コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

アスタチン化水素

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アスタタンから転送)
アスタチン化水素
{{{画像alt1}}}
識別情報
PubChem 23996
ChemSpider 22432 チェック
ChEBI
Gmelin参照 532398
特性
化学式 HAt
モル質量 211 g mol−1
精密質量 211.008 g mol-1
関連する物質
関連物質 フッ化水素
塩化水素
臭化水素
ヨウ化水素
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

アスタチン化水素(アスタチンかすいそ、: hydrogen astatide)は、化学式 HAt で表される水素アスタチン化物である。ハロゲン化水素の一種。水素原子アスタチン原子は共有結合で結び付いている[2]

この化合物は他のハロゲン化水素と非常に類似した性質をもち、実際この中で最も強いである。しかし、アスタチンの同位体半減期は非常に短く、アスタチン化水素も短時間で分解するため、用途は限られている[3]。それぞれの原子がほとんど等しい電気陰性度をもつため、電離によって容易に水素が負電荷を帯び、At+ イオンが生じる[4]。そのため、アスタチン化水素は次のような反応を起こす。

この反応によって気体の水素とアスタチンの沈殿が生じる。また、ハロゲン化水素 HX の生成エンタルピーは、ハロゲンが族を下がるにつれて低下する傾向がある。ヨウ化水素酸は安定しているのに対して、アスタチン化水素酸はアスタチン-水素-水系と比較して明らかに不安定である。最終的に H-At 結合はアスタチン核からの放射線分解によって切断される。

さらに、アスタチンの同位体はすべて放射性同位体であり、最も半減期が長い同位体は半減期8.1時間の 210At である。したがってアスタチンは別の元素に崩壊していくため、その化合物の操作は特に困難である[5]

出典

[編集]
  1. ^ Astatane - PubChem Public Chemical Database”. The PubChem Project. USA: National Center for Biotechnology Information. 2011年5月30日閲覧。
  2. ^ PubChem, "astatane - Compound Summary", accessed July 3, 2009.
  3. ^ Fairbrother, Peter, "Re: Is hydroastitic acid possible?", accessed July 3, 2009.
  4. ^ Advances in Inorganic Chemistry, Volume 6 by Emeleus, p.219, Academic Press, 1964 ISBN 0120236060
  5. ^ Gagnon, Steve, "It's Elemental", accessed July 3, 2009.