エンターブレイン
エンターブレイン | |
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英文名称 | ENTERBRAIN |
前身 | 株式会社エンターブレイン |
現況 | KADOKAWAのブランド |
設立日 | 2013年(平成25年)10月1日 |
定期刊行物 | コミックビーム |
出版以外の事業 | 通信販売事業 |
関係する人物 | 浜村弘一 |
エンターブレイン(ENTERBRAIN)は、日本の出版社・KADOKAWAのブランドの一つ。エンターテインメント関連の雑誌・書籍の制作などを手掛けている。
本項では、前身である株式会社エンターブレインについても解説する。
概要
西和彦が設立した旧株式会社アスキー(後の株式会社メディアリーヴス)の一部門であったエンターテインメント系の編集部が集まっていた第二編集統括本部が前身にあたる。ロゴは赤字のeb! のマークである。
社名の由来は「エンターテイメントのブレインになる」から[1]。
2007年(平成19年)9月27日に角川グループホールディングス(角川GHD、現:KADOKAWA)がグループ傘下の株式会社アスキー(新社)と株式会社メディアワークスの合併協議を開始すると発表、2008年(平成20年)4月1日にメディアワークスがアスキー(新社)を吸収合併し株式会社アスキー・メディアワークスとなった。また、2010年(平成22年)10月1日にエンターブレインがメディアリーヴス(旧アスキー)を吸収合併した。これにより、会社の発祥である株式会社アスキーは消滅した。2013年(平成25年)10月1日に株式会社エンターブレインは、親会社の株式会社KADOKAWAに吸収合併され解散。以後エンターブレインは、株式会社KADOKAWAのブランドとなる。
沿革
株式会社エンターブレイン
- 1987年(昭和62年)1月30日 - 米国ベストロン・ピクチャーズ・インク(英語: Vestron Pictures)の日本子会社として映画の製作・配給等を目的にベストロン映画株式会社(Vestron Pictures Japan Inc.)を東京都港区虎ノ門三丁目8番26号に設立[2]。
- 1988年(昭和63年)
- 2月 - 大阪市北区曽根崎新地一丁目3番23号に関西支社を設置。
- 9月 - 本店を東京都港区虎ノ門一丁目17番3号へ移転
- 1990年(平成2年)
- 1991年(平成3年)
- 3月 - カリフォルニア州ロサンゼルスに事務所を設置。
- 4月 - 商号をアスキー映画株式会社に変更。
- 1994年(平成6年)
- 5月 - 本店を東京都渋谷区代々木四丁目33番10号へ移転
- 1997年(平成9年)4月 - 商号を株式会社アスキービジュアルエンタテインメント(ASCII VISUAL ENTERTAINMENT, INC.)に変更。
- 2000年(平成12年)
- 2005年(平成17年)3月 - 本社を千代田区三番町6番地1へ移転。
- 2009年(平成21年)9月 - 販売機能を株式会社角川グループパブリッシング(角川GP)に完全移行。発行・エンターブレイン、発売・角川GPという体制となる。なお、営業活動を行う部署として「エンターブレイン営業局」は存続する。
- 2010年(平成22年)
- 2011年(平成23年)
- 2012年(平成24年)7月1日 - 株式会社角川コンテンツゲート(現株式会社ブックウォーカー)のソーシャルゲーム事業を譲受[5]
- 2013年(平成25年)10月1日 - 株式会社KADOKAWAに吸収合併され解散[6]。
株式会社KADOKAWA エンターブレイン
- 2013年(平成25年)10月1日 - 株式会社KADOKAWA エンターブレインブランドカンパニーを設置。
- 2014年(平成26年)12月22日・2015年(平成27年)1月5日 - 千代田区三番町から中央区築地へ移転[7]
- 2015年(平成27年)4月1日 - ブランドカンパニー制を廃止、エンターブレイン事業局となる。また、ゲームメディア関連事業、マーケティングリサーチ事業及びこれらの事業に付随する広告事業を親会社である株式会社KADOKAWA・DWANGO(現・株式会社KADOKAWA)に移譲[8]。
- 2016年(平成28年)3月31日 - エンターブレイン事業局を廃止[9]
- 2017年(平成29年)
- 7月1日 - 会社分割により、雑誌『DVD&ブルーレイでーた』および映画情報ウェブサイト『Movie Walker』の関連事業を株式会社エイガウォーカーに移管(同時に株式会社エイガウォーカーは株式会社ムービーウォーカーに商号変更)[10]。
