インド国際映画祭
インド国際映画祭 International Film Festival of India | |
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第46回インド国際映画祭の展示会を視察する情報放送大臣スニール・アローラ(左から3人目) | |
イベントの種類 | 映画祭 |
通称・略称 | IFFI |
開催時期 | 11月-12月 |
初回開催 | 1952年 |
会場 | インド ゴア州 |
主催 |
映画祭事務局 ゴア州政府 |
インド国際映画祭(インドこくさいえいがさい、International Film Festival of India、略称:IFFI)は、1952年から開催しているインドの映画祭[1][2]。アジアで最も重要な映画祭の一つとされている。ゴア州の西海岸で毎年開催され、世界各国の映画の芸術性・卓越性を公開するためのプラットフォームの役割を果たすことを目的としており、各国の映画文化をその国の社会的・文化的な流れを理解し、評価することに貢献している。映画祭は映画祭事務局とゴア州政府が共同で主催している。
歴史
第1回IFFIは映画局が主催してムンバイで開催され[2]、インド初代首相ジャワハルラール・ネルーが後援している[3]。映画祭は1952年1月24日から2月1日まで開催され、その後はマドラス、デリー、コルカタ、ティルヴァナンタプラムでも開催されるようになった[4]。第1回IFFIではコンペティション部門はなく、アメリカ合衆国など23か国の長編映画40本と短編映画100本が出品された。インド映画からは『放浪者』『Pathala Bhairavi』『Amar Bhoopali』『Babla』が出品され、海外の映画では『自転車泥棒』『ミラノの奇蹟』『無防備都市』『雪割草』『The Dancing Fleese』『The River』『ベルリン陥落』などが出品された。
IFFIはインド映画産業が第二次世界大戦後に膨大な海外映画に触れる最初の機会となった。1965年の第3回インド国際映画祭で初めてコンペティション部門が設立され、1975年に非コンペティション部門「Filmotsav」部門が設立され、コルカタで開催された。後に「Filmotsav」部門はIFFIに統合された[5]。第3回IFFIではサタジット・レイが映画祭委員長を務め、国際映画製作者連盟から「A」カテゴリに分類された。これにより、IFFIはカンヌ国際映画祭などと同格のコンペティティブ長編映画祭に位置付けられるようになった[6]。
2004年以降からは開催地がゴア州に固定され、毎年11月・12月に開催されるようになった[7][8]。
日本映画では『あにいもうと』『鉄道員』『リング・ワンダリング』が金孔雀賞を受賞している[9]。
映画賞
金孔雀賞
最優秀作品賞(長編映画部門)
最優秀作品賞(短編映画部門)
映画祭 | 作品名 | 製作国 |
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第3回 | Cyclone | キューバ |
第4回 | Taking off at 1800 Hours | キューバ |
第5回 | Automatic | チェコスロバキア |
第6回 | After the Silence | インド |
第7回 | An Encounter with Faces Olympic Games |
インド ポーランド |
第8回 | A Period of Transition | デンマーク |
第9回 | Not Awarded | Not Awarded |
第10回 | Narcissus | カナダ |
第11回 | Not Awarded | Not Awarded |
銀孔雀賞
インディアン・フィルム・パーソナリティ・オブ・ザ・イヤー
2013年のインド映画100周年を記念して「100周年記念賞」と「インディアン・フィルム・パーソナリティ・オブ・ザ・イヤー」が創設された。後者の賞は毎年選出され、映画製作を通してインド映画界に顕著な貢献を果たした人物に贈られる。受賞者には銀雀メダル、証書、賞金100万ルピーが副賞として贈られる[10][11]。
映画祭 | 画像 | 受賞者 | 職業 |
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第44回 | ワヒーダ・レフマン | 女優 | |
第45回 | ラジニカーント | 俳優 | |
第46回 | イライヤラージャ | 作曲家 | |
第47回 | S・P・バーラスブラマニアム | プレイバックシンガー、作曲家 | |
第48回 | アミターブ・バッチャン | 俳優 | |
第49回 | サリーム・カーン | 脚本家 | |
第51回 | ビスワジート・チャテルジー | 俳優 | |
第52回 | ヘマ・マリニ | フィルム・パーソナリティ | |
プラスーン・ジョーシー | 作詞家 |
サタジット・レイ生涯功労賞
2021年開催の第52回インド国際映画祭において、サタジット・レイ生誕100周年を記念して、映画祭事務局が新たに「生涯功労賞」の名称を「サタジット・レイ生涯功労賞」に変更した[12]。
映画祭 | 画像 | 受賞者 | 国籍 | 職業 |
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第52回 | マーティン・スコセッシ | アメリカ人 | 映画監督、映画プロデューサー、脚本家、俳優 | |
サボー・イシュトヴァーン | ハンガリー人 | 映画監督 |
出典
- ^ M. Mohan Mathews (2001). India, Facts & Figures. Sterling Publishers Pvt. Ltd. pp. 134–. ISBN 978-81-207-2285-9 31 October 2012閲覧。
- ^ a b Gulzar; Govind Nihalani; Saibal Chatterjee (2003). Encyclopaedia of Hindi Cinema. Popular Prakashan. pp. 98–. ISBN 978-81-7991-066-5 31 October 2012閲覧。
- ^ Jawaharlal Nehru (1972). Selected works of Jawaharlal Nehru. Orient Longman. p. 311. ISBN 978-0-19-563745-8 31 October 2012閲覧。
- ^ Saverio Giovacchini; Robert Sklar (1 December 2011). Global Neorealism: The Transnational History of a Film Style. Univ. Press of Mississippi. pp. 179–. ISBN 978-1-61703-122-9 31 October 2012閲覧。
- ^ “International Film Festival Of India 2017 | Goa Film festival | IFFI Awards | Onmanorama”. OnManorama 2017年11月18日閲覧。
- ^ “One of Asia’s First Film Festivals – IFFI over the years.” (3 October 2017). 2019年12月28日閲覧。
- ^ “rediff.com, Movies: 32nd International Film Festival of India cancelled”. www.rediff.com. 2019年12月30日閲覧。
- ^ “New MoU needed for Goa as permanent venue – Times of India”. 2019年12月30日閲覧。
- ^ “笠松将×阿部純子「リング・ワンダリング」インド国際映画祭で最高賞! 本ビジュアル&予告編完成”. 映画.com (2021年11月30日). 2021年11月30日閲覧。
- ^ “Who will be the Indian Film Personality of the Year at IFFI 2017?” (8 November 2017). 2019年12月28日閲覧。
- ^ “Waheeda receives Indian Film Personality of the Year award at IFFI”. 2019年12月28日閲覧。
- ^ Shayeree Ghosh (19 November 2021). “Three Satyajit Ray classics that still inspire Martin Scorsese” 20 November 2021閲覧。
外部リンク