コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

アンゲリク・ケルバー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アンゲリク・ケルバー
Angelique Kerber
アンゲリク・ケルバー
基本情報
国籍 ドイツの旗 ドイツ
出身地西ドイツの旗 西ドイツブレーメン
生年月日 (1988-01-18) 1988年1月18日(36歳)
身長 173cm
体重 68kg
利き手
バックハンド 両手打ち
ツアー経歴
デビュー年 2003年
ツアー通算 14勝
シングルス 14勝
ダブルス 0勝
生涯獲得賞金 32,519,180 アメリカ合衆国ドル
4大大会最高成績・シングルス
全豪 優勝(2016)
全仏 ベスト8(2012・18)
全英 優勝(2018)
全米 優勝(2016)
優勝回数 3(豪1・英1・米1)
4大大会最高成績・ダブルス
全豪 1回戦(2008・11・12)
全仏 2回戦(2012)
全英 3回戦(2011)
全米 3回戦(2012)
国別対抗戦最高成績
BJK杯 準優勝(2014)
ホップマン杯 準優勝(2018・19)
キャリア自己最高ランキング
シングルス 1位(2016年9月12日)
ダブルス 103位(2013年8月26日)
獲得メダル
女子 テニス
オリンピック
2016 リオデジャネイロ シングルス
2024年8月31日現在

アンゲリク・ケルバーAngelique Kerber, ドイツ語: [ʔan.d͡ʒɛˈliːk ˈkɛɐ̯bɐ] ( 音声ファイル) アンジェリーク・ケアバ1988年1月18日 - )は、ドイツブレーメン出身の女子プロテニス選手。身長173cm、体重68kg。左利き、バックハンド・ストロークは両手打ち。「アンジェリック・ケルバー」という表記も見られる[1]。自己最高ランキングはシングルス1位、ダブルス103位。これまでにWTAツアーでシングルス14勝を挙げている。

2016年全豪オープン女子シングルス2016年全米オープン女子シングルス2018年ウィンブルドン選手権女子シングルスの優勝者。2016年WTAツアー年間チャンピオン。

来歴

[編集]

ポーランド出身の両親の間に生まれたケルバーは3歳からテニスを始め、2003年にプロに転向。しばらくはITFのサーキット大会での下積みが続いた。

2007年の全仏オープン4大大会に初出場。第13シードのエレーナ・デメンチェワに、3-6, 2-6 で敗れている。ウィンブルドンアンナ・チャクベタゼ全米オープンではセリーナ・ウィリアムズとシード選手と対戦し初戦敗退している。同年7月に日本の豊田市で開催されたフェドカップの「ワールドグループ・プレーオフ」では、森田あゆみに6-4, 4-6, 5-7 、高雄恵利加に3-6, 2-6で敗れている。試合は3勝2敗でドイツが日本に勝利してワールドグループ残留を決めた[2]

2008年全豪オープン1回戦で、マレット・アニを0-6, 6-3, 6-2で破り4大大会の初勝利を挙げた。6月のスヘルトーヘンボス大会のダブルスで準優勝した。2010年2月のボゴタ大会でツアー初のシングル決勝に進出。地元のマリアナ・ドゥケ・マリノに4-6, 3-6で敗れ準優勝となった。 2011年全米オープンではランキング92位のノーシードから、2回戦で第12シードのアグニエシュカ・ラドワンスカに 6-3, 4-6, 6-3 、準々決勝では第28シードのフラビア・ペンネッタを6-4, 4-6, 6-3で破るなどして勝ち上がりベスト4に進出する。全米オープンでのドイツ女子選手のベスト4進出は1996年大会で優勝したシュテフィ・グラフ以来15年ぶりの快挙であった。準決勝では優勝した第9シードのサマンサ・ストーサーに3-6, 6-2, 2-6で敗れ、決勝進出はならなかった。10月のHP・オープンでもベスト4に進出し、世界ランキング29位となりトップ30入りを果たした。

2012年は全豪オープンでは第30シードとなり初めて4大大会でシード選手になり、3回戦で第4シードのマリア・シャラポワに 1-6, 2-6 で敗れた。2月のパリ大会では準々決勝でシャラポワを6-4, 6-4、準決勝ではヤニナ・ウィックマイヤーを6-7(2), 6-3, 6-4で破りツアー2度目のシングルス決勝に進出する。決勝では地元のマリオン・バルトリを7–6(3), 5–7, 6–3で破りケルバーはツアー初優勝を果たした。4月のデンマーク・オープンでも決勝に進出し、地元のキャロライン・ウォズニアッキを6–4, 6–4で破りツアー2勝目を挙げた。

全仏オープンではベスト8に進出した。イーストボーン大会では決勝でタミラ・パシェクに7–5, 3–6, 5–7で敗れ準優勝となった。ウィンブルドンではベスト4に進出。準決勝でアグニエシュカ・ラドワンスカに3-6, 4-6で敗れた。7月のロンドン五輪でオリンピックに初出場した。シングルス3回戦でビーナス・ウィリアムズに7–6(5), 7–6(5)で勝利しベスト8に進出し、準々決勝でビクトリア・アザレンカに 4–6, 5–7 で敗れた。最終戦のWTAツアー選手権にも初出場を果たしたがラウンドロビンで3連敗して敗退した。

