ウラナミアカシジミ
ウラナミアカシジミ | |||||||||||||||||||||||||||
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ウラナミアカシジミ Japonica saepestriata
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分類 | |||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Japonica saepestriata Hewitson, 1865[1] | |||||||||||||||||||||||||||
亜種 | |||||||||||||||||||||||||||
ウラナミアカシジミ(裏波赤小灰蝶、学名:Japonica saepestriata Hewitson, 1865)は、シジミチョウ科アカシジミ属に属するチョウの一種。
特徴
[編集]翅裏は薄いオレンジ地、その上に角ばった黒点をちりばめたような特徴あるウラナミシジミに似た模様。後翅の紅角は赤く、黒い尾状突起の先端が白くなる。翅表はオレンジ一色。飛んでいる時はわからないが、止まるとすぐにそれとわかる。前翅が横に長く後翅が縦に長い、アンバランスな翅を持つ。
本種もゼフィルスの一員で、昼間は葉に止まってじっとしている。
生態
[編集]成虫は初夏のみ発生の年1化。夏に生まれた卵がそのまま越冬して翌年の春にやっと孵化しその年に発生、と、アカシジミとほとんど同じ生活史をとる。雑木林に多く、発生地を離れようとする傾向があまりない。幼虫はクヌギ、アベマキ、ウバメガシなどの葉を主な食草とし、ミズナラ、コナラ、ナラガシワも食草とすることがある[2][3]。木炭を利用していた時代は雑木林でも植林などがされており若い樹が多かったため、新芽を好んで食す本種が大発生していた。
分布
[編集]ロシア沿海州、中国、朝鮮半島、日本に分布する[3]。平地、丘陵地、低山地の雑木林などに生息する[2]。
日本の北海道、本州、四国北部に亜種(J. saepestriata saepestriata)生息するが[3]、生息域、個体数ともに芳しくない[2]。紀伊半島に生息するものは、小型で斑紋が変化していて別の亜種(J. saepestriata gotohi)とされる[4]。中国東部には別の亜種が生息する[3]。
分類
[編集]以下の亜種に分類されている。
- J. saepestriata saepestriata(Hewitson, 1865)
- J. saepestriata gotohi Saigusa - 紀伊半島南部亜種
種の保全状況評価
[編集]日本の以下の都道府県で、レッドリストの指定を受けている[5]。開発、雑木林の減少などでこの種もめっきり少なくなった[2][6][7][8][9][10][11][12][13][14]。
- 絶滅危惧I類(CRまたはEN) - 東京都区部、鳥取県[6]
- 絶滅危惧II類(VU)- 埼玉県[7]、静岡県、大阪府、奈良県、広島県、香川県[8]
- 準絶滅危惧(NT)- 長野県、三重県[10]、京都府[11]、和歌山県、島根県[12]
- 留意 - 岡山県[14]
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ “Japonica saepestriata Hewitson, 1865” (英語). catalogue of life. 2013年6月14日閲覧。
- ^ a b c d 須田真一(2012)、112頁
- ^ a b c d 猪又敏男(2006)、145頁
- ^ 猪又敏男(2006)、37頁
- ^ “日本のレッドデータ検索システム「ウラナミアカシジミ」”. (エンビジョン環境保全事務局). 2013年6月14日閲覧。 - 「都道府県指定状況を一覧表で表示」をクリックすると、出典の各都道府県のレッドデータブックのカテゴリー名が一覧表示される。
- ^ a b “レッドデータブックとっとり(動物)” (PDF). 鳥取県. pp. 143 (2002年). 2013年6月14日閲覧。
- ^ a b “埼玉県レッドデータブック2008動物編” (PDF). 埼玉県. pp. 135 (2008年). 2013年6月12日閲覧。
- ^ a b “香川県レッドデータブック・ウラナミアカシジミ”. 香川県 (2004年3月). 2013年6月14日閲覧。
- ^ a b “千葉県レッドデータブック動物編(2009年改訂版)” (PDF). 千葉県. pp. 352 (2011年). 2013年6月14日閲覧。
- ^ a b “三重県レッドデータブック2005・ウラナミアカシジミ紀南亜種”. 三重県 (2005年). 2013年6月14日閲覧。
- ^ a b “京都府レッドデータブック・ウラナミアカシジミ”. 京都府 (2002年). 2013年6月14日閲覧。
- ^ a b “しまねレッドデータブック・ウラナミアカシジミ”. 島根県 (2004年). 2013年6月14日閲覧。
- ^ a b “青森県レッドデータブック(2010年改訂版)” (PDF). 青森県. pp. 270 (2010年). 2013年6月14日閲覧。
- ^ a b “岡山県版レッドデータブック2009” (PDF). 岡山県. pp. 207 (2009年). 2013年6月14日閲覧。
参考文献
[編集]- 牧林功解説 『日本の蝶』成美堂出版、1994年、ISBN 4-415-08045-6。
- 日本環境動物昆虫学会編『チョウの調べ方』文教出版、1998年、ISBN 4-938489-11-2。
- 猪又敏男(編・解説)、松本克臣(写真)『蝶』山と溪谷社〈新装版山溪フィールドブックス〉、2006年6月。ISBN 4-635-06062-4。
- 須田真一、永幡嘉之、中村康弘、長谷川大、矢野勝也 著、日本チョウ類保全協会 編『日本のチョウ』誠文堂新光社〈フィールドガイド〉、2012年4月30日。ISBN 978-4416712030。