ウマヅラハギ
ウマヅラハギ | ||||||||||||||||||||||||||||||
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分類 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Thamnaconus modestus (Günther, 1877) | ||||||||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Black scraper Filefish Scraper |
ウマヅラハギ(馬面剥、学名:Thamnaconus modestus)は、フグ目カワハギ科に属する魚。
分布
[編集]北海道以南の日本近海から東シナ海、南シナ海にかけての海域に生息する。
形態
[編集]体長25cmで、体型はカワハギに比べるとやや細長くなる。体色はやや薄い青灰色だが、個体差がある。鰭(ひれ)は緑青色。また、後頭部に一本の大きなトゲがある。顔面は長く、馬の顔を連想させることから馬面のカワハギ、略してウマヅラハギの名になった。皮膚がザラザラしているからヤスリウオの別名がある。
生態
[編集]カワハギよりやや沖合の深場に生息。海底から中間層を群れで泳ぐ。
雑食性でなんでも食べるが、特にクラゲが好物で、中間層を浮遊するエチゼンクラゲなどの巨大クラゲを集団で襲い、強力な歯で剥ぎ取って食べる。
頭の上の突起は体側誇示をして、喧嘩する時に威嚇する。
産卵は6-7月ごろ。ヘドロなどの悪条件への適応力が高いため、時折大発生することがある。2009年から2010年にかけ、福井県沿岸のエチゼンクラゲの大発生に伴って大量に発生した。
利用
[編集]本種は食用になる。肉質はクセが少ない白身で、脂肪分は約0.2%で低カロリーである。カワハギよりやや身が固く、肝はやや大きい。肝はポン酢醤油で生食すると美味。他には、煮付け、刺身、ちり鍋、みりん干しなどの調理法がある。また、フグの代用魚として供されることも多い。
日本では、ウマヅラハギも肝がおいしいとされるが、消費者に知られていない場合もあるため、「肝はフォアグラのように美味しいので、捨てずに」料理に用いるように注意を促す・勧める漁業者もいる[1]。
漁獲方法は底引網、定置網などの方法が一般的だが、マダイ釣りの外道として釣れることも多い。釣りでは、餌取りが上手いので嫌がられることがある。カワハギとは同じ釣法で釣れる。餌にはゴカイ、アサリが用いられる。
鳥取県では、ウマヅラハギを捕獲する「カワハギ網」という専用の網を用いたカワハギ網漁業が行われている。中央の餌袋にオキアミまたはクラゲを括り付けると、ウマヅラハギが集団で網の中にやってくるのでこれを捕獲する。
皮膚は天日干しすればヤスリとして利用する。
別名・地方名
[編集]- カングリ - 秋田県男鹿半島付近
- ゲンパ - 千葉県
- コウグリ - 新潟県
- コウゴリ、バクチコキ - 富山県
- ウマヌスト - 三重県
- ウマヅラハゲ、だいなんはげ - 和歌山県
- オキアジ - 鳥取県
- こきめんぼう - 島根県浜田市・山口県下関市
- ツノギ - 岡山県
- ハゲ - 広島県
脚注
[編集]参考文献
[編集]- 望月賢二 監修 著、魚類文化研究会 編『図説 魚と貝の大事典』柏書房、1997年、85頁。ISBN 4-7601-1442-4。
- 鈴木哲f [要検証 ] 著、講談社 編『からだによく効く旬の食材 魚の本』講談社、2013年、161頁。ISBN 978-4-06-218507-3。