Z-9 (航空機)
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(Z-9Cから転送)
Z-9
Z-9(Zhisheng-9, 中:直升-9)は、中国の哈爾浜飛機製造公司(HAMC)が、フランスのユーロコプター(元・アエロスパシアル)AS 365N ドーファンIIをライセンス生産した汎用ヘリコプターである。用途に応じて多くの派生型があり、主に軍用ヘリコプターとして中国人民解放軍にて運用されている。NATOコードネームは「ハイトゥン」(Haitun:海豚、ドーファンと同じくイルカの意)。
バリエーション
[編集]- Z-9
- フランス製AS 365N1 ドーファンIIのライセンス生産型。
- Z-9A
- AS 365N2の改良型。
- Z-9B
- Z-9A-100を元にした汎用型。
- Z-9C
- AS 565 パンサーをライセンス生産し、改良を加えた対潜ヘリコプター。中国人民解放軍海軍航空隊に配備。
- 機首にXバンドのKLC-1水上捜索レーダーを装備しており、これによって捕捉した目標情報を母艦に転送することで、YJ-83 サッケード艦対艦ミサイルのための観測任務を行うことができる。
- また、対潜兵器としてYu-7短魚雷(アメリカ製Mk.46の模倣版)を2発装備できる。
- Z-9D
- 2008年に初めて存在が確認されたZ-9の派生型。
Z-9の型式の一つであるH-425ヘリコプターの機体をベースに制作されている。エンジンはアリエル2Cターボシャフトエンジンを搭載しており、Z-9Cよりも高い性能を有している。
レーダーはXバンドのKLC-3B空中捜索レーダーを搭載しており、排水量3,000t以上の艦船を最大180kmの距離で検出し、排水量50tの小型のボートなどを60km以上の距離から検出する事も可能となっている。
Z-9Dは武装としてスタブウィングのパイロンにYu-7K短魚雷を最大2発やYJ-9空対艦ミサイルを最大4発搭載でき、Z-9D自体の長大な航続距離と合わさり敵のミサイル艇を撃沈または接近を抑止する事を目的としている。[1]
2021年2月にはZ-9Dが2桁の番号を与えられ、同年10月には075型強襲揚陸艦に搭載されていた事が確認されている。[2]
- WZ-9/Z-9W
- 中国初の攻撃ヘリコプター。輸出型はZ-9G。
- Z-19
- WZ-9を元に設計された攻撃ヘリコプター。
- H410A
- WZ8Cのターボシャフトエンジン搭載型。出力635kW。初飛行は2001年9月。
- H425
- H410Aの要人輸送型。
- H450
- 開発を計画中。
仕様 (Z-9B)
[編集]出典: SinoDefence.com[3]
諸元
- 乗員: 2名
- 定員: 武装兵士10名
- ペイロード: 4,493lb (2,038kg)
- 全長: 44ft 11in (13.46m(回転翼含まず) 13.68m(回転翼含む))
- 全高: 11ft 4in (3.47m)
性能
- 最大速度: 170kt (315km/h, 195mph)
- 巡航速度: 150kt (285km/h, 173mph)
- 航続距離: 621mi (1,000km)
- 実用上昇限度: 20,000ft (6,000m)
武装
運用国
[編集]- 中国
- 陸軍 - 海軍 - 空軍 - 中国人民武装警察部隊 - 中国海警局
- カーボベルデ
- 沿岸警備隊 - Z-9B:2機
- パキスタン
- 海軍 - Z-9C:24機
- バングラデシュ
- 海軍 - Z-9C:3機
- ラオス
- Z-9A:6機
- カンボジア
- Z-9B:12機
- ナミビア
- Z-9B:1機
- モーリタニア
- Z-9B:1機
- マリ
- Z-9B:2機
- ガーナ
- Z-9B:4機
- ケニア
- Z-9WA:4機
- カメルーン
- Z-9B:4機
- ザンビア
- Z-9B:7機
- ボリビア
- H-425:6機
登場作品
[編集]ゲーム
[編集]- 『マーセナリーズ』
- 中国軍の輸送攻撃ヘリコプターとしてロケット弾ポッドを搭載したWZ-9が登場する。
- 『Modern Warships』
- プレイヤーが操作可能な艦載機として「WZ-9 ハルビン」の名で登場する。
脚注
[編集]- ^ “China-Arms「Z-9D helicopter fires YJ-9 ultra-low-altitude anti-ship missile」”. 2024年4月21日閲覧。
- ^ “Chinese Military Aviation「Z-9D/DF Dauphin」”. 2024年4月21日閲覧。
- ^ “Z-9 Specifications”. SinoDefence.com. (2007年1月6日) 2008年3月26日閲覧。