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神戸電鉄三田線

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
神戸電鉄 三田線
シンボルマーク
神鉄道場 - 横山間
神鉄道場 - 横山間
基本情報
日本の旗 日本
所在地 兵庫県神戸市北区三田市
起点 有馬口駅
終点 三田駅
駅数 10駅
路線記号 KB
開業 1928年12月18日
所有者 神戸電鉄
運営者 神戸電鉄
車両基地 鈴蘭台車両基地道場南口車両留置施設
使用車両 神戸電鉄#車両を参照
路線諸元
路線距離 12.0 km
軌間 1,067 mm狭軌
線路数 複線(岡場 - 田尾寺間、横山 - 三田間)
単線(上記以外の区間)
電化方式 直流1,500 V 架空電車線方式
最大勾配 33.3 
最小曲線半径 200 m
保安装置 神鉄型ATS
最高速度 80 km/h[1]
路線図
テンプレートを表示
停車場・施設・接続路線
KHSTa
KB01 新開地駅
LSTR
神戸高速線
HST
KB02 湊川駅
LSTR
有馬線
BHF
0.0 KB15 有馬口駅
ABZgr
有馬線
SKRZ-Au
阪神高速7号北神戸線
BHF
1.4 KB21 五社駅
TUNNEL1
五社トンネル
hKRZWae
有野川
BHF
3.3 KB22 岡場駅
BHF
4.9 KB23 田尾寺駅
SKRZ-Au
中国自動車道
BHF
6.4 KB24 二郎駅
SKRZ-Au
新名神高速道路
exCONTg ABZg+l KDSTeq
道場南口車両留置施設(第三車庫)
exSTR2 exSTRc3 BHF
7.3 KB25 道場南口駅
exSTRc1 exHST+4 STR
鉄道省有馬線 新道場駅
exSTR BHF
8.5 KB26 神鉄道場駅
exSTRc2 exSTR3 STR KHSTa
KB33 ウッディタウン中央駅
exSTR+1 exSTRc4 STR LSTR
公園都市線
exSTR ABZg+l STRr
exSTR BHF
10.0 KB27 横山駅
exSTR BHF
11.0 KB28 三田本町駅
exSTR hKRZWae
武庫川
exSTR2 exSTRc3 STRl
12.0 KB29 三田駅
eABZq+4 STRq
JR西G 福知山線(JR宝塚線)

三田線(さんだせん)は、兵庫県神戸市北区有馬口駅から兵庫県三田市三田駅までを結ぶ神戸電鉄鉄道路線駅ナンバリングで使われる路線記号はKB

有馬口駅で有馬線と、三田駅で福知山線(JR宝塚線)と接続し、三田地区と神戸市内を結んでいる。有馬口方面へ向かう多くの列車が同駅より有馬線へ直通する運転体系が取られていることから、同線と一まとめにして「有馬・三田線」と案内されることもある。

路線データ

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  • 路線距離(営業キロ):12.0 km[2]
  • 軌間:1,067 mm[2]
  • 駅数:10駅(起終点駅含む)[2]
  • 複線区間:岡場駅 - 田尾寺駅間、横山駅 - 三田駅間
  • 電化区間:全線電化(直流1,500 V)
  • 閉塞方式:自動閉塞式
  • 最高速度:80 km/h[1]
  • IC乗車カード対応区間:

沿線は神戸三田国際公園都市など宅地開発が進んだため大阪・神戸双方への通勤・通学路線となっており、コロナ禍以前は利用客数が増加傾向にあったことなどから、輸送力増強のため全線複線化を望む声もあるが、1983年(昭和58年)の複線化工事認可以来、1991年(平成3年)に横山駅 - 三田駅間、1998年(平成10年)に岡場駅 - 田尾寺駅間が完成したのみで、その他の区間については沿線開発による地価高騰から複線化用地の買収が進まず、また、神戸電鉄の経営状態から総事業費400億円(1997年時点)と見込まれる費用の捻出が難しいことから、ほとんど進捗していない。

1995年阪神・淡路大震災では、大阪と被災地を結ぶ連絡ルートとして利用された。

運行形態

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運行形態は有馬線と一体となっており、有馬線新開地方面から三田駅への直通列車に加え、横山駅 - 三田駅間には公園都市線の列車が乗り入れる。普通、準急、急行、特快速が運転されているが、このうち三田線内で通過駅があるのは特快速のみである(各列車種別の詳細については、「神戸電鉄有馬線#列車種別」を参照)。終日、概ね全線を通して15分間隔で運転される。これに公園都市線から三田駅まで乗り入れる列車が15分間隔で運転される。

