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日産・SR20DET

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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日産・SR20DET
U13型ブルーバードに搭載されたエンジン
製造期間 1989 - 2002年
タイプ 直列4気筒 DOHC 4バルブ 水冷 チェーン駆動カムスプロケット
排気量 1,988cc (2.0L)
内径x行程 86mm x 86mm
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SR20DETは、日産自動車が開発・製造していた直列4気筒ガソリンエンジンである。

概要

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SR20DETエンジンに使用されるギャレットT25Gターボ

SR20DETは、従来のCA18DETに代わるターボエンジンとして開発された。総排気量は1,988立方センチメートル (cc)、バルブ数は16バルブで、1基のターボチャージャーで過給される。

1989年10月にU12型ブルーバードで初めて導入され、1991年にはS13型シルビア/180SXに搭載された。その後もアベニールルネッサリバティなど、多くの日産車に搭載された。2002年8月のアベニールGT4およびS15型シルビアの生産終了をもって、SR20DETを搭載した車種は消滅した。

エンジン型式の内訳は以下の通り(詳細は日産自動車#エンジン型式を参照)。

  • SR - エンジン系列名
  • 20 - 排気量(2.0 リットル)
  • D - DOHC
  • E - 燃料噴射装置
  • T - ターボチャージャー

エンジンカバーの色

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エンジンカバーの色はエンジンの製造年に関係している。

モデル 製造期間
レッド シルビア/180SX/ブルーバード/パルサー 1989–1994
ブラック シルビア/180SX 1994–1998
ブラック シルビア 1994–2002
シルバー アベニール/ルネッサ 1995–2002/1997-2001
  • 1989 – 1994年 "赤ヘッド" - U12/13ブルーバード、PS13シルビア、1994年以前の180SX:(ギャレットT25Gターボ)の370ccインジェクターを使用した。RNN14パルサーGTI-Rの文字無し赤ヘッドはラッシュアジャスターがない、大容量オイルポンプ、4連スロットルの採用を筆頭に専用にチューニングされたものであり、レースエンジンといえるほど別物に改良された[1]
  • 1994 – 1998年 "黒ヘッド" - 1994年以降に生産された180SXに搭載。ギャレットT25Gターボを採用した。
  • 1994 – 1998年 "黒ヘッドVCT" - S14型シルビアに搭載。インテークカムに可変カムタイミング(VCT)が導入された(オーストラリアおよびヨーロッパ市場向けにはギャレットT28ジャーナルベアリングターボ、日本市場向けにはギャレットT28ボールベアリングターボ)[2]。370ccインジェクターが使用された。
  • 1995 – 2002年 "シルバーヘッド" - アベニールおよびルネッサに搭載。
    • 1999 – 2002年 "黒ヘッド" - S15型シルビアに搭載。上記と同様のVCT(欧州・オーストラリア向けはギャレットジャーナルベアリングT28、日本向けはボールベアリングT28ターボ)、480ccインジェクターを採用し、インテークマニホールドも新設計。2002年製造分からコンロッドがエクストレイルのVET用に変更された事からピストンの設計変更が行われている。[3]

エンジン諸元

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1990 - 1994年 RNN14型パルサーGTI-R
  • コンプレッサーフロー: 33 lb/MIN
  • スロットルボディ:クワッド
  • インジェクターフロー:440cc/分
  • 点火時期: 20º BTDC
1991 - 1998年 180SX
  • スロットルボディ内径:60 mm
  • インジェクターフロー: 370cc/min
1995 - 1999年 S14型シルビア
  • スロットルボディ内径:50 mm
  • インジェクターフロー:370cc/min
1999 - 2002年 S15型シルビア
  • スロットルボディ内径:50 mm
  • インジェクターフロー:444cc/min