2016年全豪オープンでは1回戦で土居美咲にマッチポイントを握られるも逆転で勝利すると、その後はセットを落とさずに決勝に進出。決勝でセリーナ・ウィリアムズに6–4, 3–6, 6–4で勝利し、グランドスラム初タイトルを手に入れた[3]。翌週の世界ランキングで自己最高の2位となった。ウィンブルドン選手権でも決勝に進出するが、セリーナに5–7, 3–6で敗れた。リオ五輪シングルスでは決勝でモニカ・プイグに4–6, 6–4, 1–6で敗れ、銀メダルを獲得した。全米オープンではセリーナが準決勝で敗退したため、世界ランキング1位になることが確定[4]。自身は決勝に進出し、カロリナ・プリスコバに6–3, 4–6, 6–4で勝利し、グランドスラム2勝目を挙げた[5]。ドイツ選手の女子シングルス世界ランキング1位はシュテフィ・グラフ以来で、史上2人目である。

連覇を狙った2017年全豪オープンでは4回戦でココ・バンダウェイに2-6, 3-6で敗れ、優勝したセリーナ・ウィリアムズに世界ランキング1位を奪還された。2017年は優勝はなくランキングも21位まで落とした。

2018年全豪オープンではベスト4に進出。準決勝でシモナ・ハレプに3-6, 6-4, 7-9 で敗れた。2018年全仏オープンでは6年ぶりにベスト8へ進出。優勝したシモナ・ハレプに7-6,3-6,2-6で敗れ、準決勝進出とはならなかった。2018年ウィンブルドン選手権では2年ぶりに決勝進出、決勝で2年前に敗れたセリーナ・ウィリアムズに6-3, 6-3で勝利し、ウィンブルドン初優勝、グランドスラム3勝目を挙げた[6]。また、最終戦のWTAファイナルズにも2年ぶりに出場を果たす。1勝2敗でラウンドロビン敗退となるが、昨年末の21位から大幅に順位を戻し、世界ランキング2位で2018年のシーズンを終えた。

2019年は2大会で決勝進出するも、優勝はなく、グランドスラムも良い成績を残せず、年間最終ランキングは20位に後退。

WTAツアー決勝進出結果

[編集]

シングルス: 32回 (14勝18敗)

