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NGC 1672

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
NGC 1672
NGC 1672
ハッブル宇宙望遠鏡による画像
星座 かじき座
見かけの等級 (mv) 10.28[1]
視直径 6.6' × 5.5'[1]
分類 (R')SB(r)bc[1]
位置
元期:J2000.0
赤経 (RA, α)  04h 45m 42.500s[1]
赤緯 (Dec, δ) −59° 14′ 49.85″[1]
赤方偏移 0.004440[1]
視線速度 (Rv) 1331 ± 3 km/s[1]
距離 1331[1]
他のカタログでの名称
PGC 15941, 2MASS J04454249-5914500[1]
Template (ノート 解説) ■Project

NGC 1672は、かじき座の方角に存在する棒渦巻銀河である。かつてはかじき座群に属していると考えられたが[2]、現在では否定されている[3]。NGC1672は、2万パーセクにも及ぶと推定される長い棒を持つ[4]。核や棒、腕からは強い放射線を発している[4]。核はセイファート2型に分類され、スターバーストの領域に囲まれている[4]。最も強い偏光放射は、ダストレーンの上流に位置する北東部に由来している[4]磁界は棒に対して大きな角度を持っており、中心に向かっている[4]

一般的な構造

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銀河の中央には、明るい棒と、棒の末端から外側に向かう4つの繊維状の渦状腕を持つ。渦状腕は非対称で、ディスクの北東に位置する腕はその他に比べて非常に明るい。渦状腕には多くの星形成領域が見られ、大きいものは4分にもなる[5]

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NGC1672の核の分類ははっきり分かっていない。ほとんどの銀河は、そのスペクトル型により、以下の3つの異なるタイプのうちどれか分類される[6]

  • HII核は、銀河系の星形成領域とよく似たスペクトルを持ち、核の中で星形成が行われていると見られている。
  • セイファート核は、中心に大質量ブラックホールを持つ活動銀河である。
  • ライナー核は、弱くイオン化されたガスのためスペクトル線の消失が見られる。星形成領域かブラックホールがあると考えられている。

NGC1672は、このどれとも完全に一致せず、中間的な状態だと考えられている[6]。実際に、核に星形成領域を含む活動銀河である。紫外線の観測によると、星形成領域は放射の源になっている[7]

出典

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  1. ^ a b c d e f g h i NASA/IPAC Extragalactic Database”. Results for NGC 1672. 2019年9月12日閲覧。
  2. ^ Huchra, J. P.; Geller, M. J. (June 15, 1982), “Groups of galaxies. I - Nearby groups”, Astrophysical Journal 257 (Part 1): 423–437, doi:10.1086/160000, https://ui.adsabs.harvard.edu/abs/1982ApJ...257..423H/abstract 
  3. ^ Maia, M. A. G.; da Costa, L. N.; Latham, David W. (April 1989), “A catalog of southern groups of galaxies”, Astrophysical Journal Supplement Series 69: 809–829, doi:10.1086/191328, ISSN 0067-0049, https://ui.adsabs.harvard.edu/abs/1989ApJS...69..809M/abstract 
  4. ^ a b c d e Beck, R.; Shoutenkov, V.; Ehle, M.; Harnett, J. I.; Haynes, R. F.; Shukurov, A.; Sokoloff, D. D.; Thierbach, M. (August 2002), “Magnetic fields in barred galaxies. I. The atlas”, Astronomy and Astrophysics 391: 83–102, doi:10.1051/0004-6361:20020642, https://ui.adsabs.harvard.edu/abs/2002A%26A...391...83B/abstract 
  5. ^ A. Sandage, J. Bedke (1994). Carnegie Atlas of Galaxies. Washington, D.C.: Carnegie Institution of Washington. ISBN 0-87279-667-1 
  6. ^ a b P. Veron, A. C. Goncalves, M. P. Veron-Cetty (1997). “AGNs with composite spectra.”. Astronomy and Astrophysics 319: 52–66. https://ui.adsabs.harvard.edu/abs/1997A&A...319...52V/abstract. 
  7. ^ A. L. Kinney, R. C. Bohlin, D. Calzetti, N. Panagia, R. F. G. Wyse (1993). “An atlas of ultraviolet spectra of star-forming galaxies”. Astrophysical Journal Supplement Series 86: 5–93. doi:10.1086/191771. https://ui.adsabs.harvard.edu/abs/1993ApJS...86....5K/abstract. 

関連項目

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外部リンク

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