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カテゴリにおける件名目録的手法の導入について
[編集]まず、カテゴリについておさらいします。主題分野からの検索を可能とするウィキペディアのカテゴリ機能は構造上、分類概念相互の上位・下位の関係に縛られています。この点で、ウィキペディアのカテゴリシステムは、情報資源組織論の主題目録でいう「分類目録」寄りの指向性を有しているといえます。しかし、カテゴリの上位(主要カテゴリなど)から下位へと検索するには、利用者は分類体系を理解していなければなりません。
そこで、利用者の理解を補助し、ウィキペディアのカテゴリの分類体系に通じていなくても利用しやすい仕組みとするには、情報資源組織論でいう件名標目の手法が適しているのではないかと考えました。具体的には、カテゴリの本文に、関連するカテゴリとの相互参照を簡潔に記入することです。この件名目録的手法を導入すれば、カテゴリの上下関係で表されるBT(Broader Term; 上位標目)とNT(Narrower Term; 下位標目)以外に、現在は主に{{Catlink}}が担っているRT(Related Term; 関連標目)を表現できます。
さらに件名標目では、件名標目ではない用語から件名標目への参照として、UF(Use For; 直接参照あり;「を見よ」参照)も用意されています。これをカテゴリに導入するならば、非件名標目のカテゴリにTemplate:Category redirectを貼りつけて件名標目のカテゴリへと案内する用途が想定されます。このテンプレートは、「Template‐ノート:Category redirect#使用不可能にしました」を経て2013年に使用不可とされましたが、そのノートには「誤って多くのカテゴリーが作成されないために」と、このテンプレートの必要性を予見するかのような声も寄せられています。実際、ウィキペディア日本語版のカテゴリ編纂の現場では、LTA:ELLSをはじめとする利用者によるカテゴリの濫造が後を絶たないのは周知の通りです。
現状、濫造されたカテゴリへの対処法は、適切なカテゴリに組み替えた上で削除依頼に付すか、未使用のカテゴリ化するか、しか選択肢がありません。しかし、濫造の規模や内容の精査の煩雑さから、どちらの対処もされずに放置されているカテゴリも少なくありません。未使用のカテゴリ化すれば、後述する方針に抵触するおそれもあります。
この問題に一石を投じる意味も込めて、Template:Category redirectを再び使用可能にすることと、記事がリダイレクトカテゴリに誤って分類された場合に対応するための、英語版に準じたBot運用についても、併せて検討されて然るべきではないかと存じます。
また、その延長として、Template:Infobox catalogの形式を一部改変して使用し、主要なカテゴリ名に対して外部の件名標目表(LCSH、NDLSHなど)に基づく件名標目を参照することにより、カテゴリ同士の関係について、可能な限り独自研究の排除および検証可能性を担保しようとの狙いも兼ねます。
これらの実現のためには、ウィキペディア日本語版の方針であるWikipedia:カテゴリの方針#カテゴリ間のリダイレクトを改定する必要もあり、非常に影響範囲の大きな問題であるため、カテゴリ利用者の皆様から幅広くご意見を伺いたく、まずは井戸端に提起させていただきます。特に、司書資格をお持ちの方や言語情報処理を専攻された方には専門的なご意見をお聞きしたいです。よろしくお願いいたします。--Doraemonplus(会話) 2020年11月21日 (土) 08:59 (UTC)
- (コメント)学校関連の濫造されたカテゴリはリダイレクトをするとしても、カテゴリの対象になる記事数が極端に少ない、カテゴリの名称自体が不適切、カテゴリ対象の記事自体が存在しない場合があり、カテゴリのリダイレクト自体がなじまない場合が多いですので削除依頼に出すしかありません。--hyolee2/H.L.LEE 2020年11月22日 (日) 06:08 (UTC)
- 返信 (hyolee2さん宛) 学校関連の濫造カテゴリというと、比較的最近では、プロジェクト‐ノート:学校/過去ログ9#高校出身人物のカテゴリについて必要なのか?で議論されたようなカテゴリのことでしょうか。そこでG-Sounds氏が述べられた「あまりカテゴリの細分化をしても便利にはならない」「クロスカテゴリを量産すれば、カテゴリばかり増えてカテゴリの構造が煩雑になるだけであろう」との御見解には私も賛同するところでして、事実、指標別分類系のカテゴリ構成が膨れ上がっています。現行の即時削除の方針はカテゴリの即時削除要件に不備があります。「カテゴリ6」は事前の改名の議論(移動先が新規のカテゴリ)の成立が要件となっており、カテゴリでよくある統合の議論(既にあるカテゴリへ統合)は対象外ですし、「リダイレクト1」相当とされる、名称が不適当で移動されたカテゴリの削除についても、即時削除要件がかなり限定的で、確実に即時削除される保証がありません。通常の削除依頼となれば、削除審議は結果が存続となる場合もあり、カテゴリの濫造ペースに対して削除または統合が追いつかず、カテゴリの整理が遅々として進みません。こうした削除依頼では捌き切れないカテゴリの処分方法の選択肢を増やすためにも、カテゴリリダイレクトは有用なのではないかと思います。削除依頼が削除主義的方法であるのに対して、カテゴリリダイレクトは包摂主義的方法になります。--Doraemonplus(会話) 2020年11月23日 (月) 03:53 (UTC)