- 7月3日 - カドカワ株式会社(現・株式会社KADOKAWA)のゲーム情報ポータル事業を新設の株式会社Gzブレイン(現・株式会社KADOKAWA Game Linkage)に移譲[11][12]。
- 2020年(令和2年)3月頃 - 株式会社エンターブレイン時代から運用を続けてきた公式サイトが閉鎖(一部のページを除く[13])。
- 2021年(令和3年)
- 8月17日 - KADOKAWAオフィシャルサイト内のエンターブレインのブランドページが閉鎖[14]。
- 10月1日 - ECサイト「エビテン(ebten)」と関連する事業を株式会社KADOKAWA Game Linkageに移管[15]
主な雑誌・書籍
KADOKAWA発行の雑誌・書籍
- コミックビーム
- 月刊漫画雑誌。前身誌は『アスキーコミック』と『ファミコミ』。
- B's-LOG COMIC
- 女性向け月刊コミック誌。
- ハルタ
- 漫画誌。
- 青騎士
- 隔月刊コミック誌。ハルタの兄弟誌。
- ファミ通文庫
- ライトノベル系文庫レーベル。
- ビーズログ文庫
- 少女向けライトノベル系文庫レーベル。
グループ会社発行の雑誌・書籍
KADOKAWA(エンターブレインブランド)からグループ会社へ移管され、KADOKAWAが発売を担当する。
- ファミ通
- 高い知名度を持つ総合ゲーム雑誌。派生誌についてはファミ通#ファミ通一族を参照。現KADOKAWA Game Linkage発行。
- B's-LOG(ビーズログ)
- 乙女ゲーム・ボーイズラブゲーム専門誌。現KADOKAWA Game Linkage発行。
- てれびげーむマガジン
- 男児向けゲーム雑誌。現KADOKAWA Game Linkage発行。
- ぴこぷり
- 女児向けゲーム情報誌。現KADOKAWA Game Linkage発行。
- DVD&動画配信でーた
- 映画・映像ソフト情報誌。旧角川マガジンズ(初代)発行。現ムービーウォーカー発行。旧誌名『DVD&ブルーレイでーた』。
かつて発行していた雑誌
- LOGIN
- E-LOGIN
- DearMy...
- PALETTA
- マジキュー
- Charaberry's
- kamipro(ワニマガジン社からの移籍)
- テックウィンDVD
- Windows Power
- サッカーJ+
- 月刊アルカディア (ARCADIA)
- CD&DLでーた(旧角川マガジンズ(初代)発行)
- エンタミクス(旧誌名『オトナファミ』)
- ゴルメカ(旧誌名『GOLF mechanic』)
- 花時間 - 季節の花やフラワーアレンジの情報誌。旧角川マガジンズ(初代)発行。2016年8月発売の商品より角川マガジンズブランドへ移行。移行後も問い合わせ先が「エンターブレイン カスタマーサポート」となっていた[16]。
- サラブレ - 競馬雑誌。
- TECH GIAN(テックジャイアン) - アダルトパソコンゲーム雑誌。
主なコンピュータゲーム
主に旧アスキー時代からの作品を発売していた。2011年以降、エンターブレインが企画・制作・著作するコンシューマー及びPC向けタイトルの発売元が角川ゲームスとなる。ただし、2015年12月発売の『RPGツクールMV』はスパイク・チュンソフトが発売元となる(2016年12月以降はKADOKAWAが発売元)。一方、スマートフォン向けはKADOKAWAとして直接提供している。
- RPGツクールシリーズ
- RPG制作ソフト。
- ダービースタリオンシリーズ
- ファミコン全盛時代末期に生まれた名作。第1作発売当時の開発部門は1996年に新会社パリティビットを立ち上げて独立。
- ベストプレープロ野球シリーズ
- 『ダービースタリオン』と並ぶパリティビットの代表作。ダービースタリオン・ベストプレープロ野球は2002年以降、eb!が発売している。
- ティアリングサーガ ユトナ英雄戦記
- 任天堂の『ファイアーエムブレム』開発チームの一部が独立して立ち上げた会社ティルナノーグが開発。任天堂より『ファイアーエムブレム』の類似作であるとして著作権等に関する訴訟を起こされた。
- ベルウィックサーガ
- ティアリングサーガ開発チームによるティアリングサーガシリーズ第2作。2005年5月発売。
- トゥルー・ラブストーリーシリーズ
- ビッツラボラトリー開発。
- キミキス
- アマガミ
- フォトカノ
- Cross Hermit 〜最果ての守護者〜
- Windows 98/Me/2000/XP対応 リアルタイムシミュレーションゲーム
- メタルマックスシリーズ
- 『メタルマックス3』(ニンテンドーDS用)以降。かつてはデータイーストから発売されていた。
- 妖怪百姫たん!
