TRAX (ライトレール)
TRAX | |||
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基本情報 | |||
国 |
アメリカ合衆国 ユタ州 | ||
所在地 | ソルトレイクシティ | ||
種類 | ライトレール(路面電車)[1] | ||
路線網 | 3系統(2024年現在)[1][2] | ||
開業 | 1999年[3][2] | ||
運営者 | ユタ・トランジット・オーソリティー[1][2] | ||
使用車両 | SD-100形、SD-160形、S70形[4][5][2] | ||
路線諸元 | |||
路線距離 | 72.1 km[2] | ||
軌間 | 1,435 mm[5] | ||
電化区間 | 全区間[5] | ||
電化方式 |
直流750 V (架空電車線方式)[5] | ||
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TRAX(トラックス)は、アメリカ合衆国の都市・ソルトレイクシティのライトレール(路面電車)。1999年に開通し、2024年現在は3系統での運行を実施しており、ユタ・トランジット・オーソリティー(Utah Transit Authority、UTA)によって運営されている。愛称の「TRAX」は「トランジット・エクスプレス(Transit Express)」の略である[1][3][6][7]。
歴史
[編集]1941年5月にソルトレイクシティの路面電車が廃止されて以降、同都市の公共交通機関の主力はガソリンエンジンを用いたバスとなった。しかし、1970年代に入るとアメリカ合衆国の他都市と同様に道路の混雑や排気ガスによる汚染、そして石油危機による燃料高騰が課題となっていた。それらの問題を解決するべく、1980年代以降新たな公共交通機関として軌道交通を導入する計画が立ち上げられ、モノレールや高規格の通勤鉄道といった選択肢の中から最も経済的かつ効果的なものとして、他都市でも導入されていたライトレールを建設する方針が決定した[3][6]。
最初に建設されたのはソルトレイクシティのダウンタウン地区と郊外の都市・サンディを結ぶ経路を辿る路線で、1999年12月4日に営業運転を開始した。続けて、2002年に開催された冬季オリンピックへ向けて会場となったライス・エクルズ・スタジアムへ向けた延伸工事が実施され、2001年12月に途中のユタ大学までの路線が開通したものの、安全性の懸念からスタジアムまでの開通はオリンピックの翌年となる2003年となった[3][6]。
以降も積極的な延伸が行われ、2011年8月にサウスジョーダンおよびウェストバレーシティ方面の区間が開通したのを契機に、それまでの番号表記に加えて色を用いた系統名が用いられるようになった。更に2013年4月にはソルトレイクシティ国際空港へ向かう区間が、同年8月にはドレイパー方面の区間が開通し、多数の利用客を記録している[8][9][10][11]。
これらにより、2024年時点で次項で述べる通りTRAXは3系統を有する路線網が構築されているが、それに加えてユタ・トランジット・オーソリティーは2034年に開催される冬季オリンピックへ向け、ソルトレイクシティ国際空港とユタ大学を結ぶ新たな区間の開通、4番目となる新規系統「オレンジライン」の導入などの計画を進めている[12][13][14]。
系統
[編集]2024年現在、TRAXは以下の3系統による運行を実施している[1]。
系統名 | 系統番号 | 起点 | 終点 | 備考・参考 |
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ブルーライン | 701 | Salt Lake Central | Draper Town Center | [15] |
レッドライン | 703 | U. Of U. Medical Center | Daybreak Parkway | [16] |
グリーンライン | 704 | West Valley Central | Airport | [17] |
車両
[編集]現有車両
[編集]- SD-100形 - TRAXの開業に合わせて導入されたシーメンス製の2車体連接車。23両(1001 - 1023)が使用されている[4][18][2]。
- SD-160形 - 延伸に合わせて17両(1024 - 1040)が導入されたシーメンス製の2車体連接車。 主電動機が誘導電動機に変更されている。2010年代後半以降、SD-100形と共に機器や内装の更新・延命工事が進められたが、後述のように置き換えが検討されている[4][18][2][19]。
- S70形 - シーメンスが展開する部分超低床電車。延伸に合わせて77両(1101 - 1177)が導入された[4][5][2]。
過去の車両
[編集]- 都市交通開発公社製電車 - カナダの都市交通開発公社(現:アルストム)製の2車体連接車。2004年にサンタクララ郡でライトレールを運営するサンタクララバレー交通局から29両(1041 - 1069)が譲渡され、2018年まで使用された[20][21]。
- ダラス高速運輸公社100形電車 - ダラスのライトレール(DARTライトレール)用に導入された車両。2002年の冬季オリンピックの多客輸送に備え、一時的な貸し出しが実施された[22]。
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都市交通開発公社製電車(2011年撮影)
導入予定の車両
