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ウマヅラハギ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ウマヅラハギ
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
亜綱 : 新鰭亜綱 Neopterygii
上目 : 棘鰭上目 Acanthopterygii
: フグ目 Tetraodontiformes
: カワハギ科 Monacanthidae
: ウマヅラハギ属 Thamnaconus
: ウマヅラハギ T. modestus
学名
Thamnaconus modestus
(Günther, 1877)
英名
Black scraper
Filefish
Scraper

ウマヅラハギ(馬面剥、学名:Thamnaconus modestus)は、フグ目カワハギ科に属する

分布

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北海道以南の日本近海から東シナ海南シナ海にかけての海域に生息する。

形態

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体長25cmで、体型はカワハギに比べるとやや細長くなる。体色はやや薄い青灰色だが、個体差がある。(ひれ)は緑青色。また、後頭部に一本の大きなトゲがある。顔面は長く、の顔を連想させることから馬面のカワハギ、略してウマヅラハギの名になった。皮膚がザラザラしているからヤスリウオの別名がある。

生態

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カワハギよりやや沖合の深場に生息。海底から中間層を群れで泳ぐ。

雑食性でなんでも食べるが、特にクラゲが好物で、中間層を浮遊するエチゼンクラゲなどの巨大クラゲを集団で襲い、強力な歯で剥ぎ取って食べる。

頭の上の突起は体側誇示をして、喧嘩する時に威嚇する。


産卵は6-7月ごろ。ヘドロなどの悪条件への適応力が高いため、時折大発生することがある。2009年から2010年にかけ、福井県沿岸のエチゼンクラゲの大発生に伴って大量に発生した。

利用

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好物のエチゼンクラゲ。これを集団で襲う

本種は食用になる。肉質はクセが少ない白身で、脂肪分は約0.2%で低カロリーである。カワハギよりやや身が固く、はやや大きい。肝はポン酢醤油で生食すると美味。他には、煮付け刺身ちり鍋みりん干しなどの調理法がある。また、フグの代用魚として供されることも多い。

日本では、ウマヅラハギも肝がおいしいとされるが、消費者に知られていない場合もあるため、「肝はフォアグラのように美味しいので、捨てずに」料理に用いるように注意を促す・勧める漁業者もいる[1]

漁獲方法は底引網定置網などの方法が一般的だが、マダイ釣りの外道として釣れることも多い。釣りでは、餌取りが上手いので嫌がられることがある。カワハギとは同じ釣法で釣れる。餌にはゴカイ、アサリが用いられる。

鳥取県では、ウマヅラハギを捕獲する「カワハギ網」という専用の網を用いたカワハギ網漁業が行われている。中央の餌袋にオキアミまたはクラゲを括り付けると、ウマヅラハギが集団で網の中にやってくるのでこれを捕獲する。

皮膚は天日干しすればヤスリとして利用する。

別名・地方名

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脚注

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参考文献

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  • 望月賢二 監修 著、魚類文化研究会 編『図説 魚と貝の大事典』柏書房、1997年、85頁。ISBN 4-7601-1442-4 
  • 鈴木哲[要検証] 著、講談社 編『からだによく効く旬の食材 魚の本』講談社、2013年、161頁。ISBN 978-4-06-218507-3 

関連項目

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