インド・スキタイ王国
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インド・スキタイ王国(インド・スキタイおうこく、英語:Indo-Scythian Kingdom)は、紀元前1世紀の西北インドに興ったスキタイ系のサカ人による諸王朝。インド・スキタイ朝、インド・サカ王朝、サカ王朝、サカ王国ともいう。インド・グリーク朝の文化を受け継ぎ、多くのコインを残した。
歴史
[編集]遊牧民の大移動と建国
[編集]紀元前2世紀、モンゴル高原の覇者となった匈奴は西域攻略を開始すべく、手始めとして敦煌付近にいた月氏を駆逐した。月氏はイシク湖周辺にまで逃れ、もともとそこにいた塞族(サカ人)を追い出してその地に居座った。追い出された塞族は縣度(パミール高原、ヒンドゥークシュ山脈)を越えてガンダーラ地方に罽賓国を建てたり、途中のパミール山中に休循国や捐毒国を建てたりした[1]。これらの国々がインド・スキタイ王国なのかは不明だが、紀元前85年頃には北方遊牧民(広義のスキタイ:サカ)が西北インドに侵入し、インド・グリーク朝を滅ぼして自らの王国を築いた。
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文化
[編集]インド・スキタイのコイン
[編集]インド・スキタイ王国もインド・グリーク朝にならい、多くのコイン(銀貨、銅貨)を鋳造した。コインの表にはギリシア文字/ギリシア語の銘文と王の騎馬像が、裏にはカローシュティー文字/ガンダーラ語の銘文と神の像が刻まれている。[2]
インド・スキタイの諸王
[編集]西北インド
[編集]- マウエス(前90年 - 前60年)
- ヴォノネス(前75年 - 前65年)
- スパラホレス(前75年 - 前65年)
- スパリリセス(前60年 - 前57年)
- スパラガダメス(前50年)
- アゼス1世(前57年 - 前35年)
- アズィリセス(前57年 - 前35年)
- アゼス2世(前35年 - 前12年)
- ゼイオニセス(前10年 - 10年)
- カラホステス(前10年 - 10年)
- ハジャトリア
クシャハラタス
[編集]- リアカ・クスルカ
- クスラカ・パティカ
- アブヒラカ
- ブマカ
- ナハパナ
アプラカラジャス
[編集]- ヴィジャヤミトラ
- イトゥラヴァス
- アスパヴァルマ
パラタラジャス
[編集]- クヴスヴメ
- スパジャナ
- スパジャヤム
- ビマジュナ
- ヨラミラ(2世紀)…バガヴェラの子
- アルジュナ(2世紀)…ヨラミラの子
- カリヤナパ
- フヴァラミラ(2世紀)…ヨラミラの子
- ミラヴァラ(2世紀)…フヴァラミラの子
- ミラタクマ(2世紀)…フヴァラミラの子
北クシャトラパ(マトゥラー地方)
[編集]- ハガマシャ(紀元前1世紀)
- ハガナ(紀元前1世紀)
- ラジュヴラ(10年頃)
- ソダサ…ラジュヴラの子
- カラパッラナ(130年頃)
- ヴァナスパラ(130年頃)
その他
[編集]- バダヤサ
- マムヴァディ
- アルサケス
西クシャトラパ
[編集]→詳細は「西クシャトラパ」を参照
- ナハパナ(119年 - 124年)
- チャシタナ(120年頃)…グサモティカの子
- ジャヤダーマン…チャスタナの子
- ルドラダーマン1世(130年頃 - 150年頃)…ジャヤダーマンの子
- ダマジャダスリ1世(170年 - 175年)
- ジヴァダーマン(175年)
- ルドラシムハ1世(175年 - 188年)
- イスヴァラダッタ(188年 - 191年)
- ルドラシムハ1世(復位、191年 - 197年)
- ジヴァダーマン(復位、197年 - 199年)
- ルドラセーナ1世(200年 - 222年)
- サムガダーマン (222年 - 223年)
- ダーマセーナ(223年 - 232年)
- ダーマジャダスリ2世(232年 - 239年)
- ヴィラダーマン(234年 - 238年)
- ヤソダーマン1世(239年)
- ヴィジャヤセーナ(239年 - 250年)
- ダーマジャダスリ3世(251年 - 255年)
- ルドラセーナ2世(255年 - 277年)
- ヴィスヴァシムハ(277年 - 282年)
- ブラタダルマン(282年 - 295年)
- ヴィスヴァセーナ(293年 - 304年)
- ルドラシムハ2世(304年 - 348年)
- ヤソダーマン2世(317年 - 332年)
- ルドラダーマン2世(332年 - 348年)
- ルドラセーナ3世(348年 - 380年)
脚注
[編集]参考資料
[編集]- 『漢書』西域伝