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巡音ルカ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Megurine Lukaから転送)
ピアプロキャラクターズ
CV03 巡音ルカ
開発元 クリプトン
最新版
種別 音声合成
ライセンス プロプライエタリ
PCLCC BY-NC
公式サイト バーチャル・シンガー - CFM
piapro.net
初音ミク公式ブログ
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画像外部リンク
巡音ルカ キャラクターpiapro

巡音 ルカ(めぐりね ルカ、MEGURINE LUKA)は、クリプトン・フューチャー・メディアが開発・発売しているバーチャルシンガーソフトウェアとそのキャラクター[1]。「ピアプロキャラクターズ」に分類される。

概要

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ピンクのロングヘアが特徴の20歳・女性バーチャルシンガー[1]

最初の製品は初音ミク鏡音リン・レンに続くクリプトン社のキャラクター・ボーカル・シリーズ第3弾として2009年1月30日に発売[2]。ミク達によって巻き起こされた創作のムーブメントに乗る形で人気を集めた[2]

動画投稿サイト等で巡音ルカを用いた数多くの作品が発表され、商業シーンにおいてもメディアミックスを展開している。

バーチャルシンガーソフトウェア

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企画開発はクリプトン社の佐々木渉(wat)[3][4]

オリジナルCVは声優の浅川悠[1]。浅川を起用した日英バイリンガルのバーチャルシンガーは初音ミクが企画される前から検討されていたが、浅川がオーストラリアに在留していてスケジュールが折り合わず、ミクとリン・レンの後に発売された[5]

巡音ルカ(V2版)
音声合成エンジン「VOCALOID2」対応ソフト。巡音ルカはVOCALOID製品で初めて日本語用と英語用の2つの歌手ライブラリを収録しており、それまでの製品では難しかった日本語に英語が交じる楽曲への対応やワールドワイドな音楽など汎用性が高いことが特徴としている。日本語用よりも容量の大きい英語用の歌手ライブラリを収録していることから、データベースの総容量は3GB以上とそれまでに発売された製品では最大となった[2]
巡音ルカ V4X
2015年3月19日に発売されたVOCALOID4エンジン対応ソフト。クリプトン社の独自開発技術「E.V.E.C.」が初搭載され、ライブラリでの細かな調整が効くようになり、さらに音毎に性質を変更したり、吐息やがなり声の表現に対応するなどの進化を遂げた[2]
ピアプロキャラクターズ・スーパーパック
ピアプロキャラクターズ全6名(初音ミク鏡音リン鏡音レン、巡音ルカ、MEIKOKAITO)の日本語歌唱ライブラリ1種類ずつに新規チューニングを施して収録した商品[6]。2024年8月1日に「初音ミク NT」の新バージョン及び「初音ミクV6 AI」と共に発表され、同月30日にリリース予定[6]。ベースとなったのはV3からV4Xまでの「Original」で、より発音や声色の全体バランスが良くなるよう磨き込み、クリアネスやジェンダーファクターを始めとしたパラメータも効きが良く設定され、歌声を作り込むことも可能[6]。過去作を所持しているユーザーによるクロスシンセシス使用での声色表現の拡張なども想定されている[6]
クリプトン社の新音声データベース(仮称)
クリプトン社が主催する「初音ミク マジカルミライ 2019」にてミクの新データベース(後の「初音ミク NT」)の存在が発表され、ミクをリファレンスとしてピアプロキャラクターズの他5体も随時調整する形になる事も言及された[7]。クリプトン社の佐々木渉(wat)がTwitter(現X)上で進捗状況を呟いている。

公式設定

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ピアプロキャラクターズのポータルサイト「piapro.net」では下記の公式プロフィールが公開されている[1]

  • 性別:女性
  • 年齢:20歳
  • 身長:162cm
  • 体重:45kg
  • イメージカラー:ピンク

名前は、「巡音」は“巡り伝わる音”、「ル」は“流れ”、「カ」には“歌や香り”などを意味しており、“目には見えない形でも相手に気持ちを伝える”というコンセプトから名付けられた[8]

キャラクターデザインは初音ミク鏡音リン・レンと同様にイラストレーターのKEIによるもので、真っ白な肌とピンク色の長い髪、青い瞳を持ちグラマラスかつ「大人」を感じさせる容姿となっている[2]。キャラクターが18禁の作品の創作に使われてしまうリスクを考慮し、肌を真っ白にすることで生命力が弱いような印象や冷たい印象を作っているという[9]。コスチュームは「物理モデリング・シンセサイザー」をモチーフとしている[8]