比較表

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車種 エンジン 圧縮比 最高出力 最大トルク ターボ ブースト圧 タービン コンプレッサー
1989年 U12型 ブルーバード 赤ヘッド 8.5:1 151 kW (205 PS) / 6,000 rpm 275 N⋅m (28.0 kg⋅m) / 4,000 rpm T-25G 14psi
1991 - 1995年 U13型 ブルーバード 赤ヘッド 8.5:1 154 kW (209 PS) / 6,000 rpm 275 N⋅m (28.0 kg⋅m) / 4,000 rpm T-25G 7psi
1995 - 1997年 W10型 アベニールサリュー シルバーヘッド 8.5:1 154 kW (209 PS) / 6,000 rpm 275 N⋅m (28.0 kg⋅m) / 4,000 rpm T-25G 7psi
1997 - 2001年 W11型 アベニール シルバーヘッド 8.5:1 169 kW (230 PS) / 6,000 rpm 275 N⋅m (28.0 kg⋅m) / 3,600 rpm T-25BB 9psi
1990 - 1994年 RNN14型 パルサー 赤ヘッド 8.3:1 169 kW (230 PS) / 6,000 rpm 284 N⋅m (29.0 kg⋅m) / 4,800 rpm T-28 10.6psi 79 Trim 53 mm (2.1 in) (インコネル), .86 A/R ハウジング 60 trim 60 mm BCI-1 in T-3 housing
1990 - 1995年 EGNN14型 サニー 赤ヘッド 8.3:1 164 kW (223 PS) / 6,400 rpm 266 N⋅m (27.1 kg⋅m) / 4,800 rpm T-28 10.6psi 79 Trim 53 mm (2.1 in) (インコネル), .86 A/R ハウジング 60 trim 60 mm BCI-1 in T-3 housing
1991 - 1993年 PS13/RPS13型 シルビア/180SX 赤ヘッド 8.5:1 151 kW (205 PS) / 6,000 rpm 275 N⋅m (28.0 kg⋅m) / 4,000 rpm T-25G 7psi 62 trim 53.8 mm (2.1 in), .80 A/R ハウジング 60 trim 56mm BCI-1
1994 - 1998年 RPS13型 180SX 黒ヘッド 8.5:1 151 kW (205 PS) / 6,000 rpm 275 N⋅m (28.0 kg⋅m) / 4,000 rpm T-25G 7psi 62 trim 53.8 mm (2.1 in), .80 A/R ハウジング 60 trim 56mm BCI-1
1995 - 1999年 S14型 シルビア
1995 - 1999 200SX (オーストラリア、ニュージーランド)
黒ヘッド(ノッチトップ) 8.5:1 162 kW (220 PS) / 6,000 rpm 275 N⋅m (28.0 kg⋅m) / 4,800 rpm T-28 7psi, 14psi BB 62 trim 53.8 mm (2.1 in), .64 A/R ハウジング, 日本仕様はBB 60 trim 60 mm BCI-1 in T-04B ハウジング
1999 - 2002年 S15型 シルビア
2000 - 2002年 200SX (オーストラリア、ニュージーランド)
黒ヘッド(ノッチトップ) 8.5:1 184 kW (250 PS) / 6,400 rpm (MT車)
165 kW (224 PS) / 6,000 rpm (AT車)
275 N⋅m (28.0 kg⋅m) / 4,800 rpm T-28BB 7psi ストック 62 trim 53.8 mm (2.1 in) (インコネル), .64 A/R ハウジング, タービン排出口とウェイストゲート間の鋳造仕切り壁、ボールベアリング中央部 60 trim 60 mm BCI-1 in T-04B ハウジング

チューニング

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SR20DETを搭載したシルビア/180SXはドリ車としての需要が高く、自然吸気(NA)のSR20DEを搭載した車両やRB20DETエンジン搭載車に運動性能向上目的でSR20DETをスワップする事例も多い。エンジン自体も2.1 Lや2.2 Lへの排気量アップや、ロッカーアーム飛びが起きないNEO VVLを備えたSR20VEのヘッド流用など、多様な手段でのチューニングメニューが確立されている。

北米では、KA24E/KA24DEを搭載する240SXのエンジンスワップの選択肢としても人気がある。SR20DETには豊富なアフターマーケットによって多くのチューニングメニューが用意されているため、SR20DETへのスワップはより一般的になってきている。また、SR20DETのスワップだけを専門に扱うショップも存在する。

純正のSR20DETはシングルターボだが、アフターマーケットでツインターボ化するチューナーも存在し、ドラッグレース仕様ではブースト圧2.2 kgf/cm2で800 PS以上を発生した事例もある[4]

搭載車

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SR20DETを搭載するS15型シルビア スペックR
車種 グレード 型式 製造年 ヘッド色 ターボ 市場
ブルーバード 2000SSS アテーサリミテッド HNU12 1989 T25G 日本
SSS-R HNU12 1989 T25G 日本
2000SSS アテーサリミテッド HNU13 1991 - 1993 T25G 日本
2000SSS アテーサリミテッド HNU13 1994 - 1995 T25G 日本
パルサー GTI-R RNN14 1990 - 1994 T28 日本
サニー GTI-R EGNN14 1990 - 1995 T28 ヨーロッパ
180SX すべて RPS13 1991 - 1993 T25G 日本
TYPE X/TYPE R RPS13 1994 - 1997 T25G 日本
シルビア K's PS13 1991 - 1993 T25G 日本
K's S14 1994 - 1999 T28BB 日本
オーテックバージョン K's MF-T S14 1998 - 1999 IHI VN14 (VTC) 日本
NISMO 270R S14 1994 日本
Spec-R S15 1999 – 2002 T28BB (VTC) 日本
アベニールサリュー GTターボ W10 1995、1997 シルバー T25G 日本
GT4 W11 1998、2000 -2002 シルバー T25BB 日本
リバティ GT4ハイウェイスター M12 1999 - 2000 日本
ルネッサ GTターボ NN30 1997 - 2001 シルバー T25BB 日本
200SX S14 1993 - 1999 (VTC) ヨーロッパ
Spec-S & Spec-R S15 1999 - 2002 T28BB (VTC) オーストラリア、ニュージーランド

関連項目

[編集]

脚注

[編集]
  1. ^ 『RALLY CARS vol.22 NISSAN PULSAR/SUNNY GTI-R』三栄。 
  2. ^ T28 Ball Bearing And Non Ball Bearing Turbo - SilviaWA Forums”. 2011年7月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年3月5日閲覧。
  3. ^ ろで. “純正コンロッド加工。”. rodex.blog.fc2.com. 2024年9月29日閲覧。
  4. ^ 「尖りまくりのS13シルビア改」800馬力のツインターボが吠える!” (2022年9月2日). 2024年9月24日閲覧。