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YJ-83 (ミサイル)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
YJ-83
YJ-83J型
種類 対艦ミサイル
製造国 中華人民共和国の旗 中国
性能諸元
ミサイル直径 36cm
ミサイル全長 6.383m
ミサイル翼幅 1.220m
ミサイル重量 800kg
弾頭 190kg 遅延信管半徹甲弾
射程 SSM:120 km (65 nmi)
ASM:130 km (70 nmi)以上
※YJ-83A
SSM:180 km (97 nmi)
ASM:250 km (130 nmi)
推進方式 固体燃料ロケットブースター+
ターボジェット・サステナー
誘導方式 中間:INS
終末:ARH
飛翔速度 マッハ0.9
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C-802

YJ-83中国語: 鷹撃-83, 拼音: Ying-Ji-83)は、中国で開発された対艦ミサイル。輸出名はC-802であり、また、西側諸国においては、アメリカ国防総省(DoD)識別番号としてはCSS-N-8NATOコードネームとしては「サッケード」(: Saccade)とされている[1]

概要

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中国航天科工集団公司(CASIC)傘下の中国海鷹電気技術学院(CHETA; 第三航空宇宙学院)では、1970年代より、フランスエグゾセ MM38をモデルにした国産対艦ミサイルとしてYJ-8の開発に着手した[2][3]。これは、動力として固体燃料ロケットを採用したもので、空対艦ミサイル型のYJ-81、潜水艦発射型のYJ-82が派生したほか、のちに翼を折りたためるようにした艦載型改良版のYJ-8Aも開発・配備された[1]

エグゾセは、加速力を重視して固体燃料ロケットを採用したMM38をもとにして、動力をターボジェットエンジンに変更して射程延伸をはかったMM40に発展した[4]。YJ-83も同様に、YJ-8Aをもとにしてサステナーをパラフィン系の燃料を用いたターボジェットエンジンとすることで長射程化したものである。また、ブースターの固体燃料ロケットも改良された。YJ-8Aと比べると、弾体重量は100kg軽量化されたが、弾頭重量は165kgが維持されている。本ミサイルは、中間航程では高度20-30メートルを巡航し、終末航程では攻撃高度5-7メートルを飛翔するシースキマーであり、飛翔速度はマッハ0.9とされている[1]。なお、終末航程ではマッハ1.5-2の超音速を発揮するという説もあるが、一方で、エアインテークの形状は超音速を想定した設計ではないと指摘されている[5]

飛翔試験は1990年に行われ、1994年より中国人民解放軍海軍への配備が開始された。1999年10月の第60回国慶節の軍事パレードにおいて初めて公開されたが、この際は、従来のYJ-8シリーズと同様の四角柱型キャニスターが公開されたのみで、内部に収められているとされるミサイルの外観は不明であった[5]。その後、駆逐艦フリゲートにおいて、主力対艦ミサイルとして搭載されるようになっている[3]

イランでは、C-802をリバース・エンジニアリングしたノールペルシャ語:نور)を生産して配備した。一部はシリアに輸出されている。

派生型

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YJ-83

射程120km。初期の地上発射型。

YJ-83A/YJ-83J

射程が向上したモデル。地上発射で180km。空中発射で250km。

YJ-83K

射程180kmの空中発射モデル。 

YJ-83KH

赤外線画像シーカーを備え、射程が230kmの空中発射モデル

C-802

YJ-83の元となったモデル。

C-802A

地上発射型YJ-83の輸出モデル。

C-802K

空中発射型YJ-83の輸出モデル。

搭載艦艇

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 中国人民解放軍海軍

 インドネシア海軍

 イラン海軍

 ミャンマー海軍

 シリア海軍

  • ティル級ミサイル艇(ノール)

脚注

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  1. ^ a b c Dennis M. Gormley, Andrew S. Erickson, and Jingdong Yuan (2014) (PDF). A Low-Visibility Force Multiplier: Assessing China’s Cruise Missile Ambitions. National Defense University Press. http://ndupress.ndu.edu/Portals/68/Documents/Books/force-multiplier.pdf 
  2. ^ 野木恵一「新型艦艇の搭載兵器 (特集・中国海軍の新型艦艇)」『世界の艦船』第686号、海人社、2008年2月、104-109頁、NAID 40015771008 
  3. ^ a b 多田智彦「ウエポン・システム (特集・中国海軍)」『世界の艦船』第774号、海人社、2013年3月、90-95頁、NAID 40019570973 
  4. ^ Norman Friedman (1997). The Naval Institute guide to world naval weapon systems 1997-1998. Naval Institute Press. ISBN 9781557502681. https://books.google.co.jp/books?id=l-DzknmTgDUC 
  5. ^ a b CHRISTOPHER P. CARLSON (2013年2月8日). “China’s Eagle Strike-Eight Anti-Ship Cruise Missiles: The YJ-83, C803, and the Family Tree” (英語). 2013年12月9日閲覧。