三田駅 - 横山駅間は公園都市線直通列車が加わるために、神戸電鉄において、有馬線の新開地駅 - 鈴蘭台駅間と並ぶ高頻度運転区間となっており、大阪方面からの福知山線(JR宝塚線)利用客の接続を図って、深夜の1時頃まで運転されている。

1984年10月に、有馬線谷上駅折り返しの半数を岡場駅折り返しに延長した。1988年4月2日のダイヤ改正で、特急が設定されるとともに、道場南口駅 - 三田駅間の入線有効長が3両分しかないため、原則として新開地駅 - 道場南口駅間と道場南口駅 - 三田駅間に系統を分けて運行されていたが、北摂地区の開発進捗と軌道設備改善、そして前述の公園都市線開業準備に伴う横山駅 - 三田駅間の複線化により1991年3月24日から全線で4両編成の運転が可能となった。この時にそれまで有馬温泉駅発着だった列車を岡場駅発着にして、五社駅・岡場駅の停車本数を1時間4本に増やし、同年10月の公園都市線開業に合わせて三田駅発着に統一(横山駅 - 三田駅間は1時間8本、特急通過駅では所々で停車間隔が広がる部分があった)された。震災後の1995年11月26日に、特急を快速に変更して、特急通過駅の停車本数を増やし、1998年3月22日に、特急を全廃、全駅で1時間4本にした。

運行本数

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2022年3月12日以降の日中1時間あたりの運行本数は以下のとおりである。

日中の運行パターン
駅名

種別
新開地 湊川 鈴蘭台 有馬口 横山 三田
運行本数 準急 2本(下りのみ)→
←2本(上りのみ) 粟生線
普通 ←4本(上り)
2本(下り)→
2本(下りのみ)→ 粟生線→
公園都市線 4本

歴史

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  • 1927年昭和2年)6月2日:鉄道免許状下付(有馬郡有馬町-同郡三輪村間)[3]
  • 1928年(昭和3年)12月18日:唐櫃駅(現在の有馬口駅) - 三田駅間が開業[4]
  • 1929年(昭和4年)10月10日:三田本町駅開業[5][6]
  • 1951年(昭和26年)3月20日:唐櫃駅を有馬温泉口駅に改称[7]
  • 1952年(昭和27年)10月1日:横山駅を電鉄横山駅に改称[8]
  • 1954年(昭和29年)9月1日:有馬温泉口駅を有馬口駅に改称[7]
  • 1979年(昭和54年)4月1日:二郎駅の読み方を「にろ」から「にろう」に変更[9]
  • 1981年(昭和56年)3月20日:岡場変電所移設。
  • 1984年(昭和59年)3月30日:三田線複線化第一期工事(有馬口・田尾寺間)のうち第1工区(岡場・田尾寺間)工事起工[10]
  • 1985年(昭和60年)11月16日:岡場駅が200 m三田寄りへ移転[11]
  • 1987年(昭和62年)12月23日:三田線複線化第二期工事(三田・横山間)工事起工。
  • 1988年(昭和63年)
    • 4月1日:電鉄横山駅を横山駅に改称[7]
    • 4月2日:全線の最高速度が60 km/hから70 km/hへ引き上げ[12]
  • 1990年平成2年)
  • 1991年(平成3年)
  • 1995年(平成7年)11月26日:ダイヤ改正により「特快速」が新設される[14]
  • 1998年(平成10年)
    • 3月20日:岡場駅 - 田尾寺駅間複線化[12]。田尾寺駅橋上駅舎化。
    • 3月22日:有馬口駅 - 岡場駅間の最高速度が80 km/hに引き上げ[12]
  • 2001年(平成13年)
    • 3月31日:道場南口駅南に道場南口車両留置施設(第三車庫)完成。
    • 6月:岡場駅 - 三田駅間の最高速度が80 km/hに引き上げ[12]
  • 2011年(平成23年)3月1日:駅構内の喫煙コーナーを廃止し、駅構内を全面禁煙化。

