コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

その名はバレット

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『その名はバレット』
シド・バレットスタジオ・アルバム
リリース
録音 1970年2月26日 - 7月17日 EMIレコーディング・スタジオ
ジャンル サイケデリック・フォークブルースロック
時間
レーベル ハーヴェスト/EMI
プロデュース デヴィッド・ギルモアリチャード・ライト
専門評論家によるレビュー
シド・バレット アルバム 年表
帽子が笑う…不気味に
(1970年)
その名はバレット
(1970年)
何人をも近づけぬ男
(1974年)
テンプレートを表示

その名はバレット』(原題:Barrett)は、シド・バレット1970年に発表した2作目のソロ・アルバム。

解説

[編集]

1970年2月24日、シドはBBCの番組『The John Peel Show』のために5曲を録音し[1]3月14日にオン・エアされるが、その中には本作収録曲「ジゴロおばさん」「ベイビー・レモネード」「興奮した象」も含まれていた。この時の録音は、1987年に『The Peel Sessions』というタイトルでCD化される。そして、2月26日に本格的なレコーディングを開始。プロデュースは、ピンク・フロイドデヴィッド・ギルモアが中心となり、前作『帽子が笑う…不気味に』に参加したロジャー・ウォーターズは「もう誰もシドをプロデュースできない」と発言して、本作には関与しなかった[2]

レコーディングの途中の6月6日には、シドはデヴィッド・ギルモアとジェリー・シャーリーを従えて、ピンク・フロイド脱退後としては初めて公衆の前でライヴを行うが、4曲だけでステージを降りた[2]

ジャケット・デザインはヒプノシスが担当し、イギリス盤の初回盤は、ジャケットがエンボス仕様となっていた[1]。本作は全英チャート・インを果たせなかった。本作はシドにとって最後のオリジナル・アルバムとなり、1974年発売の2枚組LP『何人をも近づけぬ男』は、前作『帽子が笑う…不気味に』(ここでは『気狂い帽子が笑っている』というタイトルになっている)と本作を抱き合わせただけの内容で、以後も未発表音源集や、既発音源を流用したコンピレーション・アルバムしかリリースされていない。

収録曲

[編集]

全曲シド・バレット作詞・作曲。

  1. ベイビー・レモネード - "Baby Lemonade" - 4:06
  2. ラヴ・ソング - "Love Song" - 2:59
  3. ドミノ - "Dominoes" - 4:03
  4. あたりまえ - "It Is Obvious" - 2:54
  5. ラット - "Rats" - 2:54
  6. メイシー - "Maisie" - 2:46
  7. ジゴロおばさん - "Gigolo Aunt" - 5:42
  8. 腕をゆらゆら - "Waving My Arms in the Air" - 2:07
  9. 嘘はいわなかった - "I Never Lied to You" - 1:47
  10. 夢のお食事 - "Wined and Dined" - 2:53
  11. ウルフパック - "Wolfpack" - 3:41
  12. 興奮した象 - "Effervescing Elephant" - 1:50
    下記7曲は1993年リマスターCDのボーナス・トラック。
  13. ベイビー・レモネード (テイク1) - "Baby Lemonade" (Take 1) - 3:46
  14. 腕をゆらゆら (テイク1) - "Waving My Arms in the Air" (Take 1) - 2:13
  15. 嘘はいわなかった (テイク1) - "I Never Lied to You" (Take 1) - 1:48
  16. ラヴ・ソング (テイク1) - "Love Song" (Take 1) - 2:32
  17. ドミノ (テイク1) - "Dominoes" (Take 1) - 0:40
  18. ドミノ (テイク2) - "Dominoes" (Take 2) - 2:36
  19. あたりまえ (テイク2) - "It Is Obvious" (Take 2) - 3:51

参加ミュージシャン

[編集]

脚注

[編集]
  1. ^ a b 『ピンク・フロイド』(エクシード・プレス、1999年、ISBN 4-89369-739-0)p.89, 91
  2. ^ a b 日本盤CD(TOCP-3431)ライナーノーツ(赤岩和美)