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アンティオペ (小惑星)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アンティオペ
90 Antiope
アンティオペと衛星(想像図)
アンティオペと衛星(想像図)
分類 小惑星
軌道の種類 小惑星帯
テミス族
発見
発見日 1866年10月1日
発見者 ロベルト・ルター
軌道要素と性質
元期:2008年11月30日 (JD 2,454,800.5)
軌道長半径 (a) 3.157 au
近日点距離 (q) 2.663 au
遠日点距離 (Q) 3.652 au
離心率 (e) 0.157
公転周期 (P) 5.61
軌道傾斜角 (i) 2.22
近日点引数 (ω) 242.68 度
昇交点黄経 (Ω) 70.22 度
平均近点角 (M) 198.96 度
衛星の数 1
物理的性質
三軸径 93.0 × 87.0
× 83.6 km
直径 87.8 ± 1.0 km
質量 (8.28 ± 0.22)
×1017 kg
(伴星との合計)
平均密度 1.25 ± 0.05 g/cm3
表面重力 ~0.03 − 0.04 m/s2
脱出速度 ~35 − 40 m/s
自転周期 16.51 時間
スペクトル分類 C
絶対等級 (H) 8.27(系全体)
9.02(個別)
アルベド(反射能) 0.0603
表面温度
最低 平均 最高
~158 K ~244 K
(-29℃)
色指数 (B-V) 0.688
色指数 (U-B) 0.317
Template (ノート 解説) ■Project

S/2000 (90) 1
同程度の質量の2つの天体が共通重心の周りを公転しているモデル。アンティオペと衛星も同様に公転していると考えられる
同程度の質量の2つの天体が共通重心の周りを公転しているモデル。アンティオペと衛星も同様に公転していると考えられる
分類 二重小惑星の伴星
軌道の種類 同期回転
発見
発見日 2000年8月10日
発見者 D. C. スレイターら
軌道要素と性質
軌道長半径 (a) 171 ± 1 km
離心率 (e) <0.006
公転周期 (P) 16.51 時間
軌道傾斜角 (i) 63.7 ± 2
(90) アンティオペの衛星
物理的性質
三軸径 89.4 × 82.8
× 79.6 km
直径 83.8 ± 1.0 km
平均密度 1.25 ± 0.05 g/cm3
自転周期 16.51 時間
絶対等級 (H) 9.02
Template (ノート 解説) ■Project

アンティオペ[1] またはアンティオーペ[2] (90 Antiope) は、小惑星帯に位置する小惑星の一つ。1866年10月1日にドイツ天文学者、ロベルト・ルター (Karl Theodor Robert Luther) により発見された。ギリシア神話から命名されたが、ギリシア神話に2人登場するアンティオペーのどちらが語源になっているかで論争になっている。

小惑星帯の外側から3番目のグループであるテミス族に属しており、このグループのほとんどの小惑星と同じくC型小惑星である。密度が小さいことから、30%以上の空隙を持つ多孔質でできていると推定され、衝突によって砕けた小惑星のかけらが集まったラブルパイルだと考えられている。

1980年6月11日2008年1月3日掩蔽が観測された。2008年の観測では主星と衛星の影が観測され、2006年カリオペと衛星リヌスに次いで、掩蔽以外の方法で見つかっていた小惑星の衛星による掩蔽の観測に成功した二番目の例となった。

二重小惑星

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アンティオペの最大の特徴は、ほとんど同じ大きさ(重量にして2.5%以内の差)の2つの天体が二重小惑星(連小惑星)になっていることである。伴星の存在は、2000年8月10日にマウナケア天文台群W・M・ケック天文台補償光学による観測を行っていた天文学者のグループの手で発見され、S/2000 (90) 1という仮符号がつけられた。2つの天体は共に 85 km前後の直径で、中心間の距離はわずか170 km程度である。2つの天体は全体の質量中心の周りを回っている。周期は16.51 時間である。数年に一度、地球から相互掩蔽が観測される。またケプラーの第三法則を使うと、周期と天体の大きさよりそれぞれの質量と密度を計算できる。

軌道の軸は黄道座標を使って (β, λ) = (200°, 38°) と表せ、太陽系に比べて63度傾いていることが分かる。8-10m級の望遠鏡を使った補償光学による観測と数ヶ月間の光度曲線により、形状、表面の様子、おおまかな密度、内部の状態など、様々な物理パラメータが算出される。形はわずかに球形から外れていて、大きさの比は0.95、平均半径は42.9 kmである。2003年に掩蔽が起こった際の光度曲線により、正確な形のロッシュ・ローブからのずれは10%以内であることが分かった。

出典

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  1. ^ 全世界の観測成果 ver.2” (Excel). 薩摩川内市せんだい宇宙館 (2018年3月3日). 2019年3月11日閲覧。
  2. ^ 小惑星日本語表記索引 : 51 - 100”. 日本惑星協会. 2019年3月12日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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