コメント「件名標目の手法」を用いるとどのような状況になるか想像しにくいのですが、現在すでにあるカテゴリの「本文に、関連するカテゴリとの相互参照を簡潔に記入」しても問題は無いと思います。具体例を挙げていただけけると助かります。◇Template:Category redirectを再び使用可能にすることについては賛成です。コモンズではc:Category:Medical historyのようなカテゴリのリダイレクトが多数使用されており(c:Category:Category redirects参照)、少なくとも私は特に問題を感じていません。◇ 記事がリダイレクトカテゴリに誤って分類された場合に対応するための、英語版に準じたBot運用が可能であれば、jawpでも問題なくカテゴリのリダイレクトが活用できると思います。Template‐ノート:Category redirectではNokib SarkarさんがBOT運用について2020年6月に提案してくださっていたようです。--miya(会話) 2020年11月22日 (日) 12:00 (UTC) 自コメントの、「Template:Category redirect」を参照読み込みしている頁を、もっとわかりやすいc:Category:Category redirectsに置き換えました。--miya(会話) 2020年11月23日 (月) 01:59 (UTC)
- 返信 (miyaさん宛) Nokib Sarkarさんのコメントは見落としていました。ご案内いただき、ありがとうございます。「件名目録的手法」の応用・実践に関しては、『情報資源組織論』(ISBN 978-4-8204-1915-0)のテキストを開いて3日ほどしか経っていない浅学の身では、未だ具体像を提示できるレベルまで達していません。Web NDL Authorities等の外部典拠データを参照するという点では、人物伝記事におけるTemplate:Normdatenに似通っています。カテゴリシステムに関しては、ドイツ語版が最先端を行っており、Wikipedia:PetScanやTemplate:カテゴリグラフ等の革新的なツールが生み出されていたり、拙訳「プロジェクト:カテゴリ関連/資料/ドイツ語版に学ぶカテゴリの基礎」や「プロジェクト:カテゴリ関連/資料/ドイツ語版にみるカテゴリの整理法」等の理論的基盤も形成されています。件名目録的な部分で、私のイメージに近いかなと思ったドイツ語版のカテゴリは、de:Kategorie:Bibliothek(Category:図書館)に見られるde:Vorlage:Kategorienmapping(Template:カテゴリマッピング)の使い方です。ちょうど、Template:Infobox library classificationとTemplate:カテゴリグラフを融合したようなInfoboxになっています。これに、先述したBT、NT、RTなどを典拠データに裏付けられた形で提示できれば、なおカテゴリ間関係の確かさの信頼性が高まると思います。--Doraemonplus(会話) 2020年11月23日 (月) 03:53 (UTC)
- 追記 カテゴリリダイレクトの活用法としては、いみじくもmiyaさんがお示しくださったコモンズの「Category:医学史」→「Category:医学の歴史」の事例のように、形態論的に類似する件名を代表的な標目に統合するのに使えたり、過剰に細分化された「Category:1920年開設の博物館」のようなカテゴリを(適切な合意が成立する限りで)削除する代わりにCategory:1920年代開設の博物館などへリダイレクトさせて吸収・統合するのに使えるかと思います(もっとも、過剰に細分化されたカテゴリはリダイレクト化するよりも削除するのが適当ですが)。一度削除されたカテゴリの改善なき再作成を防ぐ目的でも、前もってカテゴリリダイレクトを設定しておくことができれば、削除依頼に掛かるコスト対効果に勝るとも劣らないのではないかと存じます。編集履歴から過去の状態を振り返れないカテゴリだからこそ、鍵となる対応策であるともいえそうです。--Doraemonplus(会話) 2020年11月23日 (月) 05:25 (UTC)
情報 帝塚山学院大学の渡邊隆弘教授による「情報組織化関連記事一覧」のうち、〈主題索引法〉に関する2000年から2009年の記事一覧と2010年以降の記事一覧を参考文献リストとして皆様と共有しておきたいと思います。そこには、主題索引に関して何かヒントになる知識が埋もれているはずです。--Doraemonplus(会話) 2020年11月24日 (火) 09:50 (UTC)
