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TRAX (ライトレール)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
TRAX
シンボルマーク
TRAXの主力車両・S70形(2011年撮影)
TRAXの主力車両・S70形2011年撮影)
基本情報
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
ユタ州の旗 ユタ州
所在地 ソルトレイクシティ
種類 ライトレール路面電車[1]
路線網 3系統(2024年現在)[1][2]
開業 1999年[3][2]
運営者 ユタ・トランジット・オーソリティー[1][2]
使用車両 SD-100形SD-160形S70形[4][5][2]
路線諸元
路線距離 72.1 km[2]
軌間 1,435 mm[5]
電化区間 全区間[5]
電化方式 直流750 V
架空電車線方式[5]
路線図(2014年時点)
テンプレートを表示

TRAX(トラックス)は、アメリカ合衆国の都市・ソルトレイクシティライトレール路面電車)。1999年に開通し、2024年現在は3系統での運行を実施しており、ユタ・トランジット・オーソリティー(Utah Transit Authority、UTA)によって運営されている。愛称の「TRAX」は「トランジット・エクスプレス(Transit Express)」の略である[1][3][6][7]

歴史

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1941年5月にソルトレイクシティの路面電車が廃止されて以降、同都市の公共交通機関の主力はガソリンエンジンを用いたバスとなった。しかし、1970年代に入るとアメリカ合衆国の他都市と同様に道路の混雑や排気ガスによる汚染、そして石油危機による燃料高騰が課題となっていた。それらの問題を解決するべく、1980年代以降新たな公共交通機関として軌道交通を導入する計画が立ち上げられ、モノレールや高規格の通勤鉄道といった選択肢の中から最も経済的かつ効果的なものとして、他都市でも導入されていたライトレールを建設する方針が決定した[3][6]

最初に建設されたのはソルトレイクシティのダウンタウン地区と郊外の都市・サンディを結ぶ経路を辿る路線で、1999年12月4日に営業運転を開始した。続けて、2002年に開催された冬季オリンピックへ向けて会場となったライス・エクルズ・スタジアムへ向けた延伸工事が実施され、2001年12月に途中のユタ大学までの路線が開通したものの、安全性の懸念からスタジアムまでの開通はオリンピックの翌年となる2003年となった[3][6]

以降も積極的な延伸が行われ、2011年8月サウスジョーダンおよびウェストバレーシティ方面の区間が開通したのを契機に、それまでの番号表記に加えてを用いた系統名が用いられるようになった。更に2013年4月にはソルトレイクシティ国際空港へ向かう区間が、同年8月にはドレイパー方面の区間が開通し、多数の利用客を記録している[8][9][10][11]

これらにより、2024年時点で次項で述べる通りTRAXは3系統を有する路線網が構築されているが、それに加えてユタ・トランジット・オーソリティーは2034年に開催される冬季オリンピックへ向け、ソルトレイクシティ国際空港とユタ大学を結ぶ新たな区間の開通、4番目となる新規系統「オレンジライン」の導入などの計画を進めている[12][13][14]

系統

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2024年現在、TRAXは以下の3系統による運行を実施している[1]

系統名 系統番号 起点 終点 備考・参考
ブルーライン英語版 701 Salt Lake Central Draper Town Center [15]
レッドライン英語版 703 U. Of U. Medical Center Daybreak Parkway [16]
グリーンライン英語版 704 West Valley Central Airport [17]

車両

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現有車両

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過去の車両

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導入予定の車両

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2024年10月、ユタ・トランジット・オーソリティーは今後の延伸に加え老朽化が進んだSD-100形・SD-160形の置き換えを目的に、スイスシュタッドラー・レールとの間に新型超低床電車の導入に関する契約を結んだ。これはシュタッドラー・レール初の北アメリカ向けライトレール車両であり、契約に伴う製造両数は20両+オプション60両分となっている[2]

関連項目

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脚注

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注釈

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出典

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  1. ^ a b c d e TRAX”. UTA. 2024年11月9日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i Stadler to supply new light rail vehicles for Salt Lake City”. Urban Transport Magazine (2024年10月24日). 2024年11月9日閲覧。
  3. ^ a b c d e f History”. UTA. 2024年11月9日閲覧。
  4. ^ a b c d SD Overhaul”. UTA. 2024年11月9日閲覧。
  5. ^ a b c d e S70 Ultra Short Light Rail Vehicle Salt Lake City, Utah”. Siemens. 2024年11月9日閲覧。
  6. ^ a b c K.Michael Hunter (2002 Spring). “Frome Mule to TRAX”. Pioneer (Sons of Utah Pioneers): 14-20. http://hdl.lib.byu.edu/1877/3258 2024年11月9日閲覧。. 
  7. ^ NEW LIGHT-RAIL LINE TO MAKE TRAX BETWEEN DOWNTOWN S.L., SANDY”. Deseret News (1997年3月3日). 2024年11月9日閲覧。
  8. ^ Lee Davidson (2011年8月2日). “TRAX lines opening a year early, 20% under budget”. The Salt Lake Tribune. 2024年11月9日閲覧。
  9. ^ UTA Announces Grand Opening Festivities For Airport TRAX Line”. UTA (2013年2月27日). 2024年11月9日閲覧。
  10. ^ Jasen Lee (2013年5月19日). “Airport TRAX ridership remains strong weeks after official opening”. Deseret News. 2024年11月9日閲覧。
  11. ^ Draper TRAX Community Celebration”. UTA (2013年8月8日). 2024年11月9日閲覧。
  12. ^ Jordan Miller (2024年4月26日). “Maps: See what new TRAX line from Salt Lake City airport to the U. could look like”. The Salt Lake Tribune. 2024年11月9日閲覧。
  13. ^ Future of Light Rail Study”. UTA. 2024年11月9日閲覧。
  14. ^ Tom Semerad, Jordan Miller (2024年10月17日). “Here’s the clearest picture yet of where new TRAX lines and stations may go in time for the Olympics”. The Salt Lake Tribune. 2024年11月9日閲覧。
  15. ^ TRAX Blue Line”. UTA. 2024年11月9日閲覧。
  16. ^ TRAX Red Line”. UTA. 2024年11月9日閲覧。
  17. ^ TRAX Green Line”. UTA. 2024年11月9日閲覧。
  18. ^ a b Vehicle Lines”. Siemens. 2009年9月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年11月9日閲覧。
  19. ^ SD-160 Light Rail Vehicle Salt Lake City, UT”. Siemens. 2006年1月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年11月9日閲覧。
  20. ^ a b Urban Commuter / Light Rail / Modern Streetcar News!”. The Trollyville Times (May 2019). 2024年11月9日閲覧。
  21. ^ Santa Clara Valley Transportation Authority (2004年1月30日). Comprehensive Annual Financial Report (PDF) (Report). pp. 2–59. 2024年11月9日閲覧
  22. ^ UTA Remembers the 2002 Winter Olympics”. UTA (2017年2月9日). 2024年11月9日閲覧。

外部リンク

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