつつ、マリオカートのコースに関するデザインについても学ぶことができた[21]。
クラシックコースのグラフィックに関しては、レトロスタジオのライアン・パウエルは『ルイージマンション』を例に挙げて、元作品のイメージに近づけつつ、『マリオカートDS』でコースとして登場したルイージマンションの印象も残すように腐心した[21]。
キャラクターに関しては、本作では空中を走る要素をカートにグライダーをつけて実現することになったが、その際グライダーにキャラクターの頭がぶつからないようにしなければならなくなり、それに加えてキャラクターの躍動感をどのように表現するか任天堂の石川雅祥とレトロスタジオのヴィンス・ジョリーで議論を重ね調整していった[22]。
本作の開発が上手く進んだ理由に関して、当時社長の岩田聡はレトロスタジオが「マリオカート」の面白さを理解し、仕事にやりがいを感じてくれたことや、問題点の意識共有が円滑に進んだことを挙げている[22]。その背景には、レトロスタジオ側に3Dツールを高いレベルで使いこなせる技術者がいて、宮本茂が言う「動かして面白いかを見極める」ことを実践しているからであると本作プロデューサーの紺野秀樹は語っている[22]。
ゲームシステムについて、本作では「コイン」を復活させた[23]。紺野やプログラムディレクターの白岩祐介は本作以前からコインを復活させたいと考えていたが、他の作業との兼ね合いで実装できなかったことから、本作では最初から実験的に実装することが決まった[23]。結果的にはこれが功を奏し、空中や水中コースでコイン取得が楽しみにつながり、カスタムパーツの取得方法としての役割も担うことになった[23]。また白岩はフレームレートを60 fpsに収めることに挑戦した[24]。60フレームを実現するために白岩は、多くのキャラクターを登場させたいプランナーと、絵を精細にしたいデザイナーとの調整に追われた[24]。
音楽を担当した永田権太は「いわゆるレースゲームのBGMにならない」ことを意識して作曲した[24]。また本作ではレース中にBGMを変化する仕組みを搭載したが、これをほかの要素にも使用することを考えた結果、プレイヤーが1位になっているとBGMが盛り上がる[注釈 11]仕組みを導入した[24]。この演出は開発中の段階からスタッフの間で「イケイケトラック」と呼ばれていた[24]。
こうして本作は3Dにしたマリオカートとして違和感がない仕上がりとなり、『スーパーマリオ 3Dランド』の製作スタッフも本作を参考にした[25]。
評価
[編集]この節の加筆が望まれています。 |
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脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ アーケード版としては『マリオカート アーケードグランプリ2』がある。
- ^ 水中走行の構想自体は『マリオカートアドバンス』の頃からあったが、宮本茂曰く「カートが海を走るのは変だ」とのこともあり没になったことがある[13]。
- ^ 最下位など、順位が低い場合は若干下がることもある。
- ^ 相手のMiiに勝つだけでは入手できない。
- ^ マリオカートシリーズでは初めて隠しキャラクターとして登場する。
- ^ 前作ではチコが付き添っていたが、本作からは単独での登場となっている。
- ^ カートの大きさは中量級と同じ。
- ^ ダウンロードプレイ以外で使えるようになったのは初めて。ゲームカードを持っていないプレイヤーが使用するヘイホーは色が変わる。
- ^ 本作では身長・体重の設定にかかわらず性能が固定されている。
- ^ 分かりやすい例として、「デイジーヒルズ」の羊や「クッパキャッスル」のドッスンなどは「ひとりで」では2体だが、「みんなで」と「インターネットで」では1体しか出現しない。
- ^ パーカッションが追加される
出典
[編集]- ^ a b c “マリオカート7”. マリオカート7 ニンテンドー3DS ソフトウェア. 任天堂 (2011年12月1日). 2023年12月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年3月27日閲覧。
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- ^ “Nintendo Break All The Rules For Mario Kart 7's Australian Release”. Kotaku (2011年11月2日). 2016年12月13日閲覧。
- ^ a b “Nintendo 3DS/2DS Mario Kart 7” (英語). Nintendo 3DS Games. Nintendo of America (2011年12月3日). 2022年3月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年4月8日閲覧。
- ^ “Mario Kart 7 - Korean Overview Trailer”. YouTube. Nintendo Korea (2012年5月11日). 2016年12月13日閲覧。
- ^ “瑪利歐賽車7 中文版”. Nintendo Hong Kong. 2016年12月12日閲覧。
- ^ “株主・投資家向け情報:業績・財務情報 - 主要タイトル販売実績 ニンテンドー3DS専用ソフト”. 任天堂. 2023年11月29日閲覧。
- ^ 『2023 CESAゲーム白書』コンピュータエンターテインメント協会、2023年7月、187頁。ISBN 978-4-902346-47-3。
- ^ “3DS『マリオカート7』発売10周年。空中や水中の走行が可能になったのが特徴で、7つのアイテムを一気に装備する“ラッキー7”も登場!【今日は何の日?】”. ファミ通 (2021年12月1日). 2022年7月25日閲覧。
- ^ “『マリオカート7』初週販売本数は45.2万本――ニンテンドー3DS向けソフトで最高の出足に”. ファミ通 (2011年12月6日). 2022年7月25日閲覧。
- ^ “ニンテンドー3DSの国内累計販売台数が400万台を突破”. ファミ通. (2011年12月26日) 2022年7月25日閲覧。
- ^ “特別デザインの「Newニンテンドー2DS LL」を3つご紹介!”. 任天堂 (2018年7月3日). 2022年7月25日閲覧。
- ^ “マリオカートアドバンス/インタビュー1”. 任天堂 (2014年11月18日). 2016年1月16日閲覧。
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- ^ 紺野秀樹; 白岩祐介; 永田権田; 矢吹光佑『社長が訊く『マリオカート7』社内スタッフ篇 6. 3Dを活かした『マリオカート』』(インタビュアー:岩田聡)、任天堂 。2024年1月27日閲覧。
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- ^ “Mario Kart 7”. GameRankings. 2016年12月12日閲覧。
- ^ “Mario Kart 7 for 3DS Reviews, Ratings, Credits, and More at Metacritic”. Metacritic.com. 2016年12月12日閲覧。
- ^ “3DS Review: Mario Kart 7 Review”. ComputerAndVideoGames.com (2011年11月25日). 2016年12月12日閲覧。
- ^ “Review: Mario Kart 7”. Destructoid. 2016年12月12日閲覧。
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- ^ “Mario Kart 7 Review from Game Informer”. 2016年12月12日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “Mario Kart 7 Review”. Giant Bomb (2011年11月29日). 2022年7月25日閲覧。
- ^ Drake, Audrey (2011年11月29日). “Mario Kart 7 Review”. 2022年7月25日閲覧。
- ^ Ronaghan, Neal (2011年11月29日). “Mario Kart 7”. Nintendo World Report. 2022年7月25日閲覧。