キャラクターの利用について

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発売元のクリプトン・フューチャー・メディアではキャラクターをモチーフにしたイラストやアニメーションの作成といったファンによる二次創作活動におけるキャラクターの利用のため「ピアプロ・キャラクター・ライセンス(PCL)[10]」とそれに基いた「キャラクター利用のガイドライン[11]」を定めており、ライセンスの内容に沿ったものであれば非営利無償の範囲でキャラクターの利用が許諾されるほか非営利、有償の二次創作作品の頒布のため「ピアプロリンク[12]」という仕組みも提供されている。また、公式キャラクターイラストについては、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスのCC BY-NC 3.0(表示 - 非営利 3.0)でのライセンスも行われている。なおキャラクターの名称や画像を用いない楽器としてのみの利用の場合は公序良俗に反する歌詞を含むなどの一部の例外を除き、商用・非商用問わず使用は制限されていない。

キャラクターイメージへの働きかけ

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巡音ルカでは先駆けて発売された2本のキャラクター・ボーカル・シリーズ商品同様、公式としてキャラクターの背景設定や物語などは詳しく設定されてはいない。巡音ルカはキャラクターデザイン発表直後からファンの手によって多数のイラストが描かれる等の創作活動が行われ、鏡音リン・レンなどと同様に初音ミクのネギに倣った定番アイテムを決めようという「持ち物論争」も発生し「冷凍マグロ」などが候補に挙げられた[13]

一方でクリプトンは前2本のCVシリーズにおいては公式設定にある以上のキャラ作りをユーザーの創作に任せた形となっていたのに対し巡音ルカについては発売前に名前のコンセプトや声、イラストのイメージなどに関する説明を公式ブログ上に掲載しユーザに対しキャラクターのイメージを示す試みを行っている[9]。これは初音ミクの後に発売された鏡音リン・レンやインターネット社がくっぽいどではユーザーの創作活動におけるキャラクターのネタ(悪ふざけの意)化が加速しているという判断から、ネタが強くなり真面目な曲とのバランスが偏ることを懸念したためである[9]。発売後の状況についてクリプトンは他のVOCALOIDに比べてコメディやパロディのような曲は少ないとし、ユーザーの創作から生まれた「たこルカ」というデフォルメキャラクター[注 1]が人気を集めるという想定外の出来事も含めネタが悪い方に流れなかったとして肯定的に見ている[9]

音源プロフィール

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パッケージ ライブラリ 得意ジャンル 得意な曲のテンポ 得意な音域
『巡音ルカ』 ラテン・ジャズ - エスノ系ポップス/ハウス - エレクトロニカ系ダンス 65-145BPM D3 - D5
『巡音ルカ V4X』 「日本語データベース DB - HARD」 高音に行くほど声を張り上げる、パワー系 50-170BPM E2-F4
「日本語データベース DB - SOFT」 柔らかく優しげな発声で作られたソフト系
「英語データベース DB - STRAIGHT」 ナチュラルな発音と声質 G#2 - C4
「英語データベース DB - SOFT」 柔らかく優しげな声質

主役企画

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巡音ルカのメディア展開は、下記の3種に大別される。

なお、ソーシャル媒体での公式アカウントは初音ミク名義である。

KarenTによる配信

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権利元であるクリプトン・フューチャー・メディアのレーベル「KarenT」により、iTunes StoreAmazonMP3、moraなどでルカを用いた楽曲コンテンツが販売されている。

2024年6月現在、曲数は1390曲、収録アルバムは600枚にのぼる(KarenT公式サイトの表示数より)。

タイアップ

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沿岸バス
北海道のバス会社、沿岸バスが運行する羽幌町内循環バスほっと号にて2009年7月1日から8月31日までの期間、巡音ルカを用いて発表された楽曲「トエト」(作詞・作曲:トラボルタ)を到着を知らせるメロディとして流す「トエトのレトロなメロディバス」を運行、バス車内に飾るトエトのイラストの公募も行われた[14]

書籍

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DTM MAGAZINE 別冊CV 03 巡音ルカ(2009年5月号)(寺島情報企画)
巡音ルカの体験版を付録にしたDTM MAGAZINEの総特集増刊号。2009年5月2日発売。
悪ノ大罪 円尾坂の仕立屋(作:悪ノP(mothy)、出版:PHP研究所)
悪ノP(mothy)が巡音ルカを用いて発表した楽曲「円尾坂の仕立屋」を元にした小説。ルカをモデルにしたキャラクターが登場する。2015年12月に発売。
Just Be Friends(原作:Dixie Flatline、著:木爾チレン、出版:PHP研究所)
Dixie Flatlineが巡音ルカを用いて発表された楽曲「Just Be Friends」「アンサー」を元にした小説。ルカをモデルにしたキャラクターが登場する。2015年6月発売。2015年5月よりKKADOKAWA/アスキー・メディアワークスの『MIKU-Pack』で漫画が連載されている。
星屑ユートピア(原案:otetsu、著:井上香織、出版:ポニーキャニオン
otetsuが巡音ルカを用いて発表された楽曲「星屑ユートピア」を元にした小説。ルカをモデルにしたキャラクターが登場する。2015年6月発売。

