はこだて旅するパスポート
はこだて旅するパスポート(はこだてたびするパスポート)は、北海道旅客鉄道(JR北海道)函館支社で発売している特別企画乗車券である。
概要
[編集]観光圏の整備による観光旅客の来訪及び滞在の促進に関する法律を受けて、渡島・檜山管内18市町により2010年度(平成22年)に申請・認定された「はこだて観光圏」事業の一環として、2012年(平成24年)11月1日に新設された特別企画乗車券である[1]。
「はこだて観光圏」事業それ自体は、同年度限りで「はこだて観光圏整備推進協議会」が解散して終了となったが、以降は北海道新幹線開業を控えたプロモーションの一環として、新函館北斗駅[注 1]周辺の交通事業者・観光協会・自治体からなる「北海道新幹線新駅沿線協議会」の主導により2013年(平成25年)度以降も発売が継続され[2]、その後も多少の内容の変更を加えつつ発売が継続されている。
有効期間
[編集]発売当初から長らく、後述する利用可能路線が2日間乗り放題となるフリーパスの形式であったが[1]、2018年(平成30年)4月1日からは1日用も発売されている[3]。
利用可能路線
[編集]以下特記ない限り、2023年度設定分の利用可能エリアである[4]。
発売当初は函館市・北斗市・七飯町・鹿部町・森町内のJR北海道在来線・函館バス・函館市企業局交通部(函館市電)の路線が対象であったが[1]、北海道新幹線が開業した2016年(平成28年)3月26日発売分から、エリアに木古内町を加えた上で、江差線を転換した道南いさりび鉄道道南いさりび鉄道線全線の利用が可能となった[5]。また、函館バスは一部地域で利用できる路線・区間に限定がされていたが、2021年(令和3年)度発売分から、エリア内6市町の全線が利用可能と改められている[6]。
JR北海道
[編集]道南いさりび鉄道
[編集]函館バス
[編集]- 函館市・北斗市・七飯町・鹿部町・森町・木古内町の全線(定期観光バスを除く、サイクリングバスは運賃部分のみ有効)[注 3]
函館市企業局交通部
[編集]- 全線
発売額
[編集]いずれも大人用のほか小児用の設定があり、大人用の半額(10円未満切り捨て)である。
価格(大人) | 備考 | ||
---|---|---|---|
2日用 | 1日用 | ||
発売当初 | 3,000円[1] | ||
2016年3月26日発売分から | 3,380円[5] | フリーエリアを木古内町まで拡大、江差線が道南いさりび鉄道へ転換。 | |
2018年4月1日発売分から | 3,380円[3] | 2,500円[3] | 1日用を新設。 |
2019年10月1日発売分から | 3,650円[8] | 2,690円[8] | 消費増税・JR北海道運賃値上げに伴う改定。 |
発売箇所
[編集]フリーエリア外を含むJR北海道函館支社管内の各有人駅の窓口・券売機で取り扱う[4]。函館バス・函館市企業局交通部・道南いさりび鉄道の各窓口では取り扱いはない。
当初はツインクルプラザなど、JR北海道函館支社管内の旅行センターでも取り扱われた[1]。
その他
[編集]本券の提示で、津軽海峡フェリーは運賃・料金が20%引きとなる[4]。その他、フリーエリア内の一部施設で入館料の割引などのサービスが受けられる[4]。
歴史
[編集]- 2012年(平成24年)11月1日:発売開始[1]。
- 2016年(平成28年)3月26日:同日発売分から値上げ。次のように変更[5]。
- 2018年(平成30年)4月1日:1日用の発売を開始[3]。
- 2019年(令和元年)10月1日:消費増税・JR北海道運賃値上げに伴い発売価格を改定。
- 2020年(令和2年)7月23日:新型コロナウイルス感染症を受けた北海道による需要喚起策「ぐるっと北海道・公共交通利用促進キャンペーン」の補助を受け、同日発売分から同年8月31日発売分(2日用は同年8月30日発売分)まで、1日用・2日用とも半額(10円未満切り上げ)で発売[9]。
- 2021年(令和3年)
- 2022年(令和4年)4月22日:同日発売分より同年6月30日発売分(2日用は同年6月29日発売分)まで「はこだて縄文めぐりパスポート」に名称を変更。「ぐるっと北海道・公共交通利用促進キャンペーン」の補助を受け、1日用・2日用とも半額(10円未満切り上げ)で発売[12]。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 2013年当時は駅名が決定していなかった。
- ^ 転換前の江差線は五稜郭駅 - 渡島当別間のみ対象であった。
