アルウェン
アルウェン・ウンドーミエル(Arwen Undómiel、 第三紀241年 - 第四紀121年)は、J・R・R・トールキンの中つ国を舞台とした小説、『指輪物語』の登場人物。
寿命を持たないエルフでありながら、人間であるアラゴルンと運命を共にすることを選び、指輪戦争のあとは、再統一されたアルノールとゴンドールの王妃となった。
父は裂け谷の領主エルロンド、母は森の奥方ガラドリエルの娘ケレブリーアン。兄にエルラダンとエルロヒア。夫は再統一された王国の王アラゴルン。息子にエルダリオン、名前不明の娘たちが数人いる。
アルウェンはクウェンヤで「高貴な乙女」を意味する。別名のウンドーミエルは、「夕星、宵の明星」を意味する。第一紀のエルフの乙女、ルーシエンに良く似ていたため、「ルーシエンの再来」と言われる。なお、ルーシエンは父方の高祖母に当たる(半エルフの系図参照)。
エルフの夕星 アルウェン
[編集]テレリの上級王エルウェとマイアのメリアンから生まれた「エルフの明けの明星」ルーシエンが、中つ国に大きな喜びと悲しみをもたらしたのと同じように、その再来と言われた「宵の明星」アルウェンも、中つ国に喜びと悲しみをもたらした。アルウェンの恋人アラゴルンは冥王の最大の敵として中つ国を救ったが、その結果アルウェンはエルフの不死の運命を捨て、人間としての死を迎えることとなった。かの女の父エルロンドが中つ国を去ったとき、かの女の運命はさだまった。
王妃アルウェン
[編集]指輪戦争のあと、アルウェンはアルノールとゴンドールの王アラゴルンの妃となった。ここに二人の半エルフの兄弟、エルロンドとエルロスの血統は再び混ざり合った。すべてのエルフが中つ国を去ったあとも、かれらを通してアイヌアとヴァンヤール、ノルドール、テレリの王家の血脈が、人間の中に残された。
アルウェンの死
[編集]アラゴルンは自らの老いと、息子エルダリオンの成長を感じとると、この世を去ることに決めた。アルウェンは王を引きとめようとしたが、王の決意は固く、身を横たえると王は死んだ。アルウェンはひどく悲しんだ。彼女はこの時まで人間の死がどのようなものであるか、真に理解していなかったからである。 アルウェンの喜びは去り、かの女もまたこの世を去ることを決めた。彼女はかつてふたりが婚約したケリン・アムロスの丘に身を横たえて、この世を去った。