帽子が笑う…不気味に
『帽子が笑う…不気味に』 | ||||
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シド・バレット の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 | 1968年5月28日 - 1969年8月5日 | |||
ジャンル | サイケデリック・フォーク | |||
時間 | ||||
レーベル | ハーヴェスト/EMI | |||
プロデュース |
シド・バレット ピーター・ジェナー マルコム・ジョーンズ デヴィッド・ギルモア ロジャー・ウォーターズ | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
チャート最高順位 | ||||
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シド・バレット アルバム 年表 | ||||
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『帽子が笑う…不気味に』(原題:The Madcap Laughs)は、シド・バレットが1970年に発表した初のソロ・アルバム。
解説
[編集]1968年にピンク・フロイドを脱退したシド・バレットは、同年5月13日、ピーター・ジェナーのプロデュースの下で最初のデモ・レコーディングを行う[1]。「夜もふけて」はその時に最初のテイクが録音されたが、アルバムに収録されたのは5月28日録音のヴァージョン[1]。その後ハーヴェスト・レコードの社長であるマルコム・ジョーンズのプロデュースで、本格的なレコーディングが開始された。「むなしい努力」と「ラヴ・ユー」では、ソフト・マシーンのメンバー3人による演奏がオーバー・ダビングされる。マルコムの下で6曲が完成し、その後、ピンク・フロイドのデヴィッド・ギルモアとロジャー・ウォーターズも合流して、プロデュースと演奏で参加。ジャケット・デザインは「ヒプノシス」のストーム・ソーガソンとオーブリー・パウエルが担当し、写真撮影はミック・ロックによる。
1969年11月14日、「タコに捧ぐ詩」がシングルとして先行リリースされた[2]。それは結果的に、シド唯一のソロ・シングルとなった。そして、1970年にアルバムが発表されると、全英40位に達した[3]。
ピンク・フロイド結成前からシドの友人であったデヴィッド・ギルモアは、本作収録曲をしばしば自分のライヴで取り上げた。2001年のロンドン公演では「カメに捧ぐ詩」を演奏し、その模様はDVD『イン・コンサート』(2002年発売)に収録。2006年のヨーロッパ・ツアーでは「暗黒の世界」が演奏され、その時の音源は、デヴィッド・ボウイとの連名によるシドの追悼シングル「アーノルド・レーン」(2006年)のカップリング曲として収録された。
収録曲
[編集]特記なき楽曲はシド・バレット作詞・作曲。
- カメに捧ぐ詩 - "Terrapin" - 5:05
- むなしい努力 - "No Good Trying" - 3:26
- ラヴ・ユー - "Love You" - 2:30
- 見知らぬところ - "No Man's Land" - 3:03
- 暗黒の世界 - "Dark Globe" - 2:02
- ヒア・アイ・ゴー - "Here I Go" - 3:12
- タコに捧ぐ詩 - "Octopus" - 3:48
- 金色の髪 (ジェイムス・ジョイス作の一篇より) - "Golden Hair" (Syd Barrett, James Joyce) - 2:00
- 過ぎた恋 - "Long Gone" - 2:50
- 寂しい女 - "She Took a Long Cold Look" - 1:56
- フィール - "Feel" - 2:17
- イフ・イッツ・イン・ユー - "If It's In You" - 2:27
- 夜もふけて - "Late Night" - 3:11
- 下記6曲は1993年リマスターCDのボーナス・トラック。
- タコに捧ぐ詩 (テイク1&2) - "Octopus" (Takes 1 & 2) - 3:09
- むなしい努力 (テイク5) - "It's No Good Trying" (Take 5) - 6:23
- ラヴ・ユー (テイク1) - "Love You" (Take 1) - 2:29
- ラヴ・ユー (テイク3) - "Love You" (Take 3) - 2:11
- 寂しい女 (テイク4) - "She Took A Long Cold Look At Me" (Take 4) - 2:45
- 金色の髪 (テイク5) - "Golden Hair" (Take 5) (Syd Barrett, James Joyce) - 2:28
カヴァー
[編集]参加ミュージシャン
[編集]- シド・バレット - ボーカル、ギター
- デヴィッド・ギルモア - ベース、ギター
- ロジャー・ウォーターズ - ベース
- ヒュー・ホッパー - ベース (on 2. 3.)
- ロバート・ワイアット - ドラムス (on 2. 3.)
- マイク・ラトリッジ - キーボード (on 2. 3.)
- ジェリー・シャーリー - ドラムス (on 4. 6.)
- ウィリー・ウィルソン - ベース (on 4. 6.)
脚注
[編集]- ^ a b Late Night - Syd Barrett : Listen, Appearances, Song Review : AllMusic - Review by Dave Thompson
- ^ 『ピンク・フロイド』(エクシード・プレス、1999年、ISBN 4-89369-739-0)p.106
- ^ ChartArchive –Syd Barrett-Madcap Laughs-