[編集]2024年10月、ユタ・トランジット・オーソリティーは今後の延伸に加え老朽化が進んだSD-100形・SD-160形の置き換えを目的に、スイスのシュタッドラー・レールとの間に新型超低床電車の導入に関する契約を結んだ。これはシュタッドラー・レール初の北アメリカ向けライトレール車両であり、契約に伴う製造両数は20両+オプション60両分となっている[2]。
関連項目
[編集]- ユタ・トランジット・オーソリティーが運営する軌道交通
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d e “TRAX”. UTA. 2024年11月9日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i “Stadler to supply new light rail vehicles for Salt Lake City”. Urban Transport Magazine (2024年10月24日). 2024年11月9日閲覧。
- ^ a b c d e f “History”. UTA. 2024年11月9日閲覧。
- ^ a b c d “SD Overhaul”. UTA. 2024年11月9日閲覧。
- ^ a b c d e “S70 Ultra Short Light Rail Vehicle Salt Lake City, Utah”. Siemens. 2024年11月9日閲覧。
- ^ a b c K.Michael Hunter (2002 Spring). “Frome Mule to TRAX”. Pioneer (Sons of Utah Pioneers): 14-20 2024年11月9日閲覧。.
- ^ “NEW LIGHT-RAIL LINE TO MAKE TRAX BETWEEN DOWNTOWN S.L., SANDY”. Deseret News (1997年3月3日). 2024年11月9日閲覧。
- ^ Lee Davidson (2011年8月2日). “TRAX lines opening a year early, 20% under budget”. The Salt Lake Tribune. 2024年11月9日閲覧。
- ^ “UTA Announces Grand Opening Festivities For Airport TRAX Line”. UTA (2013年2月27日). 2024年11月9日閲覧。
- ^ Jasen Lee (2013年5月19日). “Airport TRAX ridership remains strong weeks after official opening”. Deseret News. 2024年11月9日閲覧。
- ^ “Draper TRAX Community Celebration”. UTA (2013年8月8日). 2024年11月9日閲覧。
- ^ Jordan Miller (2024年4月26日). “Maps: See what new TRAX line from Salt Lake City airport to the U. could look like”. The Salt Lake Tribune. 2024年11月9日閲覧。
- ^ “Future of Light Rail Study”. UTA. 2024年11月9日閲覧。
- ^ Tom Semerad, Jordan Miller (2024年10月17日). “Here’s the clearest picture yet of where new TRAX lines and stations may go in time for the Olympics”. The Salt Lake Tribune. 2024年11月9日閲覧。
- ^ “TRAX Blue Line”. UTA. 2024年11月9日閲覧。
- ^ “TRAX Red Line”. UTA. 2024年11月9日閲覧。
- ^ “TRAX Green Line”. UTA. 2024年11月9日閲覧。
- ^ a b “Vehicle Lines”. Siemens. 2009年9月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年11月9日閲覧。
- ^ “SD-160 Light Rail Vehicle Salt Lake City, UT”. Siemens. 2006年1月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年11月9日閲覧。
- ^ a b “Urban Commuter / Light Rail / Modern Streetcar News!”. The Trollyville Times (May 2019). 2024年11月9日閲覧。
- ^ Santa Clara Valley Transportation Authority (2004年1月30日). Comprehensive Annual Financial Report (PDF) (Report). pp. 2–59. 2024年11月9日閲覧。
- ^ “UTA Remembers the 2002 Winter Olympics”. UTA (2017年2月9日). 2024年11月9日閲覧。
外部リンク
[編集]- ユタ・トランジット・オーソリティーの公式ページ”. 2024年11月9日閲覧。 “