NSPIXP
NSPIXP(エヌエスピーアイエックスピー、英語: Network Service Provider Internet eXchange Point)とは、WIDEプロジェクトによって運営されているインターネットエクスチェンジ(IX)。
概要
[編集]2021年9月現在、以下のIXが稼動している。
- dix-ie(旧NSPIXP-2)
- NSPIXP-3
NSPIXPは、日本の学術ネットワークと商用インターネットサービスプロバイダ(ISP)を繋ぐ、相互接続の問題を研究するためのプロジェクトとして発足し、その実用化実験の接続点として構築された。実証的な研究を行うため、実際にネットワークを相互に接続するためのポイントを用意し、このポイントを用いて研究を行うことにした。
歴史的背景としては1993年にTWICS、インターネットイニシアティブ(IIJ)が個人向けインターネット接続サービスを開始し、翌年の1994年にはNIFTY-Serve(@niftyの前身)、PC-VAN(BIGLOBEの前身)、ASAHIネット、アスキーネット、日経MIXと、従来パソコン通信を手がけていた電気通信事業者のインターネット接続が相次いだ。
1994年にNSPIXP-1が、日本で初めてのIXとして、東京都千代田区神田神保町の岩波書店本社ビル内に設置され、拡張の為1996年にNSPIXP-2が、千代田区大手町のKDDI大手町ビル内に設置され、1997年にはトラフィック緩和とバックアップ的な意味としてNSPIXP-3が、大阪府大阪市に設置された。
当時、急激に増加しつつあったWIDEとSINET間のパケット通信のボトルネックであり、「渋滞の名所」のように言われることもあった。
その後1999年にNSPIXP-6が、日本初のIPv6対応IXとして開設された。
2003年にはNSPIXP-2が、トラフィック緩和及びテロリズム・災害への対策の為、東京都内6ヶ所に拠点を置く分散型IXとして再構築され、dix-ie(distributed ix in edo、でぃくしー)と改名された。
歴史
[編集]- 1994年
- 3月 NSPIXP-1が日本で初めてのIXとして東京に設置される。
- 6月 NSPIXP-1運用開始。レイヤー3モデルにて相互接続検証を行っていた。
- 10月 NSPIXP-1がレイヤー2モデルにての相互接続検証に移行した。
- 1996年
- 10月 NSPIXP-2が日本で2番目のIXとして東京に設置される。
- 1997年
- 10月 NSPIXP-3が大阪に設置される。
- 1999年
- 2001年
- NSPIXP-2でインターネットデータセンターを含む新たなIXの実験を始める。従来NSPIXP-2が設置されていたKDDI大手町ビルを軸にMCIワールドコム(六本木)、NTTコミュニケーションズ(大手町ビル)、三菱電機情報ネットワーク(西大井)、レベルスリー・コミュニケーションズ(虎ノ門)、アット東京・東京通信ネットワーク(豊洲)に拠点が置かれ、トポロジーとしてはスター型に接続された。
- NSPIXP-3がサイバー関西プロジェクト、BBCCなどの研究系ネットワークと接続された。
- NSPIXP-3がNTTテレパーク堂島内のNTT西日本のハウジング内に拡張し、3箇所目となるNOCを追加して、3箇所に分散したIXとなった。
- NSPIXP-3の基幹ルーター・シスコシステムズ製Catalyst5000がY2K問題に対応して同社製Catalyst6500へ更改された。
- NSPIXP-3の基幹ルーター更改と同時に、基幹をギガビットイーサネット(1000BASE-ZX)に変更。
- 2003年
- 3月28日 NSPIXP-2が都内6ヶ所に拠点を置く分散型IXとして再構築され、dix-ie(Distributed IX in EDO)と改名された。
- 2008年
- 6月6日 NSPIXP-6 がサービスを終了した[1]。
NSPIXP-1
[編集]1994年3月に、東京・神田神保町にある岩波書店地下、「WIDEプロジェクトネットワークオペレーションセンター」(WIDE Network Operation Center - TOKYO、WNOC-TYO)に開設され、接続速度は最大1.5Mbpsであった。当初ルーターを用いたレイヤー3相互接続モデルにて接続を行っていたが、1994年10月よりイーサネットスイッチングハブ、レイヤ2相互接続モデルに従った各ネットワーク間相互接続に変更。
開設当初はNSPIXPとしていたが、その後、NSPIXP-2が開設されたため、NSPIXP-1と名称が変更された。
当時15の学術ネットワーク及びISPが参加し、対等ピアリングにより相互接続して、インターネット接続の実証検証を行っていた。1999年に運用を終了している。
主な参加団体
[編集]- WIDEインターネット(WIDEプロジェクト)
- APNIC
- 社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)
- 日本電信電話株式会社(OCN)
