ミステリー・トレイン (曲)
「ミステリー・トレイン」 | ||||||||
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リトル・ジュニアズ・ブルー・フレイムズ の シングル | ||||||||
B面 | ラヴ・マイ・ベイビー | |||||||
リリース | ||||||||
規格 | 7インチシングル | |||||||
録音 | ||||||||
ジャンル | ||||||||
時間 | ||||||||
レーベル | サン・レコード (192) | |||||||
作詞・作曲 | ジュニア・パーカー | |||||||
プロデュース | サム・フィリップス | |||||||
リトル・ジュニアズ・ブルー・フレイムズ シングル 年表 | ||||||||
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ミステリー・トレイン(Mystery Train)は、米国のブルース・ミュージシャン、ジュニア・パーカーが作曲し、1953年にレコーディングした楽曲。オリジナル・バージョンはメンフィス・ブルースあるいはリズム・アンド・ブルースのスタイルで演奏されており、より古い楽曲にインスピレーションを受けているが、最初にエルヴィス・プレスリーによってカバーされ、彼に続いて多くのカバーが生まれており、ポピュラーなロカビリーの楽曲として知られるようになった[3]。
楽曲とレコーディング
[編集]音楽歴史家のコリン・エスコットは以下の通り述べている。「『ミステリー・トレイン』に関するミステリーのひとつは、この題名の由来である。というのも、歌詞の中には題名はどこにも登場しないのだ[4]」。この曲はアメリカのフォーク・ミュージックのグループ、カーター・ファミリーの「Worried Man Blues」と似通った歌詞が登場する。同曲は古いケルティックのバラードが元となっており[3]、彼らの1930年に一番売れたレコードとなっている[5]。
16両編成の列車が到着した
16両編成の列車が到着した
私の愛した女性はあの列車に乗って行ってしまった
一方、パーカーの歌には以下の歌詞がある:
私の乗る列車は16両編成
私の乗る列車は16両編成
あー、あの長くて黒い列車が私のベイビーを連れて帰るんだ
ジュニア・パーカーは、リトル・ジュニアズ・ブルー・フレイムズ名義で、サン・レコードのプロデューサー兼社主のサム・フィリップスのために「ミステリー・トレイン」をレコーディングした[6]。レコーディング・セッションは、フィリップスの所有するテネシー州メンフィスのメンフィス・レコーディング・サーヴィスにて1953年の9月から10月の間に行なわれた。パーカーのヴォーカルのバックを務めたのは彼のバンド、ブルー・フレイムズで、参加したと思われる当時のメンバーはフロイド・マーフィー(ギター)[7]、ウィリアム・ジョンソン(ピアノ)、ケネス・バンクス(ベース)、ジョン・バウアーズ(ドラムス)、そしてレイモンド・ヒル(テナー・サックス)といった面々である[4]。
「ミステリー・トレイン」は1953年にR&Bチャート5位のヒットとなった「フィーリン・グッド (Sun 187)」に続くジュニア・パーカーのシングルだったが、この曲はシングル・チャート入りすることはなかった。
1973年にザ・バンドのロビー・ロバートソンは、サム・フィリップスの承認を得たうえで「ミステリー・トレイン」に追加の歌詞を書き、彼らはそのバージョンをアルバム『ムーンドッグ・マチネー』のためにレコーディングしている。彼らはその後、1976年のフェアウェル・コンサート『ラスト・ワルツ』にてポール・バターフィールドとこの曲を演奏している[8]。
エルヴィス・プレスリーのバージョン
[編集]「ミステリー・トレイン」 | ||||||||
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エルヴィス・プレスリー の シングル | ||||||||
A面 | アイ・フォーガット・トゥ・リメンバー・トゥ・フォーゲット | |||||||
リリース | ||||||||
規格 | 7インチシングル | |||||||
録音 | ||||||||
ジャンル | ロカビリー | |||||||
時間 | ||||||||
レーベル | サン・レコード (223) | |||||||
作詞・作曲 | ||||||||
プロデュース | サム・フィリップス | |||||||
エルヴィス・プレスリー シングル 年表 | ||||||||
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エルヴィス・プレスリーによる「ミステリー・トレイン」は、「アイ・フォーガット・トゥ・リメンバー・トゥ・フォーゲット」のB面として1955年8月20日にリリースとなった(Sun 223)。2003年、ローリング・ストーン誌はオールタイム・グレイテスト・ソング500において、この曲を77位にランク付けした[10]。サム・フィリップスはパーカーのレコーディングに続いて、ここでもレコーディングのプロデュースを行なった。プレスリーがヴォーカルとリズム・ギター、スコティ・ムーアがリード・ギター、ビル・ブラックがベースを務めた。ムーアはカントリー調のリードのブレイク、それにフィンガー・ピッキングにスラップバック・エコーを効かせている[11]。ムーアはまた、ジュニア・パーカーの「Love My Baby」(1953年)でパット・ヘアが弾いたギター・リフや[12]、マール・トラヴィスの「16トン (Sixteen Tons)」など、既存曲の要素を散りばめている[13][14]。
