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アラバマ・シェイクス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アラバマ・シェイクス
Alabama Shakes
アラバマ・シェイクス 2014年
基本情報
出身地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 アラバマ州アセンズ
ジャンル サザン・ロックガレージロックソウルアメリカーナロカビリーブルース・ロック
活動期間 2009年 - 2018年 (活動休止)
レーベル アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国ATOレコード
イギリスの旗 イギリスラフ・トレード・レコード
メンバー ブリタニー・ハワード
ザック・コックレル
ヒース・フォッグ
スティーヴ・ジョンソン

アラバマ・シェイクスAlabama Shakes)は、アメリカ合衆国アラバマ州アセンズを拠点とするロック・バンド。ギター・ヴォーカルのブリタニー・ハワード、ギタリストのヒース・フォッグ、ベーシストのザック・コックレル、ドラマーのスティーヴ・ジョンソンの4人組[1]

2009年に結成され、デビュー・アルバム『ボーイズ&ガールズ』(2012年)の成功により、第55回グラミー賞で最優秀新人賞を含む3部門にノミネートされる[2][3]。2015年の2作目『サウンド&カラー』も高い評価を受け、第58回グラミー賞で3部門を受賞した[4]。2018年より活動を休止している。

経歴

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アラバマ・シェイクスのライブ(2013年)

リード・シンガーでギタリストのブリタニー・ハワードとベーシストのザック・コックレルが、高校の放課後に共に曲を書くようになったことからバンドが始まった。2人は、アラバマ州ライムストーン郡アセンズ近郊の東ライムストーン高校に通っていた。当初は、プログレッシブ・ロックなどの曲を演奏していたが、間もなくルーツ・ロックこそが自分たちのものだと気づくようになる。ふたりは、地元の音楽店で働いていたドラマーのスティーヴ・ジョンソンに、バンドに参加するよう声をかけた。ほどなく3人は、自分たちが書いた数曲を録音するため、アラバマ州ディケイターにあるクリアーウェイヴ・レコーディング・スタジオに赴いた。同スタジオには、プロデューサーのジェレミー・スティーヴンズがいた。この時のデモ音源を聴き、ギタリストのヒース・フォッグがバンドに参加することとなった[5]

彼らは自作曲の制作もしていたが、45分間のショーを持たせるために、レッド・ツェッペリンジェームス・ブラウンオーティス・レディングAC/DCなど他のグループやミュージシャンの曲もカバーして演奏していた。当時の活動は、「ザ・シェイクス(The Shakes)」の名で行なわれた。後にバンドは、ザ・シェイクスと呼ばれる他のバンドと自らを区別するため、「アラバマ」の語を付け加えた「アラバマ・シェイクス」を改名とした[6][7]

アラバマ・シェイクスは、4曲入りEP『Alabama Shakes』を2011年9月に発表し、メディアの注目を集めた(注目したメディアの中にはNPRもあった)[8]。これがきっかけとなり、CMJからイベントで演奏するよう招かれることとなった[9]

2011年10月のCMJでの演奏が成功に終わると、『ニューヨーク・タイムズ』紙のジョン・ペアレーズがバンドに注目した。彼は、ハワードの歌を讃え(ジャニス・ジョプリンと比較するほどであった)、バンドの力強さと音楽的才能を賞賛したのであった[10]。アラバマ・シェイクスの2011年後半の曲「You Ain't Alone」は、ゼールス宝飾の広告で使用され、MTVによるリスト「2012年の注目アーティスト11」にもバンドの名前が挙げられた[11][12]

1年も経たないうちに、それまで無名であったアラバマ・シェイクスは、テネシー州ナッシュヴィルの歴史あるライマン公会堂、ロサンジェルスにあるザ・トルバドールやミュージック・ボックス・シアターのような会場で演奏するまでになった[13]

2011年11月に、イギリスのラフ・トレード・レコードおよびアメリカのATOレコードとバンドは契約を結んだ。2012年2月には、バンドはMTVUウッディー賞で「最優秀ライブ・パフォーマンス賞」の候補とされる[14]ジャック・ホワイトは、サード・マン・レコーズから一連のシングルを発表するよう打診した[15]

バンドのファースト・アルバム『ボーイズ&ガールズ』は、2012年4月1日にインターネットで全曲がライブ・ストリーミングによって発表された[16]。6月には、バンドはボナルー・フェスティバルの初日のヘッドライナーを務めた。同年7月にバンドは、ニューポート・フォーク・フェスティバルにも出演している[17]第55回グラミー賞で最優秀新人賞を含む3部門にノミネートされる[2][3]

アラバマ・シェイクスのライブ(2016年)

2015年4月21日、2作目のアルバム『サウンド&カラー』をリリースし、全米1位を記録する[18]第58回グラミー賞では3部門を受賞した[4]