ネットサービス
- ebten
- オンラインショッピングサイト
- サラブレモバイル
- 競馬情報配信サイト
- コミッククリア
- 無料WEBコミックサイト
- ファミ通チャンネル
- 週刊ファミ通によるゲーム総合チャンネル
- ファミ通App
- スマートフォン向けゲームを中心としたゲーム情報メディア「ファミ通 App」のYouTube公式チャンネル
- ぼくらのファミ通チャンネル
- てれびげーむマガジンのYouTube公式チャンネル
- eb!TV
- エンターブレインのYouTube公式チャンネル
- f-ism.net(Famitsu Intelligence Strategic Marketing Net)
- 企業向けゲームマーケティング情報サイト[17]
かつて運営していたサイト
- MelodyClip♪
- 着信メロディサービス[18][19]
- マチウケClip!
- 待受画像サービス[20]
- ファミ通WaveTV
- ゲーム関連動画配信サービス[21]。2009年1月にムービーゲート内の「ファミ通TV+」に移転し終了。
- ファミ通TV+
- ムービーゲート内のPC向けの有料動画配信サイト[22][23]
- efigo(エフィーゴ)
- 招待制SNSサービス[24]
- JOBエンタ
- エンターテイメント業界特化型求人情報サイト
- 釣り曜日
- 釣り人のためのモバイルサイト[25]
- ファミ通FUNS UP
- ゲームイラスト投稿サイト[26]
- eb!TV LIVE
- PC向けライブ配信チャンネル
かつて存在した関連会社
その他
- 美少女ゲーム雑誌を発行しているコアマガジンと提携し、『まじれす!! 〜おまたせリトルウイング〜』(キャラクターデザイン:みさくらなんこつ)の共同開発およびタイアップを行った。
- エンターブレインが角川ホールディングスの傘下に入ったことにより、同じ傘下のメディアワークスと業務が重複した問題に関し、『ファミ通』、『電撃』の両ブランドは当面の間継続するとのコメントを出した。ただ、美少女ゲーム誌等統合を始めたものもある。
- 公式ショップ「エビテン」ではエンターブレインの商品だけではなく、「エンタメ統計調査」のコーナーにおいて娯楽作品に関する統計データも販売している。
- まおゆう魔王勇者やログ・ホライズン、ニンジャスレイヤーなどのWeb小説がエンターブレインの文芸局ホビー事業部から書籍となり[27]多数ベストセラーとなっている。
- 2011年まで海外作品の翻訳は、スティーブ・ベリーの小説3作品と李英有の漫画「SiESTA」1作品のみだった。2012年にニンジャスレイヤーの刊行がスタートしたが、2013年にノンフィクションの「ゾンビサバイバルガイド」が追加されただけで国内作品と比べ非常に少なく、刊行本の大半はニンジャスレイヤーの続刊であるため、実質4作品しかない。角川の傘下に入っても翻訳作品には注力しない姿勢は変わっていない。
脚注
- ^ 浜村弘一. “社長挨拶”. 株式会社エンターブレイン. 2007年8月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年7月19日閲覧。
- ^ 株式会社エンターブレイン 有価証券届出書(組織再編成)平成22年6月15日 18頁
- ^ 株式会社エンターブレイン 臨時報告書 平成23年3月1日
- ^ 『合併のお知らせ』(プレスリリース)株式会社エンターブレイン、2011年1月20日。オリジナルの2016年4月13日時点におけるアーカイブ 。2020年7月19日閲覧。
- ^ 『商号変更に関するお知らせ』(プレスリリース)株式会社ブックウォーカー、2012年6月27日 。2020年7月19日閲覧。
- ^ “【東証開示】連結子会社の吸収合併並びに商号及び定款の一部変更に関するお知らせ” (PDF). 角川グループホールディングス (2013年3月28日). 2017年7月20日閲覧。
- ^ “【移転】KADOKAWA エンターブレイン”. 新文化通信社 (2014年12月12日). 2015年1月5日閲覧。
- ^ “連結子会社(株式会社KADOKAWA)との会社分割(簡易吸収分割)に係る分割契約締結に関するお知らせ” (PDF). KADOKAWA・DWANGO (2015年1月29日). 2015年1月31日閲覧。