アンケート調査コーナー
[編集]質問 と、ここでカテゴリの利用者の皆様に問うてみたい質問が3つあります。いずれもカテゴリ検索の使われ方に関する質問です。
- 主要カテゴリなどの上位カテゴリから下りていく使い方、はじめにキーワード検索で任意のカテゴリを見つけてから目的の記事を探す使い方、記事のページ最下段から気になるカテゴリを開いて探す使い方、いずれの使い方をすることが多いですか。
- たとえば、カテゴリ検索から「アメリカ合衆国のノーベル物理学賞受賞者」について知りたいとした場合、あなたならカテゴリ系統から探しますか、それともPetScanを使いますか。カテゴリ系統から探す場合は、どのカテゴリを基点として検索しますか。
- 現在のカテゴリシステムの使い勝手について、不満に思う点や改善の要望がありましたら、ご自由にお書きください。
今後のカテゴリシステムの改善の参考とするため、アンケート調査にご理解とご協力のほど、よろしくお願いいたします。--Doraemonplus(会話) 2020年11月24日 (火) 12:00 (UTC)
回答欄
[編集]- 〈回答1〉
- 〈回答2〉
- 〈回答3〉
- --~~~~
の形式でご記入ください。
- 〈回答1〉「記事のページ最下段から気になるカテゴリを開いて探す使い方」がほとんどです。
- 〈回答2〉 ごめんなさい、「アメリカ合衆国のノーベル物理学賞受賞者」を「カテゴリ検索から」探すことは考えないです。まずノーベル物理学賞を開いてページ内を「アメリカ合衆国」で検索するでしょう。◇いきなり「カテゴリ系統から探す」ことはありません。◇今回、PetScanを使ってみましたが、リスト化や比較には便利ですね。ところで「アメリカ合衆国のノーベル賞受賞者 & アメリカ合衆国の物理学者」(98件)と「ノーベル物理学賞受賞者 & アメリカ合衆国の物理学者」(97件)で、件数が異なったのはなぜなんでしょう??
- 〈回答3〉不満に思う点や改善の要望は今のところ特にありません。強いて言えば、メインページ下部に百のカテゴリを掲載したら、読者も編集者も便利じゃないかと思います(が、これはメインページの改訂で提案すべきことですね)。
返信欄
[編集]返信 (miyaさん宛) 早速ご回答いただき、ありがとうございます。
- 利用者視点では、カテゴリはせいぜい記事の付属品程度と見られてるんでしょうね。分野別索引として使えば、有益なのになあ。しかし、記事とは違い、カテゴリは作りすぎると構造がぐちゃぐちゃになって使いづらくなるのが短所です。Template:カテゴリグラフで視覚化するとよくわかります。自然語の件名を残しつつ、統制語の件名に誘導する目的で、Template:Category redirectを役立てて、カテゴリを整理し、カテゴリグラフを見通しよくするのが、一つの目標であります。最終的には、カテゴリ名の一般規則を策定できたらいいな。
- たしかに、その場合、記事「ノーベル物理学賞」をページ内検索するのが手っ取り早いですね。カテゴリは項目リストを提供するものであり、それ自体は内容を持たないことから、「ウィキペディアの骨組みの意味を持ちます」とされながら、カテゴリの影が薄いのも無理はないかもしれません。骨は影を落とさない。
- PetScanは(私も最近覚えたばかりですが)もっと使い倒されてよいツールだと思います。編集者視点では、クロスカテゴリ作成時の参照用に便利です。入力方法もウィキデータのクエリを書くよりもずっと簡単ですし。ただし、漢字を扱う日本語版に対して使う際には、出力結果が読みがな(ソートキー)の五十音順ではなく、ページ名のUnicode順でしかソートできないのが欠点です。この問題については、開発者にシステムの改良をリクエスト中です。
- PetScanを利用したカテゴリ検索は、不完全形ながら事後結合索引法に相当するとみなせます。事後結合方式の欠点は、出力結果にノイズや漏れが出やすいことです。上述された件数が異なったのも、その影響によるものと考えられます。
- 検索目的「アメリカ合衆国のノーベル物理学賞受賞者」に対して、前者の組み合わせでは、物理学賞以外のノーベル賞(化学賞や医学・生理学賞など)を受賞したアメリカの物理学者がノイズとしてリストに載ってしまいますし、後者の組み合わせでは、カテゴリ上は「物理学者」に分類されていないノーベル物理学賞受賞者(天文学者とされるジェームズ・ピーブルス、工学者とされるジャック・キルビーなど)がリストから漏れてしまいます。このように事後結合索引では検索手順による誤差に注意を払う必要があります。事前結合索引法を疎かにしてはいけない所以でもあります。
- 「百のカテゴリ」は忘れていました。次回のメインページ改訂時に掲載してもらえるよう提案しましょう。カテゴリ利用促進のためにも掲載して、利用者が増えれば、新たな知見が生まれ、フィードバックを受けられることが期待できます。百のカテゴリの選定基準が明確になると、なおよいです。--Doraemonplus(会話) 2020年11月30日 (月) 14:15 (UTC)