- ^ 2020年度設定分以前は函館市・北斗市・七飯町・鹿部町内はほぼ全線対応であったが、森町内・木古内町内は
- 函館~長万部線(函館バスセンター - 森駅前〔当初は七飯町内の大沼隧道まで[3]〕)
- 砂原線(森駅前~砂原東3丁目〔当初は鹿部町内も含めて利用不可[3]〕)
- 濁川線(2023年3月廃止)
- 函館~知内線(函館バスセンター - 木古内駅前〔2016年以前は北斗市内の当別トラピスト入口まで[5]〕)
- 快速松前号(函館駅前 - 木古内駅前〔2016年以前は北斗市内の当別駅前まで[5]〕)
- ^ フリーパスのエリア内では、いずれも函館市(南茅部地区)の大船遺跡と垣ノ島遺跡が構成資産である。
出典
[編集]- ^ a b c d e f “<JR><函館バス><函館市電>が2日間乗り放題 はこだて観光圏回遊パス『はこだて旅するパスポート』11月1日 発売開始!”. 北海道旅客鉄道 (2012年10月26日). 2023年12月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年12月26日閲覧。
- ^ “「はこだて旅するパスポート」で魅力あふれる道南に出かけてみませんか!” (PDF). 北海道旅客鉄道. 2023年12月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年12月27日閲覧。
- ^ a b c d e f 『北海道時刻表』第59巻5(通巻701)号、交通新聞社、2018年4月20日、16頁。
- ^ a b c d “はこだて旅するパスポート(2023年度設定)|JR北海道のおトクなきっぷ”. 北海道旅客鉄道. 2023年12月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年12月26日閲覧。
- ^ a b c d e f “北海道新幹線開業に伴うおトクなきっぷの設定・見直しについて ~おトクなきっぷを使いやすく、わかりやすくします~” (PDF). 北海道旅客鉄道 (2015年1月5日). 2023年12月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年12月26日閲覧。
- ^ a b c 『北海道時刻表』第62巻9(通巻741)号、交通新聞社、2021年8月25日、16頁。
- ^ 『北海道時刻表』第62巻1(通巻733)号、交通新聞社、2020年12月19日、16頁。
- ^ a b “運賃・料金改定に伴う「おトクなきっぷ」の発売価格の改定について”. 北海道旅客鉄道 (2019年8月23日). 2023年12月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年12月27日閲覧。
- ^ “「ぐるっと北海道・公共交通利用促進キャンペーン」を活用するおトクなきっぷを発売します!! - JR北海道” (PDF). 北海道旅客鉄道. 2024年1月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年1月12日閲覧。
- ^ “スマホ1つで「便利で快適な道南の旅」をサポート!~「道南MaaS」実証実験を4月1日から開始します~” (PDF). 北海道旅客鉄道 (2021年3月16日). 2023年12月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年12月29日閲覧。
- ^ “「ぐるっと北海道・公共交通機関利用促進キャンペーン」を活用した「はこだて縄文めぐりパスポート」を発売します!”. 北海道旅客鉄道 (2021年10月13日). 2023年12月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年12月29日閲覧。
- ^ “「ぐるっと北海道・公共交通機関利用促進キャンペーン」を活用した「はこだて縄文めぐりパスポート」を今年も発売します!”. 北海道旅客鉄道 (2022年4月14日). 2023年12月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年12月29日閲覧。
外部リンク
[編集]- “はこだて旅するパスポート(2023年度設定)|JR北海道のおトクなきっぷ”. www.jrhokkaido.co.jp. 北海道旅客鉄道. 2023年12月28日閲覧。