2018年からブリタニー・ハワードがソロ活動に専念するため、アラバマ・シェイクスの活動を休止した。

メディアへの出演

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バンドは、2012年2月7日放送の『コナン(Conan)』[19]に出演し、全米放送のテレビ番組への初出演を果たした。彼らは、初のシングル「Hold On」を番組中に演奏した、Web限定放送のためには「I Ain't the Same」を演奏している[20]。2012年4月12日にバンドは、『ディヴィッド・レターマンのレイト・ショー』で、レターマンの誕生日企画において演奏した。

彼らは、2012年4月24日放送の『Later... with Jools Holland』でイギリスのテレビに初出演する。この放送では、「Hold On」「Be Mine」「Hang Loose」を演奏した。2012年8月14日に、彼らは『ジミー・キンメル・ライブ!』にも出演している。

2012年9月、バンドはワイト島のフェスティバルに、ザ・エックス・エックススティーヴィー・ワンダーとならんで出演。彼らは2013年2月16日の「オースティン・シティ・リミッツ」に登場し、「Hold On」「Always Alright」「You Ain't Alone」「I Ain't the Same」「On Your Way」を演奏した。

2013年2月16日には、彼らは『サタデー・ナイト・ライブ』に出演し、「Hold On」「Always Alright」を演奏した。

メンバー

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ブリタニー・ハワード(2012年)
  • ブリタニー・ハワード(Brittany Howard):リードボーカル、ギター
  • ザック・コックレル(Zac Cockrell):ベース、バッキング・ボーカル
  • ヒース・フォッグ(Heath Fogg):ギター、バッキング・ボーカル
  • スティーヴ・ジョンソン(Steve Johnson):ドラムス、パーカッション、バッキング・ボーカル

ツアー・メンバー

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  • ベン・タナー(Ben Tanner):ピアノ、オルガン、バッキング・ボーカル、ファルフィーサ・オルガン、パーカッション(2011年 - )

ディスコグラフィ

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アルバム

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タイトル アルバム詳細 チャート最高位 備考
US
[21]
AUS
[22]
BEL
[23]
DEN
[24]
FRA
[25]
IRE
[26]
NL
[27]
SWE
[28]
SWI
[29]
UK
[30]
ボーイズ&ガールズ
Boys & Girls
6 36 4 18 62 5 7 34 48 3
サウンド&カラー
Sound & Color
  • 2015年4月21日発売
  • ラフ・トレード、ATO、MapleMusic Recordings
1 6 12 ? 41 12 4 37 10 6
  • RIAA: ゴールド[31]
  • BPI: シルバー[32]
  • MC: ゴールド[33]

EP

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  • Alabama Shakes (2011年9月13日)

シングル

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タイトル チャート最高位 収録アルバム
ベルギー(VL)
[23]
カナダ カナダ
オルタナティヴ
[34]
カナダ
ロック
[35][36]
オランダ
[27]
米国
オルタナティヴ
米国
"Hold On" 2012 60 81 11 10 98 17 93 『ボーイズ&ガールズ』
"You Ain't Alone" ? ? ? ? ? ? ? Live at Third Man Records
"I Ain't the Same" 2013 ? ? ? 41 ? ? ? 『ボーイズ&ガールズ』

ミュージック・ビデオ

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タイトル ディレクター
"Hold On" 2012 スティーヴン・シャーク(Stephen Shirk)・クリス・ハーシュマン(Chris Hershman)
"I Ain't the Same" ジェーン・ポラード(Jane Pollard)

映画の劇中曲

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収録映画
2012 "Always Alright" 世界にひとつのプレイブック』(サウンドトラック)

受賞歴

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ノミネート対象 結果
2012年 アラバマ・シェイクス 最優秀最新演奏へのQ賞(Q Award for Best New Act) ノミネート
アメリカーナ音楽新人アーティスト年間特別賞(Americana Music Honors & Award for Emerging Artist of the Year) 受賞
2013年 グラミー最優秀新人賞(Grammy Award for Best New Artist) ノミネート
「Hold On」 グラミー最優秀ロック・パフォーマンス賞(Grammy Award for Best Rock Performance) ノミネート
アラバマ・シェイクス BRIT外国グループ賞(BRIT Awards for International Group) ノミネート