- ^ オシリス文庫編集部 [@OsirisBunko] (2016年4月1日). "ちなみに今日から新年度ということで会社の組織が変更になり、「エンターブレイン事業局」という局名がなくなってしまいました。しばらくクセで名乗ってしまいそうですが、今後はコミック&キャラクター局としてオシリス文庫の作品を刊行してまいります(本当)". X(旧Twitter)より2020年7月19日閲覧。
- ^ 『雑誌「DVD&ブルーレイでーた」およびWebサイト「MovieWalker」事業がエイガウォーカーに』(プレスリリース)株式会社KADOKAWA、2017年6月28日 。2020年7月19日閲覧。
- ^ “純粋持株会社体制への移行及び会社分割(簡易新設分割)による子会社設立に関するお知らせ”. カドカワ株式会社 (2017年5月25日). 2020年7月19日閲覧。
- ^ “連結子会社の商号決定に関するお知らせ”. カドカワ株式会社 (2017年6月13日). 2020年7月19日閲覧。
- ^ “週刊ファミ通”. 株式会社KADOKAWA Game Linkage. 2021年7月20日閲覧。
- ^ “KADOKAWAオフィシャルサイト内 各ブランドページについてのお知らせ”. 株式会社KADOKAWA (2021年8月17日). 2021年8月31日閲覧。
- ^ “KADOKAWA、ECサイト「エビテン(ebten)」関連業務をKADOKAWA Game Linkageに移管 | gamebiz”. gamebiz【ゲームビズ】. 2021年8月29日閲覧。
- ^ 『花時間』2017年夏号、KADOKAWA、2017年6月28日。
- ^ “エンターブレイン、ゲームマーケティング情報サイト“f-ism.net”を開設”. ASCII.jp. (2003年1月9日) 2020年7月19日閲覧。
- ^ “iモード有料着メロサイト全紹介 第11回:ゲーム・パチスロのファンにおすすめ!”. ケータイWatch (2000年5月9日). 2019年5月22日閲覧。
- ^ “『FF』シリーズの着メロも!エンターブレインがLモード用「MelodyClip♪」を開始”. 電撃オンライン (2001年7月3日). 2019年5月22日閲覧。
- ^ “美少女を描いた待受画像を配信する「マチウケClip!」”. ケータイWatch (2003年9月1日). 2019年5月22日閲覧。
- ^ “エンターブレイン、ゲーム関連動画を配信する「ファミ通WaveTV」”. Broadband Watch (2006年4月28日). 2019年5月22日閲覧。
- ^ 『PC向け有料動画配信サイト「ファミ通TV+」から 9月4日更新のお知らせ』(プレスリリース)株式会社ブックウォーカー、2009年9月4日 。2020年7月19日閲覧。
- ^ “PC向け有料動画配信サービスを拡充”. KADOKAWA. 2019年5月22日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “エンターブレイン、ゲームユーザーが対象の招待制SNS「efigo」”. Broadband Watch (2007年1月18日). 2019年5月22日閲覧。
- ^ “『釣り曜日』開設のお知らせ”. KADOKAWA. 2019年5月22日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “メーカー公認でイラスト投稿を募る「ファミ通FUNS UP」”. Broadband Watch (2008年8月25日). 2019年5月22日閲覧。
- ^ 石井ぜんじ・太田祥暉・松浦恵介『ライトノベルの新潮流』スタンダーズ、2022年1月1日初版発行、197頁。ISBN 978-4866365367。
関連項目
外部リンク
- エンターブレイン 公式サイト - ウェイバックマシン(2019年11月3日アーカイブ分)
- エビテン
- エンターブレインの単行本 (@eb_book) - X(旧Twitter)
- ebtvjp - YouTubeチャンネル
- エンターブレイン - メディア芸術データベース