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アンドロメダ座シータ星

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アンドロメダ座θ星
θ Andromedae
星座 アンドロメダ座
見かけの等級 (mv) 4.61[1]
変光星型 疑わしい[2]
位置
元期:J2000.0
赤経 (RA, α)  00h 17m 05.5023632446s[3]
赤緯 (Dec, δ) +38° 40′ 53.888625622″[3]
視線速度 (Rv) 0.9 km/s[3]
固有運動 (μ) 赤経: -57.551 ミリ秒/[3]
赤緯: -14.795 ミリ秒/年[3]
年周視差 (π) 18.8747 ± 0.4251ミリ秒[3]
(誤差2.3%)
距離 173 ± 4 光年[注 1]
(53 ± 1 パーセク[注 1]
絶対等級 (MV) 1.0[注 2]
アンドロメダ座θ星の位置(丸印)
物理的性質
スペクトル分類 A2 V[1]
色指数 (B-V) 0.059[1]
色指数 (V-I) 0.07[1]
金属量[Fe/H] 0.26 ± 0.40[4]
年齢 4.64 +0.83
−1.19
×108[5]
軌道要素と性質
軌道長半径 (a) 12 +9
−2
ミリ秒[6]
離心率 (e) 0.61 +0.31
−0.25
[6]
公転周期 (P) 1066 +88
−102
[6]
軌道傾斜角 (i) 63 ± 10°[6]
近点引数 (ω) 70 +149
−42
°[6]
他のカタログでの名称
アンドロメダ座24番星, BD+37 34, HD 1280, HIP 1366, HR 63, NSV 116, SAO 53777[3]
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アンドロメダ座θ星(アンドロメダざシータせい、θ Andromedae、θ And)は、アンドロメダ座連星である。年周視差を基に計算した太陽系からの距離は、およそ173光年で、見かけの等級は4.6と、暗い夜空であれば肉眼でみえる明るさである[3][1][注 1]

特徴

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アンドロメダ座θ星は、スペクトル型がA2 Vと分類されるA型星である[1]スペクトルの分析からは、原子量が小さい元素太陽に近い存在量であるものの、や、より原子量の大きい元素は、平均的には太陽より存在量が大きい化学特異星で、高速自転Am星ではないかといわれる[4]

アンドロメダ座θ星には、変光しているという指摘があり、変光星総合カタログの「新しい変光星候補」(NSV 116)となっている[7][2]。明るさは、最も明るいときと最も暗いときで0.04等級の差があるとされるが、確定した変光星とはなっていない[2]

星系

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アンドロメダ座θ星は、1986年にキットピーク国立天文台の4mメイヨール望遠鏡によるスペックル干渉法の観測から、離角およそ0.06の伴星が分離された[8]。それだけでは、2つの恒星の間に物理的な結び付きがあるかどうか明らかでなかったが、ヒッパルコス衛星による位置測定データから軌道を計算すると、アンドロメダ座θ星が真の連星であることがわかった。アンドロメダ座θ星系は、およそ1,017周期で公転しており、軌道長半径は概ね1au程度で、離心率が大きい偏った軌道をとっている。求められた軌道要素から、伴星も比較的質量が大きい恒星とみられ、A型星ではないかと考えられている。なお、分光観測からは連星である証拠は得られていない[6]

名称

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中国では、アンドロメダ座θ星は、或いは厩の世話をする官吏を意味する天廄拼音: Tiān Jiù)という星官を、アンドロメダ座ρ星アンドロメダ座σ星と共に形成する。アンドロメダ座θ星自身は、天廄一拼音: Tiān Jiù yī)つまり天厩の1番星として知られる[9]

脚注

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注釈

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  1. ^ a b c パーセクは1 ÷ 年周視差(秒)より計算、光年は1÷年周視差(秒)×3.2615638より計算
  2. ^ 視等級 + 5 + 5×log(年周視差(秒))より計算。小数第1位まで表記

出典

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  1. ^ a b c d e f ESA (1997), The HIPPARCOS and TYCHO catalogues. Astrometric and photometric star catalogues derived from the ESA HIPPARCOS Space Astrometry Mission, ESA SP Series, 1200, Noordwijk, Netherlands: ESA Publications Division, Bibcode1997ESASP1200.....E, ISBN 9290923997 
  2. ^ a b c Samus, N. N.; et al. (2009-01), “General Catalogue of Variable Stars”, VizieR On-line Data Catalog: B/gcvs, Bibcode2009yCat....102025S 
  3. ^ a b c d e f g h tet And -- Double or multiple star”. SIMBAD. CDS. 2022年7月23日閲覧。
  4. ^ a b Kocer, D.; et al. (2003-08), “Elemental abundance analyses with DAO spectrograms. XXVII. The superficially normal stars θ And (A2 IV), ε Del (B6 III), ε Aqr (A1.5 V), and ι And (B9 V)”, Astronomy & Astrophysics 406: 975-980, Bibcode2003A&A...406..975K, doi:10.1051/0004-6361:20030620 
  5. ^ David, Trevor J.; Hillenbrand, Lynne A. (2015-05), “The Ages of Early-type Stars: Strömgren Photometric Methods Calibrated, Validated, Tested, and Applied to Hosts and Prospective Hosts of Directly Imaged Exoplanets”, Astrophysical Journal 804 (2): 146, Bibcode2015ApJ...804..146D, doi:10.1088/0004-637X/804/2/146 
  6. ^ a b c d e f Goldin, A.; Makarov, V. V. (2006-09), “Unconstrained Astrometric Orbits for Hipparcos Stars with Stochastic Solutions”, Astrophysical Journal Supplement Series 166 (1): 341-350, Bibcode2006ApJS..166..341G, doi:10.1086/505939 
  7. ^ Golay, M. (1973), “Remarks on the Photometric Criteria of Choice of the Standard Stars”, Proceedings of IAU Symposium 54: 275-297, Bibcode1973IAUS...54..275G 
  8. ^ McAlister, Harold A.; et al. (1989-02), “ICCD Speckle Observations of Binary Stars. IV. Measurements During 1986-1988 from the Kitt Peak 4 m Telescope”, Astronomical Journal 97 (2): 510-531, Bibcode1989AJ.....97..510M, doi:10.1086/115001 
  9. ^ 中國古代的星象系統 (69): 璧宿天區”. AEEA 天文教育資訊網. 國立自然科學博物館 (2006年7月8日). 2022年7月23日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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座標: 星図 00h 17m 05.5023632446s, +38° 40′ 53.888625622″