[編集]
大会グレード
2020年以前 2021年以後
グランドスラム (3–1)
オリンピック (0–1)
WTAファイナルズ (0–1)
プレミア・マンダトリー (0–1) WTA1000 (0–0)
プレミア5 (0–4)
WTAエリート・トロフィー (0–0)
プレミア (7–6) WTA500 (0–0)
インターナショナル (2–4) WTA250 (2–0)
結果 No. 決勝日 大会 サーフェス 対戦相手 スコア
準優勝 1. 2010年2月21日 コロンビアの旗 ボゴタ クレー コロンビアの旗 マリアナ・ドゥケ・マリノ 4-6, 3-6
優勝 1. 2012年2月12日 フランスの旗 パリ ハード (室内) フランスの旗 マリオン・バルトリ 7-6(7-3), 5-7, 6-3
優勝 2. 2012年4月15日 デンマークの旗 コペンハーゲン ハード (室内) デンマークの旗 キャロライン・ウォズニアッキ 6-4, 6-4
準優勝 2. 2012年6月23日 イギリスの旗 イーストボーン オーストリアの旗 タミラ・パシェク 7-5, 3-6, 5-7
準優勝 3. 2012年8月19日 アメリカ合衆国の旗 シンシナティ ハード 中華人民共和国の旗 李娜 6-1, 3-6, 1-6
準優勝 4. 2013年4月7日 メキシコの旗 モンテレイ ハード ロシアの旗 アナスタシア・パブリュチェンコワ 6-4, 2-6, 4-6
準優勝 5. 2013年9月28日 日本の旗 東京 ハード チェコの旗 ペトラ・クビトバ 2-6, 6-0, 3-6
優勝 3. 2013年10月13日 オーストリアの旗 リンツ ハード (室内) セルビアの旗 アナ・イバノビッチ 6-4, 7-6(8-6)
準優勝 6. 2014年1月10日 オーストラリアの旗 シドニー ハード ブルガリアの旗 ツベタナ・ピロンコバ 4-6, 4-6
準優勝 7. 2014年2月26日 カタールの旗 ドーハ ハード ルーマニアの旗 シモナ・ハレプ 2-6, 3-6
準優勝 8. 2014年6月21日 イギリスの旗 イーストボーン アメリカ合衆国の旗 マディソン・キーズ 3-6, 6-3, 5-7
準優勝 9. 2014年8月3日 アメリカ合衆国の旗 スタンフォード ハード アメリカ合衆国の旗 セリーナ・ウィリアムズ 6-7(1-7), 3-6
優勝 4. 2015年4月12日 アメリカ合衆国の旗 チャールストン クレー アメリカ合衆国の旗 マディソン・キーズ 6-2, 4-6, 7-5
優勝 5. 2015年4月26日 ドイツの旗 シュトゥットガルト クレー (室内) デンマークの旗 キャロライン・ウォズニアッキ 3-6, 6-1, 7-5
優勝 6. 2015年6月21日 イギリスの旗 バーミンガム チェコの旗 カロリナ・プリスコバ 6-7(5-7), 6-3, 7-6(7-4)
優勝 7. 2015年8月9日 アメリカ合衆国の旗 スタンフォード ハード チェコの旗 カロリナ・プリスコバ 6-3, 5-7, 6-4
準優勝 10. 2015年10月18日 香港の旗 香港 ハード セルビアの旗 エレナ・ヤンコビッチ 6-3, 6-7(4-7), 1-6
準優勝 11. 2016年1月9日 オーストラリアの旗 ブリスベン ハード ベラルーシの旗 ビクトリア・アザレンカ 3-6, 1-6
優勝 8. 2016年1月30日 オーストラリアの旗 全豪オープン ハード アメリカ合衆国の旗 セリーナ・ウィリアムズ 6-4, 3-6, 6-4
優勝 9. 2016年4月24日 ドイツの旗 シュトゥットガルト クレー (室内) ドイツの旗 ラウラ・シグムント 6-4, 6-0
準優勝 12. 2016年7月9日 イギリスの旗 ウィンブルドン アメリカ合衆国の旗 セリーナ・ウィリアムズ 5-7, 3-6
準優勝 13. 2016年8月13日 ブラジルの旗 リオデジャネイロ五輪 ハード プエルトリコの旗 モニカ・プイグ 4-6, 6-4, 1-6
準優勝 14. 2016年8月21日 アメリカ合衆国の旗 シンシナティ ハード チェコの旗 カロリナ・プリスコバ 3-6, 1-6
優勝 10. 2016年9月10日 アメリカ合衆国の旗 全米オープン ハード チェコの旗 カロリナ・プリスコバ 6-4, 3-6, 6-4
準優勝 15. 2016年10月30日 シンガポールの旗 シンガポール ハード (室内) スロバキアの旗 ドミニカ・チブルコバ 3-6, 4-6
準優勝 16. 2017年4月9日 メキシコの旗 モンテレイ ハード ロシアの旗 アナスタシア・パブリュチェンコワ 4-6, 6-2, 1-6
優勝 11. 2018年1月13日 オーストラリアの旗 シドニー ハード オーストラリアの旗 アシュリー・バーティ 6-4, 6-4
優勝 12. 2018年7月14日 イギリスの旗 ウィンブルドン アメリカ合衆国の旗 セリーナ・ウィリアムズ 6-3, 6-3

ダブルス: 2回 (0勝2敗)

[編集]
結果 No. 決勝日 大会 サーフェス パートナー 対戦相手 スコア
準優勝 1. 2008年6月20日 オランダの旗 スヘルトーヘンボス ラトビアの旗 リガ・デクメイエレ オランダの旗 ミハエラ・クライチェク
ニュージーランドの旗 マリーナ・エラコビッチ
3-6, 2-6
準優勝 2. 2016年1月 オーストラリアの旗 ブリスベン ハード ドイツの旗 アンドレア・ペトコビッチ スイスの旗 マルチナ・ヒンギス
インドの旗 サニア・ミルザ
5-7, 1-6

4大大会優勝

[編集]

女子シングルス

[編集]
大会 対戦相手 試合結果
2016年 オーストラリアの旗 全豪オープン アメリカ合衆国の旗 セリーナ・ウィリアムズ 6-4, 3-6, 6-4
2016年 アメリカ合衆国の旗 全米オープン チェコの旗 カロリナ・プリスコバ 6-3, 4-6, 6-4
2018年 イギリスの旗 ウィンブルドン アメリカ合衆国の旗 セリーナ・ウィリアムズ 6-3, 6-3

4大大会シングルス成績

[編集]
略語の説明
 W   F  SF QF #R RR Q# LQ  A  Z# PO  G   S   B  NMS  P  NH

W=優勝, F=準優勝, SF=ベスト4, QF=ベスト8, #R=#回戦敗退, RR=ラウンドロビン敗退, Q#=予選#回戦敗退, LQ=予選敗退, A=大会不参加, Z#=デビスカップ/BJKカップ地域ゾーン, PO=デビスカップ/BJKカッププレーオフ, G=オリンピック金メダル, S=オリンピック銀メダル, B=オリンピック銅メダル, NMS=マスターズシリーズから降格, P=開催延期, NH=開催なし.

大会 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 通算成績
全豪オープン LQ 2R 1R 3R 1R 3R 4R 4R 1R W 4R SF 4R 29–11
全仏オープン 1R 1R LQ 2R 1R QF 4R 4R 3R 1R 1R QF 1R 17–12
ウィンブルドン 1R 1R LQ 3R 1R SF 2R QF 3R F 4R W 2R 31–11
全米オープン 1R LQ 2R 1R SF 4R 4R 3R 3R W 1R 3R 1R 25–11

脚注

[編集]

外部リンク

[編集]