ゲーム

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模型

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フィギュア、プラモデル、ドール(※初音ミクシリーズ、ピアプロキャラクターズとして展開されたものも記載する)。

  • 絵梦(エモン)トイズ
    • トレーディングミニフィギュア
  • KADOKAWA
    • 「摔倒的初音未来」シリーズ
  • グッドスマイルカンパニー
    • ねんどろいどシリーズ(通常、ぷらす、ぷち、どーる、さぷらいず)
    • どうぶつチャームストラップ
    • ポケマケット
    • あかたんず
  • グルーヴ
    • Pullip
  • セガ
    • セガプライズ
  • ストロンガー
    • 「初音ミク ~花色衣~」シリーズ
  • タイトー
    • プライズ
  • タカラトミー
    • とびこれ!!
    • こえだらいず
    • 肩ズンFig.
    • すってんころりんフィギュア
    • Hide & Seek かくれんぼフィギュア
  • バンダイナムコグループ
    • 初音ミクスイング
    • デスクトップシンガー
    • SNOW MIKU COLLECTION
  • プライム1スタジオ
    • キュ―ティ1プラス
    • PRISMA WING
  • フリーイング
    • スケール(1/8、1/12)
  • フリュー
    • プライズ
  • ボークス
    • ドルフィー・ドリーム
  • HOBBY MAX
    • スケール(1/7)
  • マックスファクトリー
    • スケール(1/7)
    • figma
  • リーメント
    • 初音ミクシリーズ

CD

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タイトル クリエイター キャラクター 初版発売日 レーベル
君のいる景色 WhiteFlame presents feat. 巡音ルカ ミク、ルカ、KAITO 2009年9月2日 ティー ワイ エンタテインメント
WORLD MUSIC COVERS ABC Project feat.巡音ルカ ルカ 2011年7月20日 ワーナーミュージック・ジャパン
CORRUPTION GARDEN featuring 巡音ルカ Caz デイライト 2011年6月8日 Blu-ray Disc
DVD

脚注

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注釈

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  1. ^ ユーザーの創作から生まれた、巡音ルカの髪の毛をタコの脚に見立てたデフォルメキャラクター。詳細はVOCALOIDの派生キャラクター#たこルカを参照。

出典

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  1. ^ a b c d ピアプロキャラクターズ.
  2. ^ a b c d e ミク10周年特別号 2018, p. 19.
  3. ^ 総力特集ミク 2023, pp. 208–209.
  4. ^ ミク特別号 2014, CFM取材.
  5. ^ Quarterly8 2012, pp. 24–31.
  6. ^ a b c d バーチャルシンガー6名の歌声をまとめた新製品の予約を開始! 「初音ミクV6 AI」も年内リリースに向けて準備中!”. クリプトン (2024年8月1日). 2024年8月1日閲覧。
  7. ^ 【マジカルミライ】初音ミク「マジカルミライ 2019」◇企画展レポート◇ - 初音ミク公式ブログ - クリプトン、2019年9月5日
  8. ^ a b 初音ミクと仲間たち 2012, p. 20-21.
  9. ^ a b c d 岡田有花 (2009年2月10日). “英語に苦心 大人なVOCALOID「巡音ルカ」ができるまで”. ITmedia News (ITmedia): pp. 1-2. https://www.itmedia.co.jp/news/articles/0902/10/news036.html 2009年6月6日閲覧。 
  10. ^ ピアプロ・キャラクター・ライセンス”. クリプトン・フューチャー・メディア. 2015年9月22日閲覧。
  11. ^ キャラクター利用のガイドライン”. クリプトン・フューチャー・メディア. 2015年9月22日閲覧。
  12. ^ ピアプロリンクについて”. クリプトン・フューチャー・メディア. 2015年9月22日閲覧。
  13. ^ 岡田有花 (2009年1月13日). “「巡音ルカ」に何を持たせる?”. ITmedia News (ITmedia). https://www.itmedia.co.jp/news/articles/0901/13/news097.html 2009年6月2日閲覧。 
  14. ^ “夏季限定、北海道で「巡音ルカ」曲のメロディ流すバス”. ITmedia News (ITmedia). (2009年6月26日). https://www.itmedia.co.jp/news/articles/0906/26/news101.html 2009年6月28日閲覧。 

参考文献

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公式サイト

  • piapro.net”. クリプトン. 2022年7月9日閲覧。

書籍

  • 『初音ミク -Project DIVA- マスターブック』SBクリエイティブ、2010年。ISBN 978-4797356601 
  • 『VOCALOIDをたのしもう Special 初音ミクと仲間たち』YMJ、2012年。 
  • 『別冊カドカワ 総力特集 初音ミク』KADOKAWA、2023年。 

新聞・タブロイド

  • 『スポーツ報知 初音ミク特別号』スポーツ報知、2014年。 
  • 『スポーツ報知 =初音ミク10周年特別号』スポーツ報知、2018年。 

関連項目

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外部リンク

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