- 株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)
- 東京インターネット株式会社
- 株式会社ベッコアメ・インターネット
- ニフティ株式会社(NIFTY-Serve、現・@nifty)
- 日本電気株式会社(PC-VAN / mesh、現・BIGLOBE)
- 株式会社アトソン(ASAHIネット、現・株式会社朝日ネット)
- SINET(サイネット、学術情報ネットワーク)
NSPIXP-2
[編集]1996年10月、NSPIXP-2が日本で2番目のIXとして、KDDI大手町ビル内のコロケーションスペースに設置された。
2003年3月、NSPIXP-2へのアクセスの集中化を防ぐ為、6拠点への分散拡張化を行い、dix-ie(でぃくしー)と改称した。
NSPIXP-3
[編集]1997年10月、NSPIXP-3が大阪に設置された。東京以外に拠点を持つIXはこれが日本初である。
NSPIXP-2のバックアップ的な位置づけとして、大阪のケーブル&ワイヤレスIDC(現・ソフトバンクIDC、阪神ダイヤビル3F)と大阪メディアポート(難波ビル又は湊町MTビル8F)に初の分散型IXとして設置された。
2001年、NTTテレパーク堂島第1ビル2FにあるNTT西日本のハウジング内に拡張し、3箇所目となるNOCを追加して、Cisco Catalyst4003を用いて、3箇所に分散したIXとなった。
dix-ie
[編集]2003年3月、NSPIXP-2へのアクセスの集中化を防ぐ為、6拠点への分散拡張化を行い、NSPIXP-2をdix-ie(でぃくしー、Distributed IX in EDO)と改称した。
WIDEプロジェクトは負荷分散やテロ・災害時のリスク分散の為、KDDI大手町ビル、レベルスリー・コミュニケーションズ(虎ノ門)、MCIワールドコム・ジャパン(六本木)、三菱電機情報ネットワーク(品川)、NTTコミュニケーションズ(大手町)、東京通信ネットワーク(豊洲)を光ファイバーで相互に接続し、NSPIXP-2の分散拡張化を行なった。この6拠点間はギガビットイーサネットの多重技術で、4Gbps~8Gbpsの帯域で相互接続した。また、IPv6での利用も可能とし、IPv6用のインターネット相互接続ポイントとして実験運用を開始した。
接続場所
[編集]現在の拠点
[編集]2019年時点[2]。
開始初期の拠点
[編集]- KDDI大手町ビル(KDDI)
- ComSpace(ソフトバンクIDC←アバヴネットジャパン / 丸紅アクセスソリューションズ←ヴェクタント←グローバルソリューション(現アルテリア・ネットワーク)) - 中央区日本橋
- ワールドコム新川データセンター(MCIワールドコム・ジャパン(現・ベライゾンジャパン))- 中央区新川。2006年頃に離脱[3][4]
- NFパークビル(三菱電機情報ネットワーク(現・三菱電機インフォメーションネットワーク)) - 品川区二葉
- NTTコム大手町ビル(NTTコミュニケーションズ株式会社)
- アット東京中央センター(アット東京) - 江東区豊洲
NSPIXP-6
[編集]1999年、日本初のIPv6対応IXとして東京に開設された。
以下の各事業者とファストイーサネットにて接続。
- WIDEプロジェクト
- インターネットイニシアティブ(IIJ),
- ドリーム・トレイン・インターネット(DTI)
- インターネット総合研究所(IRI)
- JENS(現・ソフトバンクテレコム)
- NTTコミュニケーションズ
- インテック
- M6
SINET(サイネット、学術情報ネットワーク)とも接続されている。 嘗ては6bone(シックスボーン)と接続されていた。
NSPIXP-23
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PIX-IE
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PIX-IE++
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脚注
[編集]- ^ a b http://wide.ad.jp/nspixp6/
- ^ a b c d 第16部 ネットワーク相互接続の実証実験 - Programmable Internet Exchange in EDO (PIX-IE) WIDEプロジェクト
- ^ 2005年度 研究報告書 - 第33部 IXの運用技術 p.459 WIDEプロジェクト
- ^ 2006年度 研究報告書 - 第30部 IXの運用技術 p.377 WIDEプロジェクト
外部リンク
[編集]- WIDE Project
- WIDE Project NSPIXP
- WIDE Project NSPIXP6
- ケイ・オプティコム
- 6boneのアーカイブ
- サイバー関西プロジェクト
- 新世代通信網実験協議会(Broadband-ISDN Business chance & Culture Creation 略称:BBCC)