出典

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  1. ^ Spera, Keith. “The Alabama Shakes is a soul-rock band on the rise”. www.nola.com. www.nola.com. January 27, 2012閲覧。
  2. ^ a b 55th Annual GRAMMY Awards Nominees”. GRAMMY.com. The Recording Academy. December 7, 2012閲覧。
  3. ^ a b Mary Colurso. “Alabama ties: 2013 Grammy nods for Alabama Shakes, Casting Crowns, Civil Wars, more”. AL.com. December 7, 2012閲覧。
  4. ^ a b 58th Annual GRAMMY Awards” (英語). GRAMMY.com (2017年11月28日). 2020年11月25日閲覧。
  5. ^ Dregni, Michael (July 2012). “Bringing it all home”. Vintage Guitar: p. 112 
  6. ^ Mongillo, Peter (8 February 2012). “Once a cover act, Alabama Shakes rock and soul band draws notice”. Austin American-Statesman. http://www.austin360.com/music/once-a-cover-act-alabama-shakes-rock-and-2104304.html?cxtype=rss_music 12 May 2012閲覧。 
  7. ^ Peisner, David (2 February 2012). “Muscle Shoals Revival: Alabama Shakes Take Off”. Rolling Stone. http://www.rollingstone.com/music/news/muscle-shoals-revival-alabama-shakes-take-off-20120124 12 May 2012閲覧。 
  8. ^ Powers, Ann (14 October 2011). “How To Keep It Real When Making New Soul: Three Attempts”. The Record: Music News from NPR. http://www.npr.org/blogs/therecord/2011/10/14/141355733/how-to-keep-it-real-when-making-new-soul-three-attempts 29 October 2012閲覧。 
  9. ^ Berman, Ben. “The Alabama Shakes: Right At Home with Newfound Fame”. OffBeat. http://www.offbeat.com/2012/01/18/the-alabama-shakes-right-at-home-with-newfound-fame/ 27 January 2012閲覧。 
  10. ^ Pareles, Jon (21 October 2011). “At CMJ, a Critic’s Imagination Come to Life, Out of Alabama”. The New York Times. http://artsbeat.blogs.nytimes.com/2011/10/21/alabama-shakes-a-critics-imagination-come-to-life/ 12 May 2012閲覧。 
  11. ^ PUSH: MTV's 11 Artists To Watch In 2012 MTV
  12. ^ All Shook Up Houston Press
  13. ^ Events”. The Fonda Theatre. 2012年8月14日閲覧。
  14. ^ Alabama Shakes nominated for an mtvU ‘Woodie’ for live performance Weldbham.com
  15. ^ Alabama Shakes Conquer The World”. American Songwriter. 10 April 2012閲覧。
  16. ^ Thompson, Stephen (1 April 2012). “First Listen: Alabama Shakes, 'Boys And Girls'”. NPR Music. NPR. April 2, 2012閲覧。
  17. ^ Newport Folk Festival Schedule”. Newport Folk Festival. 7 February 2013閲覧。
  18. ^ Alabama Shakes”. Billboard. 2020年11月25日閲覧。
  19. ^ Alabama Shakes will play Huntsville show in March, making TV debut on 'Conan' AL.com
  20. ^ Alabama Shakes Bowl Over Conan in TV Debut. Spin magazine.
  21. ^ Alabama Shakes Album & Songs Chart History: Billboard 200”. Billboard. Prometheus Global Media. 2014年9月10日閲覧。
  22. ^ australian-charts.com - Discography Alabama Shakes”. Hung Medien. 2014年4月22日閲覧。
  23. ^ a b Alabama Shakes - Belgium (Flanders) Charts”. ultratop.be/nl/ Hung Medien. 2015年5月28日閲覧。
  24. ^ Alabama Shakes - Danish Charts”. danishcharts.com/ Hung Medien. 2015年5月28日閲覧。
  25. ^ Alabama Shakes - French Charts”. lescharts.com/ Hung Medien. 2015年5月10日閲覧。[リンク切れ]
  26. ^ Alabama Shakes - Irish Charts”. irish-charts.com/ Hung Medien. 2015年5月28日閲覧。
  27. ^ a b Alabama Shakes - Dutch Charts”. dutchcharts.nl/ Hung Medien. 2015年5月28日閲覧。
  28. ^ Alabama Shakes - Swedish Charts”. swedishcharts.com/ Hung Medien. 2015年5月28日閲覧。
  29. ^ Alabama Shakes - Swiss Charts”. hitparade.ch/ Hung Medien. 2015年5月28日閲覧。
  30. ^ Peak positions in United Kingdom:
  31. ^ a b Gold & Platinum Searchable Database - April 24, 2015”. RIAA.com. 2016年6月23日閲覧。
  32. ^ a b British Phonographic Industry”. May 11, 2011時点のオリジナルよりアーカイブ。November 14, 2009閲覧。
  33. ^ a b Gold/Platinum - Music Canada”. Music Canada. July 27, 2017閲覧。
  34. ^ Rock, Canadian (2012年7月18日). “Canadian Active Rock & Alt Rock Chart Archive: Alternative Rock - July 17, 2012”. Canadianrockalt.blogspot.ca. 2012年8月14日閲覧。
  35. ^ Rock, Canadian (2012年10月9日). “Canadian Active Rock & Alt Rock Chart Archive: Active Rock - October 10, 2012”. Canadianrockalt.blogspot.ca. 2012年10月9日閲覧。
  36. ^ Rock, Canadian (2013年2月26日). “Canadian Active Rock & Alt Rock Chart Archive: Active Rock - February 26, 2013”. Canadianrockalt.blogspot.ca. 2013年2月26日閲覧。

外部リンク

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