駅一覧

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  • 駅番号は2014年4月1日に導入[15]
  • 全駅兵庫県内に所在。
  • ●:停車、|↑:通過、↑片方向のみ運転。
  • 普通、準急、急行は全駅に停車(表中省略)。
  • 線路 … ∥:複線区間、◇・|:単線区間(◇は列車交換可能)、∨:ここより下は単線、∧:ここより下は複線
駅番号 駅名 駅間キロ 営業キロ 特快速 接続路線 線路 所在地
KB15 有馬口駅 - 0.0 神戸電鉄KB 有馬線新開地方面直通運転) 神戸市
北区
KB21 五社駅 1.4 1.4  
KB22 岡場駅 1.9 3.3  
KB23 田尾寺駅 1.6 4.9  
KB24 二郎駅 1.5 6.4  
KB25 道場南口駅 0.9 7.3  
KB26 神鉄道場駅 1.2 8.5  
KB27 横山駅 1.5 10.0 神戸電鉄KB 公園都市線(普通列車が三田方面と直通) 三田市
KB28 三田本町駅 1.0 11.0  
KB29 三田駅 1.0 12.0 西日本旅客鉄道G 福知山線(JR宝塚線: JR-G61)

複線化計画

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沿線開発にともなう輸送力増強計画の一環として「三田線複線化工事」が1984年(昭和59年)より開始されている。これは有馬口駅 - 三田駅間12.0 kmを3期にわけて複線化するというものである。

複線化計画実施概要

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第1期工区
第2期工区
第3期工区
  • 区間:田尾寺駅 - 横山駅(5.0 km)
  • 着工:1999年(平成11年)4月
  • 現況:2001年(平成13年)6月神鉄道場駅 - 横山駅間複線化工事による環境への影響調査の縦覧が行われている

今後の見通し

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三田線複線化工事については近年事実上中断している状況が続いており、神戸電鉄公式ホームページでも「今後の複線化につきましては、お客さまのご利用動向および当社の経営状況を勘案して検討してまいります。」との文面が掲載されている。

しかし有価証券報告書によると2022年(令和4年)現在でもなお三田線複線化工事は計画されており、全線複線化には367億3,300万円が必要であることや、すでに107億100万円を投じていることが記載されている。また2022年(令和4年)現在、今後の所要額である260億2,400万円は、地方自治体無利息助成金90億4,600万円と、自己資金借入金169億7,800万円によってまかなう計画であると公表されている。これは三田線の沿線開発が現在でも進捗し、コロナ禍以前までは利用者数が増加していたことなどが理由と考えられる。

脚注

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  1. ^ a b 寺田裕一『データブック日本の私鉄 : 全国私鉄165社局掲載』(改訂新版)ネコ・パブリッシング、2013年。ISBN 9784777013364全国書誌番号:22207422 
  2. ^ a b c 曽根 2011, p. 3.
  3. ^ 「鉄道免許状下付」『官報』1927年6月6日国立国会図書館デジタルコレクション)
  4. ^ 「地方鉄道運輸開始」『官報』1928年12月26日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  5. ^ 神戸新聞総合出版センター 2012, p. 178.
  6. ^ 曽根 2011, p. 11.
  7. ^ a b c d 神戸新聞総合出版センター 2012, p. 169.
  8. ^ 神戸新聞総合出版センター 2012, p. 177.
  9. ^ 神戸新聞総合出版センター 2012, p. 174.
  10. ^ 「複線化に着工 神戸電鉄三田線 まず岡場-田尾寺間」『交通新聞』交通協力会、1984年3月27日、1面。
  11. ^ 神戸新聞総合出版センター 2012, p. 172.
  12. ^ a b c d e 曽根 2011, p. 13.
  13. ^ 会社案内/年譜 1989~1998”. 神戸電鉄. 2023年2月7日閲覧。 “ 1990.10.20  駅名一部変更(道場川原→神鉄道場)”
  14. ^ 「神戸電鉄ダイヤ改正 26日 朝ラッシュ時に「特快速」運転」『交通新聞』交通新聞社、1995年11月16日、1面。
  15. ^ 〜すべてのお客さまに、より分かりやすいご案内を〜 全駅に駅ナンバリングを導入します』(PDF)(プレスリリース)神戸電鉄、2014年3月3日。オリジナルの2014年3月3日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20140303164354/http://www.shintetsu.co.jp/release/2013/140303.pdf 

参考文献

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関連項目

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