「アイ・フォーガット・トゥ・リメンバー・トゥ・フォーゲット」とあわせ、このシングルはビルボードのカントリー&ウェスタン・チャートのトップ10に食い込んだ[15]。
RCAビクターは、プレスリーとの契約締結によってこのレコーディングの権利を得た後の1955年11月に再リリースしている(#47-6357)。そのリリースでは、この曲は全米ビルボードカントリー・チャートの11位を記録した。同月にRCAビクターはザ・タートルズ(1960年代のポップ・グループ、タートルズとは別バンド)によるこの曲のポップス・バージョンをリリースしている(#47-6356)。ここではヒューゴ・ウィンターホルターと彼のオーケストラがバックを付けている。
「ミステリー・トレイン」は、今や「不朽の名曲」と評価されている[16]。この曲は、エルヴィス・プレスリーが全米規模のカントリー・ミュージックのスターの座に押し上げた最初の曲である[17]。
脚注
[編集]- ^ 45cat - Little Junior's Blue Flames - Mystery Train / Love My Baby - Sun - USA - 192
- ^ Bill Dahl. “Junior Parker | Biography & History”. AllMusic. 2016年7月25日閲覧。
- ^ a b Herzhaft, Gerard (1992). "Mystery Train". Encyclopedia of the Blues. アーカンソー州フェイエットヴィル: アーカンソー大学出版局. p. 463. ISBN 1-55728-252-8。
- ^ a b Escott, Colin (1990). Mystery Train (Album notes). Junior Parker, James Cotton, Pat Hare. Cambridge, Massachusetts: Rounder Records. pp. 1–2. CD SS 38。
- ^ “American Experience | The Carter Family: Will the Circle Be Unbroken”. Pbs.org. November 29, 2010閲覧。
- ^ Robert Palmer (1981). Deep Blues. Penguin Books. p. 237. ISBN 978-0-14-006223-6
- ^ フロイド・マーフィーはマット・"ギター"・マーフィーの弟である
- ^ 『ムーンドッグ・マチネー』 (1973年)ライナー・ノーツ
- ^ Burke, Ken and Dan Griffin. The Blue Moon Boys - The Story of Elvis Presley's Band. Chicago Review Press, 2006. pg. 48. ISBN 1-55652-614-8
- ^ “Search Articles, Artists, Reviews, Videos, Music and Movies”. Rolling Stone. May 13, 2007時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年11月29日閲覧。
- ^ Blue Moon Boys, p. 48
- ^ “PARKER, Little Junior : MusicWeb Encyclopaedia of Popular Music”. 2006年6月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年7月3日閲覧。
- ^ Gillett, Charlie (1984). The Sound of the City: The Rise of Rock and Roll (Rev. ed.). New York City: Pantheon Books. ISBN 0-394-72638-3 July 6, 2012閲覧. "特に「ラヴ・マイ・ベイビー」はパット・ヘアの激しいギター・プレイがフィーチャーされており、各所で語られることとなるロカビリー・スタイルに影響を与えている。"
- ^ Tosches, Nick. Country - the Twisted Roots of Rock 'n' Roll. DeCapo Press, 1985. pg 54. ISBN 0-306-80713-0
- ^ Billboard, December 17, 1955. Reviews of New Pop Records. pp. 56および61.
- ^ Burke, Ken and Griffin, Dan. The Blue Moon Boys - The Story of Elvis Presley's Band. Chicago Review Press, 2006, p.46. ISBN 1-55652-614-8
- ^ Collins, Ace (1996). The Stories Behind Country Music's All-time Greatest: 100 Songs. New York: The Berkeley Publishing Group. pp. 94–96. ISBN 1-57297-072-3