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PBM (航空機)

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PBM マリナー

飛行するPBM-3 (VP-74哨戒飛行隊所属、1942年撮影)

飛行するPBM-3
(VP-74哨戒飛行隊所属、1942年撮影)

PBM マリナーMartin PBM Mariner )は、アメリカ合衆国マーティン社が開発し、アメリカ海軍で運用された飛行艇

愛称の「マリナー (Mariner)」は、船員水夫の意。

概要

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PBY哨戒機の後継機として第二次世界大戦の中期以降、哨戒、海上救難、輸送等の任務で活躍し、1950年代まで一線で用いられ、アメリカ海軍のみならず、イギリス空軍アメリカ沿岸警備隊でも運用された。

アメリカ海軍は1937年にXPBM-1としてマーティン社に発注を行なっており、試作機が1939年2月18日に初飛行、1940年に量産が開始されている。生産機数は1,285機。

設計

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レシプロエンジン双発の飛行艇であり、主翼はエンジンを海面から離すためにガル翼である。補助フロートは引き込み式(PBM-3以降は固定式)で、尾翼は上反角が付けられたH型となっている。

機体規模、性能ともにPBY-1カタリナを大きく上回っていた。PBM-3Dは、エンジンナセル内側の主翼下面にハードポイントが設けられ、2000lbの魚雷が装備できた。また、爆弾庫をエンジンナセル中央に設けてそれぞれ各種爆弾を収容できた。

各型

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XPBM-1
試作機。
PBM-1
初期量産型。
PBM-2
燃料タンク増設型。1機製造。
PBM-3
ライト R-2600-12エンジン搭載。以下のサブタイプが存在した。
PBM-3C
イギリス向け、ライト R-2600-22エンジン搭載。
PBM-3D
爆弾搭載量、武装強化型。
PBM-3R
武装を撤去し、33名の座席を設置した人員輸送型。
PBM-3S
対潜哨戒機型。
PBM-4
エンジンをライト R-3350-8に換装・強化。
PBM-5
エンジンおよび武装強化型。1944年生産開始。
PBM-5A
水陸両用機型。
PBM-5S
対潜哨戒機型。機上レーダー (AN/APS-2F)、MAD (AN/ASQ-1)、ソノブイ (AN/ARR-31)、ECM (AN/APA-11、AN/APR-4)、サーチライト (L-11)、対潜魚雷 (Mk.24) の搭載・運用が可能であり、最大12,800lbs (5,806kg) の爆弾搭載能力も有していた。[1]

諸元

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機体名 PBM-1[2]
全長 77ft 4in (23.57m)
全幅 118ft (35.97m)
全高 27ft 6in (8.38m)
翼面積 1,405ft2 (130.53m2)
プロペラ[3] ブレード3枚 直径14ft 6in (4.42m) ×2
エンジン Wright R-2600-6 (1,600Bhp) ×2
空虚重量 24,440lbs (11,086kg)
武装 AN/M2 12.7mm機関銃×5 (弾数計2,000発) + AN/M2 7.62mm機関銃×2 (弾数計1,200発)
外部兵装 1,000lbs爆弾×6・5000lbs爆弾×8・100lbs爆弾×20、爆雷×8、Mk.13魚雷×2
ミッション PATROL BOMBER TORPEDO
総重量 47,271lbs (21,442kg) 48,000lbs (21,772kg) 48,000lbs (21,772kg)
搭載燃料[注 1] 2,754gal (10,425ℓ) 1,872gal (7,086ℓ) 2,257gal (8,544ℓ)
携行装備 1,000lbs爆弾×6 Mk.13魚雷×2
最高速度 205mph/12,000ft (330km/h 高度3,658m) 205mph/12,000ft (330km/h 高度3,658m) 198mph/12,000ft (319km/h 高度3,658m)
上昇能力 560ft/m (2.84m/s) 540ft/m (2.74m/s) 530ft/m (2.69m/s)
実用上昇限度 19,500ft (5,944m) 19,200ft (5,852m) 18,900ft (5,761m)
航続距離 4,050mile (6,518km) 2,775mile (4,466km) 3,000mile (4,828km)
ミッション A.S. PATROL FERRY
総重量 48,000lbs (21,772kg) 45,331lbs (20,562kg)
搭載燃料[注 1] 2,403gal (9,096ℓ) 2,754gal (10,425ℓ)
携行装備 爆雷×8
最高速度 205mph/12,000ft (330km/h 高度3,658m) 212mph/12,000ft (341km/h 高度3,658m)
上昇能力 540ft/m (2.74m/s) 640ft/m (3.25m/s)
実用上昇限度 19,200ft (5,852m) 20,500ft (6,248m)
航続距離 3,375mile (5,432km) 4,400mile (7,081km)
PBM-5S 三面図

現存する機体

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型名 番号 機体写真 所在地 所有者 公開状況 状態 備考
モデル 162A N19168 アメリカ メリーランド州 バルティモア産業博物館 公開 静態展示 搭乗員の試験用機体で、大きさが生産機の3分の8である。
PBM-3D 48199 アメリカ ハウランド島 ハウランド島の海岸 公開 放置
PBM-5 59172 アメリカ ワシントン州 ワシントン湖 公開 放置 1949年5月6日に墜落した後、幾度も引き揚げが計画されたものの失敗したことから、現在はダイバーの練習場として使われている。転覆した状態となっている。
PBM-5A 122071 アメリカ アリゾナ州 ピマ航空宇宙博物館 公開 静態展示 1948年から1956年に米海軍で運用された。1950年代初めに所属していた第21輸送中隊におけるRZ 051という塗装がされている。国立航空宇宙博物館からの貸与品。

脚注

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注釈

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  1. ^ a b 搭載可能燃料は機体内燃料タンクに合計2,804gal (10,614ℓ)

出典

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  1. ^ PBM-5 Mariner Specifications STANDARD AIRCRAFT CHARACTERISTICS
  2. ^ PBM-1 Mariner Specifications BU. OF AERO., NAVY DEPT. PERFORMANCE DATA
  3. ^ Propeller:CURTISS ELECTRIC、Blade:No.89304-6 (×3)、Diameter:14ft 6in (4.42m)、Area:15.34m²

関連項目

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