アイネシデモス
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生誕 | 前1世紀-後1世紀ごろ |
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地域 | 古代ギリシア |
学派 | ピュロン派(古懐疑派) |
研究分野 | 認識論、形而上学、倫理学 |
主な概念 | エポケー、「10箇条のトロポイ(様式)」 |
影響を与えた人物
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アイネシデモス(古希:Αἰνησίδημος、ラテン語表記例:Ainêsidemos、Aenesidemus、生没年不詳、前1世紀-後1世紀ごろ[1])は、古代ギリシアのピュロン派の哲学者。全8巻からなる著書『ピュロン語録(Πυρρώνειοι λóγοι)』の中で「判断中止」へと至る「10箇条のトロポイ(様式)」を提案したことで知られる[2]。
クレタ島のクノッソスに生まれ、アレクサンドリアで学問を教えたと伝わる。彼の説いた「10箇条のトロポイ」は我々の感覚や知識は次の諸条件によって異なり、決して唯一絶対ではないとして、
- われわれ動物の種類が異なるに従って。
- 人間の個人個人が異なるに従って
- 同一の個人においても、感覚器官が異なるに従って
- これらが同一でも、その時々の身心状態によって。
- 知覚する者の視角や距離によって。
- 知覚される物を包んでいる物質や状況によって。
- 知覚される物の数や量によって。
- その物の他との関係によって。
- 知覚者の習慣によって。
- 対象の風俗習慣法律によって。
と10箇条からなるトロポイ(様式)を提案したことで知られる。これは後にアグリッパ (哲学者)に影響を与え、彼は10箇条から5箇条に要約している。
出典
[編集]- ^ 『アイネシデモス』 - コトバンク
- ^ 万有百科大事典 1974, p. 2.
参考文献
[編集]- 清水義夫(文章執筆)、岩崎武雄、中村元、古川哲史、堀一郎(監修)、相賀徹夫(編集兼発行者)『万有百科大事典 4 哲学・宗教』(小学館、1974年1月20日) - 日本大百科全書シリーズ
- 出隆(文章執筆)、下中邦彦(編集兼発行者)『世界大百科事典 1 アーアン』(平凡社、1972年4月) - 世界大百科事典シリーズ
- 村治能就(文章執筆)、鈴木泰二(編集者)『グランド現代百科事典 1 アーアメリカシ』(学習研究社、1983年6月1日)
- 林達夫、野田又夫、久野収、山崎正一、串田孫一(監修) 著、下中邦彦発行 編『哲学事典』(初版第4刷)平凡社(原著1973-8-20)。
- 熊野純彦『西洋哲学史 古代から中世へ』(岩波新書、2009年3月5日)
外部リンク
[編集]- Aenesidemus - インターネット哲学百科事典「アイネシデモス」の項目。