めざすは月
めざすは月は、ベルギーの漫画家エルジェによる漫画シリーズ『タンタンの冒険』の第16作目である。 連載期間は、1950年3月から同年9月、および1952年4月から同年10月にかけてベルギーの雑誌タンタンマガジンに毎週連載され、その後1953年にカステルマン社から単行本として出版された。 物語は、少年ルポ記者タンタンと彼の友人ハドック船長が、ビーカー教授からシルダビアに来るよう招待を受けるところからはじまる。そしてビーカー教授一行は、月への有人着陸プログラムを計画するために、シルダビア政府の厳重な施設で極秘の月面着陸プログラムに取り組んでいる。
『めざすは月』は、エルジェの友人であるベルナール・ヒューヴェルマンスの提案もあって、当時まだ実現されていなかった人類の宇宙旅行の可能性についてエルジェが徹底的に調査した結果、できるだけリアルな作品を目指して制作されました。 エルジェは、この巻で始まったストーリー展開を『月世界探検』で完結させ、そのシリーズ自体はフランス・ベルギー漫画の伝統を決定づける一部となった。 批評家はこの本の物語を高く評価しているが、物語については意見が分かれている。シリーズの中最も感情に訴える作品の一つだと言う批評家もいるが、一方では、物語の科学的な焦点を優先して、これ以前の巻で見られたユーモアを減らしていると批判する批評家もいる。 この物語は、1957年のベルビジョンのアニメシリーズ『タンタンの冒険』 、1989年のコンピュータゲーム『Tintin on the Moon』 、1991年のエリプス/ネルバナのアニメシリーズ『タンタンの冒険』 、および1992~93年のBBCラジオ5のドラマ化『タンタンの冒険』に採用された。