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なだ万

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
株式会社なだ万
NADAMAN CO.,LTD.
アサヒグループカルピス恵比寿ビル
アサヒグループカルピス恵比寿ビル
種類 株式会社
本社所在地 日本の旗 日本
100-0004
東京都千代田区大手町1丁目1番3号
大手センタービル19F
本店所在地 102-0094
東京都千代田区紀尾井町4番1号
北緯35度40分51秒 東経139度44分2秒 / 北緯35.68083度 東経139.73389度 / 35.68083; 139.73389
設立 1951年
業種 小売業
法人番号 9010001025301 ウィキデータを編集
事業内容 日本料理店の経営・惣菜、お弁当の製造販売・その他食品販売等
代表者 小野寺 裕司
資本金 4,111万円(2023年12月期)[1]
純利益 ▲12億2,566万8,000円
(2023年12月期)[1]
総資産 42億9,152万円
(2023年12月期)[1]
従業員数
  • 1,300人
(2023年12月31日現在)[2]
決算期 毎年12月31日
関係する人物 楠本憲吉
中村孝明
外部リンク https://www.nadaman.co.jp/
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本店 山茶花荘

株式会社なだ万(なだまん)は、1830年天保元年)創業の日本料理店。客単価1万5千円ほどの高級店として知られ[3]、日本を代表する老舗料亭のひとつである[4]。百貨店などのテナントとして惣菜弁当の販売も行なっている。

歴史

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創始者である灘屋萬助は、出身地である長崎卓袱料理漢方の知識を元に、長崎料理を大阪風にアレンジした料理屋を1830年大阪で開いた[5]。そして1871年北浜で「灘萬楼」を開業した[6]明治中期には現代のスーパーの嚆矢といえる総合食料品店も開き、当時まだ珍しかったパンを販売した[7]。料亭の灘萬は評判を呼び、政財界の要人や文豪らに親しまれ[4]、その作品にも登場した[7]

仕舞に彼は、灘万のまな鰹とか何かというのもの是非父に喰わせたいと云い募った。 — 夏目漱石行人
菊池常三郎、緒方収二郎と灘萬に飲み、帰途中嶋朝日軒に遊ぶ。……灘万の割烹は好し。 — 森鷗外、小倉日記

大正時代には、パリ講和会議の折に西園寺公望の訪欧随行料理人として灘萬の店主が指名され[6]、また洋式ホテルの経営にも関わって、レストランでのジャズ演奏は「灘萬ジャズ」と呼ばれた[7]。戦後は帝国ホテルなどに日本料理店の出店を続け[7]、特にホテルニューオータニ庭園の「山茶花荘」(さざんかそう)は政府要人らの会談場所として頻繁に使われ[8]1986年東京サミットでは公式晩餐会の会場ともなった[7]。しかし平成に入ると、バブル崩壊リーマン・ショックなどで高級日本料理店の客足は遠のき、その売上不振を百貨店などでの惣菜販売で補った[9]

2014年(平成26年)にアサヒビールが創業家(楠本家)から株式51.1%を取得し、なだ万は連結子会社化された[10]。もとよりなだ万の日本料理店で扱うビールの9割はアサヒ商品であり両社の関係は深く[8]、この買収によりなだ万は安定した経営基盤を得た[11]

しかし、2023年(令和5年)7月、アサヒグループホールディングスは外食事業から撤退する方針を決定し、100%子会社となっていた「なだ万」も売却することになったという報道があったが[12]、その後もアサヒグループ内に所属している様子。2024年(令和6年)7月にも報道があった[13]

2024年7月26日、アサヒグループホールディングスは同年9月1日付けで本企業の全株式をONODERA GROUPに売却することを正式発表した[14][15]

店舗

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2024年1月時点で、日本料理店は日本国内では関東圏を中心に[3]25店舗、日本国外では中国などに4店舗を構えており、ほかに総菜販売店あるいは弁当販売店として43店舗を展開している[12]

沿革

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関連項目

脚注

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  1. ^ a b c 株式会社なだ万 第73期決算公告
  2. ^ 企業概要 : 企業情報 | なだ万”. なだ万. 2024年4月29日閲覧。
  3. ^ a b 三上成文 (2014年11月22日). “なだ万、「アサヒビールへ身売り」の謎 (1/2)”. 東洋経済ONLINE. 東洋経済新報社. 2015年1月22日閲覧。
  4. ^ a b 「なんでウチがビール会社に呑み込まれるんだ!」「なだ万」買収 ——老舗がのれんを売り渡すとき 創業184年の歴史は、いともあっけなく (1/5)”. 週刊現代. 講談社 (2014年12月6日). 2015年1月22日閲覧。
  5. ^ 企業概要”. 公式ウェブサイト. なだ万. 2015年1月22日閲覧。
  6. ^ a b 沿革”. 公式ウェブサイト. なだ万. 2015年1月22日閲覧。
  7. ^ a b c d e なだ万の歴史”. 公式ウェブサイト. なだ万. 2015年1月22日閲覧。
  8. ^ a b 「なんでウチがビール会社に呑み込まれるんだ!」「なだ万」買収 ——老舗がのれんを売り渡すとき 創業184年の歴史は、いともあっけなく (2/5)”. 週刊現代. 講談社 (2014年12月6日). 2015年1月22日閲覧。
  9. ^ 「なんでウチがビール会社に呑み込まれるんだ!」「なだ万」買収 ——老舗がのれんを売り渡すとき 創業184年の歴史は、いともあっけなく (3/5)”. 週刊現代. 講談社 (2014年12月6日). 2015年1月22日閲覧。
  10. ^ a b アサヒビールが日本料亭「なだ万」買収、過半数株式取得へ”. ロイター (2014年11月14日). 2015年1月22日閲覧。
  11. ^ 三上成文 (2014年11月22日). “なだ万、「アサヒビールへ身売り」の謎 (2/2)”. 東洋経済ONLINE. 東洋経済新報社. 2015年1月22日閲覧。
  12. ^ a b アサヒ、外食事業から撤退へ ビール園や料亭「なだ万」売却」共同通信(2023年7月28日閲覧)
  13. ^ アサヒ、「なだ万」をオノデラに売却 外食から撤退”. 2024年7月25日閲覧。
  14. ^ 株式会社なだ万の株式譲渡に関するお知らせ”. アサヒグループホールディングス株式会社 (2024年7月26日). 2024年7月26日閲覧。
  15. ^ なだ万、オノデラに売却 9月、アサヒ外食撤退”. 共同通信 (2024年7月26日). 2024年7月26日閲覧。

外部リンク

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