TOKYOブローカー (楠みちはるの漫画)
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この記事のほとんどまたは全てが唯一の出典にのみ基づいています。 (2020年6月) |
『TOKYOブローカー』(トーキョーブローカー)は、楠みちはるの漫画。『週刊ヤングマガジン』(講談社)で、2004年第8号から第11号、第22・23合併号から第26号、第42号から46号に掲載された。単行本は1巻(講談社ヤンマガKC)。全13話で、未完の作品である。
なお、楠が原作のみ手がけ、作画を楠の妻の伊藤ゆうが担当した同名の漫画が1999年から2003年にかけて『週刊モーニング』にシリーズ掲載されていた。以下では楠のみによる作品を楠版、伊藤の作画による作品を伊藤版と呼称する。
概要
[編集]2004年の東京を舞台に、2人のブローカーが様々な有力者たちと際どい仕事を進めて行く、ビジネスの世界の不良中年を描いた作品。第1巻の巻末には「第2巻に続く」と書いてあるが、続巻は出ておらず未完となっている。
1999年から2003年まで『週刊モーニング』(講談社)に不定期掲載された伊藤版の後に発表された。伊藤版とは、主人公のキャラクターはおおむね同一ながら、ストーリー展開や作品全体の雰囲気は大きく異なっている。
楠が2008年から連載している『湾岸ミッドナイト C1ランナー』の主要人物の何人かは、本作の登場人物に容姿や言動が似ている。
あらすじ
[編集]2004年の東京。満たされない日々を送る大学生・ノブは、怪しい2人のブローカー・仕黒と寺田に気に入られ、様々な「大人の不良」の世界を体験していく。
外資系ファンド「RRC」は破綻が迫っており、荻島と部下の君原は脱出を計画していた。そのやり口が気に入らない寺田は、RRCを1年以内に破綻させると宣言し戦いを挑む。対する荻島は、仕黒のもとに君原をオンナとして送り込み、味方に引きこもうと画策する。
主な登場人物
[編集]主人公とその仲間
[編集]- 仕黒(しぐろ)
- 2人の主人公のうちの1人。主に自動車関係のブローカー。白いダッジ・バイパーGTSを乗りこなす。
- 六本木の伝説のホストだったが、寺田に誘われブローカーの世界へ。容姿は極めて整っており、落とせないオンナはいないとまで言われる。抱かれた女は皆、仕黒のセックスの虜となり、一晩で人生観まで変わってしまうと言われ、付いたあだ名が「JB」(歌手ジェームス・ブラウンの略で、代表曲が『セックスマシーン』であることから)。
- 荻島から送り込まれた女・君原と、男として対峙する。
- 寺田(てらだ)
- 2人の主人公のうちの1人。主に不動産関係のブローカー(地上げ屋)。
- 背は低く太っており、あごひげを生やし、明るい色のスーツを着て、髪形はボウズで色付きメガネをかけている。
- 仕黒をホストからブローカーに引き抜いた男。ノブを最初に見いだしたのも彼である。不動産の取引をめぐり、冴子と交渉している。
- ノブ
- 大学生。スズキ・スカイウェブに乗る、茶髪でカジュアルな服装をした今風の若者。『湾岸ミッドナイト C1ランナー』の「瀬戸口ノブ」に容姿や立場が近い。
- ひょんなことから仕黒たちと知り合い、仕事、食べ物、クルマ、人間関係、果てはセックスに至るまで、ワルい大人のやり方を教え込まれていく。
取引相手と街の人々
[編集]- 荻島(おぎしま)
- 端正な顔立ちの、中年から壮年と見られる男性。外資系ファンド「RRC」の都心エリア統括。水面下で経営破綻が迫っており、君原とともに脱出を計画している。仕黒とは過去に女をめぐって因縁がある。
- 君原(きみはら)
- 若く有能な、荻島の部下。荻島を異性として愛している。荻島の命令で、仕黒と寝るため仕黒に近づく。
- 冴子(さえこ)
- 飲食店数件を持つ、成り上がりセレブ女性。36歳。寺田の狙っている物件のオーナー。仕黒とは、むかし1回だけ肉体関係を持ったことがあるという。ベンツのクーペを所有。
- 渋川(しぶかわ)
- 仕黒・寺田の溜まり場となっている喫茶店のマスターの男性。髪はボウズで口ひげを生やしている。過去にかなりの実力者だったことが示唆されている。『湾岸ミッドナイト C1ランナー』の「渋川圭介」と、容姿に若干の類似点がある。
- 野村(のむら)
- 仕黒がダッジを面倒見てもらっている、自動車工の男性。シンナー中毒のようで、常に汗をかいており目つきはうつろで、前歯も欠損している。いつも不気味に笑っており、セクハラを平気で行う。『湾岸ミッドナイト C1ランナー』の「木村進」と、容姿をはじめ多くの類似点がある。
備考
[編集]- タイトルロゴ内の「TOKYO」のYは「¥」(円マーク)になっている。
- 裏表紙、カバー見返し、カバー下には、実物の白いダッジ・バイパーが走行している写真が使用されている。
単行本
[編集]- ISBN 4-06-361295-3 2004年12月27日 第1刷
参考文献
[編集]- 「TOKYOブローカー」(伊藤版)