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イ・ズィンブラ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
イ・ズィンブラ
トーキング・ヘッズ楽曲
収録アルバムフィア・オブ・ミュージック
リリース1979年8月3日[1]
録音ロングアイランドシティ、クリス・フランツとティナ・ウェイマスのロフト(1979年4月22日、5月6日)
ニューヨークザ・ヒット・ファクトリー、アトランティック・スタジオ、RPMサウンド・スタジオ、レコード・プラント・スタジオ
ジャンルニュー・ウェイヴアフロビート
時間3分06秒
レーベルサイア・レコーズ
作詞者デヴィッド・バーンブライアン・イーノフーゴ・バル
作曲者同上
プロデュースブライアン・イーノ、トーキング・ヘッズ
フィア・オブ・ミュージック 収録曲
Side 1
  1. イ・ズィンブラ
  2. マインド
  3. ペーパー
  4. シティーズ
  5. ライフ
  6. メモリーズ
Side 2
  1. エアー
  2. ヘヴン
  3. アニマルズ
  4. エレクトリック・ギター
  5. ドラッグス
ミュージックビデオ
「I Zimbra」 - YouTube

イ・ズィンブラ」(I Zimbra)は、トーキング・ヘッズ1979年に発表した楽曲。ダダイスムの詩人、フーゴ・バルの音響詩「Gadji Beri Bimba」[2]の一部が繰り返し歌われる。

概要

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1979年4月22日と5月6日、ニューヨークレコード・プラント・スタジオのスタッフは、ロングアイランドシティにあるクリス・フランツとティナ・ウェイマスのアパートの前に録音機材を乗せたヴァンをとめた。トーキング・ヘッズはアパートのロフトで演奏を行い、プロデューサーのブライアン・イーノとエンジニアはロフトの窓からケーブルをつなげ、録音した。グループはアルバム『フィア・オブ・ミュージック』のベーシック・トラックをこの2日間ですべて録り終えた。その後、ニューヨークのザ・ヒット・ファクトリー、アトランティック・スタジオ、RPMサウンド・スタジオ、レコード・プラント・スタジオなどで追加のレコ―ディングを行った[3][4]

イーノはダダイスムの詩人、フーゴ・バルの音響詩「Gadji Beri Bimba」[2]を採用するようデヴィッド・バーンにすすめた[5]。そして「Gadji Beri Bimba」から下記の箇所が歌われることになった。タイトルは詩の一節から「イ・ズィンブラ」と付けられた。

Gadji beri bimba clandridi
Lauli lonni cadori gadjam
A bim beri glassala glandride
E glassala tuffm I zimbra

サウンドは当時バーンが傾倒していたアフリカのポピュラー音楽からの引用が顕著で、イーノは電子音楽とバッキング・ボーカルで参加。エンジニアのジュリー・ラストもバッキング・ボーカルで参加している。また、ロバート・フリップがギターで参加している。

1979年8月3日、3枚目のスタジオ・アルバム『フィア・オブ・ミュージック』が発売[1]。本作品はアルバムA面の1曲目に収録された。1980年2月にイギリスでシングルカットされた[6]

1982年3月発売のライブ・アルバム『實況録音盤』にライブ・バージョンが収録されている。

1983年12月13日から16日にかけてロサンゼルスのパンテージズ劇場で行われたコンサートの模様が映画用に撮影された[7]。本作品は、バーンの1981年のアルバム『The Catherine Wheel』に収録されている「Big Business」とのメドレーで演奏された[8]

コンサート映画『Stop Making Sense』は1984年4月24日にサンフランシスコ国際映画祭で上映され、同年10月に全国公開されたが、「Big Business」と「I Zimbra」のメドレー[9]は映画には収められなかった。映画のタイトルは「ガールフレンド・イズ・ベター」の歌詞「僕らは年をとるにつれ、意味づけするのをやめる/君は待ちわびている彼女を探し当てることはできない/意味づけをやめよ(As we get older and stop making sense / You won't find her waiting long / Stop making sense)」からとられたが、『ローリング・ストーン』のコリー・グロウはバーンへのインタビューで、「フーゴ・バルのナンセンス詩からの借用が見つかる」本作品とも関連があるとの見立てを述べている[5]

1999年に発売された『Stop Making Sense』のDVDに「Big Business」と「I Zimbra」のメドレーは特典映像として収録された[10]

2021年公開の映画『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』の冒頭で使用された。

脚注

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  1. ^ a b Vinyl Album - Talking Heads - Fear Of Music - Sire - USA
  2. ^ a b 全てを疑問視した芸術運動”. SWI swissinfo.ch (2016年2月5日). 2023年4月19日閲覧。
  3. ^ Bowman 2001, p. 146.
  4. ^ Talking Heads – Fear Of Music (1979, Winchester Pressing, Vinyl) - Discogs
  5. ^ a b コリー・グロウ (2021年5月27日). “デイヴィッド・バーンが語る『アメリカン・ユートピア』、トーキング・ヘッズと人生哲学”. ローリング・ストーン・ジャパン. 2023年4月19日閲覧。
  6. ^ 45cat - Talking Heads - I Zimbra / Paper - Sire - UK - SIR 4033
  7. ^ Doherty, Thomas. "Stop Making Sense." Film Quarterly, vol. 38, no. 4, 1985, pp. 12–16. JSTOR, www.jstor.org/stable/1212389. Accessed 21 Dec. 2020.
  8. ^ Dec 14, 1983: Speaking in tongues at Hollywood Pantages Theatre Los Angeles, California, United States”. Concert Archives. 2023年4月6日閲覧。
  9. ^ Talking Heads (2023年8月17日). “Big Business / I Zimbra (Live) (2023 Remaster)”. YouTube. 2023年9月27日閲覧。
  10. ^ New York Times/Allmovie[リンク切れ]

参考文献

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  • Bowman, David (2001). This Must Be the Place: The Adventures of Talking Heads in the Twentieth Century. HarperCollins. ISBN 0-380-97846-6 
  • Charone, Barbara (October 1979). “More Songs About Typing and Vacuuming”. Creem: 27–33.