β-クリプトキサンチン
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β-クリプトキサンチン[1] | |
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(R)-3,5,5-トリメチル-4-[3,7,12,16-テトラメチル-18-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-1-エニル)-オクタデカ-1,3,5,7,9,11,13,15,17-ノナエニル]-シクロヘキサ-3-エノール | |
別称 (3R)-β,β-カロテン-3-オール クリプトキサントール Caricaxanthin (R)-all-trans-β-カロテン-3-オール ヒドロキシ-β-カロテン | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 472-70-8 |
PubChem | 5281235 |
ChemSpider | 4444647 |
E番号 | E161c (着色料) |
KEGG | C08591 |
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特性 | |
化学式 | C40H56O |
モル質量 | 552.85 g/mol |
外観 | 金属光沢のある赤色固体結晶[2] |
融点 |
169 °C |
水への溶解度 | 0.000503 mg/mL[2] |
関連する物質 | |
関連物質 | α-クリプトキサンチン (C15981) |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
β-クリプトキサンチン(β-cryptoxanthin)は、天然に存在するカロテノイド色素の一つ。
存在
[編集]タンジェリンや柿、オレンジに多く含まれる[3]。ホオズキやオレンジの皮、パパイヤ、卵黄、バター、リンゴ、ウシの血清など多様なところから単離される[1]。
化学的性質
[編集]分子構造はβ-カロテンに似ており、その片方の環にヒドロキシ基が一つ置換している。炭素と水素以外の元素を含むためカロテノイドのうち、キサントフィルに属する。
純粋なクリプトキサンチンは金属光沢を有する赤色の結晶である。クロロホルムやベンゼン、ピリジン、二硫化炭素に易溶[1]。
生物学的機能
[編集]ヒトでは、β-クリプトキサンチンはビタミンA(レチノール)に変換されるためプロビタミンAと見なされている。他のカロテノイドと同様に、β-クリプトキサンチンは抗酸化物質としてフリーラジカルによる酸化的損傷から細胞およびDNAを保護していると考えられている[4]。
関連研究
[編集]以下の領域などで研究がなされている。
肺癌リスクでは、β-クリプトキサンチンのみがリスクを低下させると報告されており、その他のカロテノイド類は逆に肺がんリスクを高めると報告されている。[9]
糖尿病リスクについても同様[6]。
栄養
[編集]名称 | 含有量 (μg/100g) |
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パプリカ(粉) | 2100 |
温州みかん(普通、生) | 1600-1700 |
温州みかん(濃縮還元ジュース) | 1100 |
ぽんかん(生) | 1000 |
あまのり(焼き海苔) | 980 |
パパイア(生) | 820 |
柿(甘柿、生) | 500 |
いよかん(生) | 270 |
とうもろこし(ポップコーン) | 170 |
オレンジ(バレンシア、米国産) | 130 |
なつみかん(生) | 130 |
カボチャ(茹で) | 90 |
とうもろこし(コーンフレーク) | 80 |
名称 | 含有量 (μg/100g) |
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パプリカ(スパイス) | 6186 |
柿(日本種、生) | 1447 |
カボチャ(茹で) | 1119 |
パパイヤ(生) | 589 |
マンダリンオレンジ(生) | 407 |
コリアンダー(葉、生) | 202 |
ニンジン(下茹で済、冷凍) | 199 |
オレンジ(生) | 116 |
とうもろこし(黄色種、生) | 115 |
参考文献
[編集]- “Absorption, metabolism, and functions of β-cryptoxanthin”. Nutrition Reviews 74 (2). (2016). doi:10.1093/nutrit/nuv064 .
出典
[編集]- ^ a b c Merck Index, 11th Edition, 2612.
- ^ a b “beta-Cryptoxanthin (HMDB0033844)” (html). Human Metabolome Database (HMDB). 2017年9月9日閲覧。
- ^ “Beta-cryptoxanthin as a source of vitamin A.”. Journal of the Science of Food and Agriculture 95 (9). (2015). doi:10.1002/jsfa.6942. PMID 25270992.
- ^ Lorenzo, Y.; Azqueta, A.; Luna, L.; Bonilla, F.; Dominguez, G.; Collins, A. R. (2008). “The carotenoid -cryptoxanthin stimulates the repair of DNA oxidation damage in addition to acting as an antioxidant in human cells”. Carcinogenesis 30: 308. doi:10.1093/carcin/bgn270.
- ^ 大島誠、杉浦実、上田佳代、“β-クリプトキサンチン高含有ウンシュウミカン果汁の摂取が肝機能および脂質代謝に及ぼす影響”. 日本食品科学工学会誌 57 (3). (2010). doi:10.3136/nskkk.57.114 .
- ^ a b “Dietary antioxidant intake and risk of type 2 diabetes.”. Diabetes Care (American Diabetes Association) 27 (2). (2004). doi:10.2337/diacare.27.2.362. PMID 14747214.
- ^ 津島己幸、真岡孝至、勝山政明 ほか、“Role of carotenoid β-cryptoxanthin in bone homeostasis”. Journal of biomedical science. (2012). doi:10.1186/1423-0127-19-36. PMID 22471523.
- ^ “Inhibitory Effect of Natural Carotenoids on Epstein-Barr Virus Activation Activity of a Tumor Promoter in Raji Cells. A Screening Study for Anti-tumor Promoters”. Biological and Pharmaceutical Bulletin 18 (2). (1995). doi:10.1248/bpb.18.227 .
- ^ “β-クリプトキサンチンと生活習慣病リスクとの関連:疫学研究からの知見”. オレオサイエンス 12 (10): p.37. (2012). doi:10.5650/oleoscience.12.515.
- ^ “β-クリプトキサンチン含有量ランキング”. 食品成分データベース. 文部科学省. 2017年9月9日閲覧。
- ^ “Nutrients: Cryptoxanthin, beta(µg) Ordered by: Nutrient Content”. USDA. 2017年9月9日閲覧。
関連項目
[編集]- ゼイノキサンチン(α-クリプトキサンチン)